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更新日:令和5(2023)年10月24日

ページ番号:336008

こども(幼児)の糖尿病の治療と管理はどうするのですか。

質問

こども(幼児)の糖尿病の治療と管理はどうするのですか。

回答

 小児期に発症する糖尿病には成人と同じように、1型糖尿病と2型糖尿病とがあります。しかし小学校入学前に限れば、ほとんどが1型糖尿病です。1型糖尿病は自分のインスリンが分泌されなくなってしまう病気で、その機序は自己の免疫反応によりインスリンを分泌する膵β細胞が破壊されることによると考えられています。破壊されたβ細胞は回復せず、インスリン分泌を再開させる方法は現時点ではありません。よって、1型糖尿病の治療はインスリンを外部から補充することが必要です。インスリンは口から飲むと消化酸素で分解されてしまうため、皮下注射をしていかなければなりません。また、成人に多い2型糖尿病の治療に使われる経口糖尿病薬は、中高生以上の1型糖尿病の患者さんに補助的に使用することはありますが、インスリン皮下注射に代わるものではありません。

*治療の目標
 この質問の対象である小学校入学前の1型糖尿病の患者さんは、重篤な糖代謝失調状態である糖尿病ケトアシドーシスと、インスリン治療中におこる低血糖症を防ぎ、元気に日常生活を行えることが目標となります。

*治療の実際、インスリン注射療法
 インスリン製剤には、その作用時間や強さにより、さまざまな製剤があります。インスリンの生理的な分泌に合わせて、基礎分泌を補完するための持効型インスリン製剤と、飲食時の追加分泌を補完するための超速効型インスリン製剤を組み合わせて注射します。これを強化インスリン療法といいます。持効型インスリンは1日1回、超速効型インスリンは1日3~5回程度注射します。生理的なインスリン分泌を合わせた方がより良好な血糖コントロールを得ることができます。
 乳幼児では頻回の皮下注射がたいへんですので、最近はインスリンポンプ療法を導入することが多くなっています。皮膚に長さ数ミリ程度の柔らかいカニューレを留置し、8×4×21cm大の小型ポンプでインスリンを注入する方法です。インスリンの基礎分泌分の補充はインスリンポンプのプログラムにしたがって、ゆっくり持続注入されます。飲食の時に必要な追加分泌分の補充はボタン操作によって行うことができます。次の項目で説明する持続皮下グルコールモニタリングと連動させることで血糖コントロールをすることもできます。

*糖尿病のコントロールとその目標
 現在のところ1型糖尿病は治癒することはなく、生涯向き合っていく病気です。血糖コントロールが長期にわたって不良であることによる糖尿病性合併症があります。このため、日頃より血糖コントロールをできるだけ良好に保っておく必要があります。血糖コントロールは従来からの自己血糖測定を1日数回おこなう方法に加えて、近年では皮膚に細いセンサーを留置して皮膚の中のブドウ糖をモニターする、持続皮下グルコースモニタリング(CGM)という方法も開発されました。CGMでは、1日の血糖の変動を把握できた理、低血糖や高血糖に対してのアラートや、インスリンポンプと連動するなど様々な機能があります。血糖コントロールの指標には血液でヘモグロビンA1cという検査をおこないます。これは、過去2~3か月の血糖コントロールの状態を反映しています。また、先のCGMのデータを解析し、血糖が丁度良い範囲におさまっている時間がどれくらいあるかを示す、「タイム イン レンジ」という評価方法もあります。

*食事と運動について
 糖尿病治療の3本柱は、インスリン・食事・運動です。食事は過度に制限するのではなく、年齢相応の必要なカロリーや栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)を偏りなく摂取します。食べすぎは、インスリンの投与量が増えて肥満し、血糖コントロールを悪くする原因となるので注意する必要があります。乳児期では、過度な食事制限は不要な反面、標準的な食生活が身につくように心がけます。そして、食事が楽しい時間であるように工夫することも大切です。食事の炭水化物量を推計し、必要なインスリン量を計算する、カーボカウントという方法もあります。運動は制限することなく適度におこなうことは、血糖コントロールをよくするためには大切で、幼児期から運動する習慣を身につけるようにすることも大切です。運動するときは、低血糖に注意する必要があります。

【問い合わせ先】
健康づくり支援課
電話:043-223-2659

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部健康福祉指導課企画情報班

電話番号:043-223-2607

ファックス番号:043-222-6294

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