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放射線科
組織紹介
当施設の放射線科は、日本救急撮影技師認定機構が指定する実地研修認定施設です。3次救急病院として救命救急医療・高度専門医療に対応した各種検査画像および治療をサポートしています。
主なスタッフ
診療放射線技師:12名(正職員:11名、嘱託職員:1名)
医療助手:1名(受付担当)
認定一覧
日本救急撮影認定技師
日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師
日本X線CT専門認定技師
第一種放射線取扱主任者
勤務体制
2交代制(日勤/夜勤)
- 平日勤務:6~7名
- 土日・祝日勤務:2名
- 夜間業務:1名
日勤者のうち1名がオンコール
検査装置(モダリティ)の紹介
コンピュータX線断層撮影装置(CT)
装置名:Canon社製 Aquilion ONE
導入年月日:2017年6月
検出器は0.5mm幅が320列並び、1回転の撮影で16 cmの範囲を撮影することが可能です。心臓や脳全体を1度に撮影出来る特徴があります。
また16cmの範囲を繰り返し撮影することで、形態情報画像に時間軸の動態情報をプラスした4D-CTイメージが得られます。頭部領域での4D-CTでは、脳血管全体を動脈相から静脈相まで観察することが可能で、急性期脳梗塞の診断や短絡疾患に対する流入動脈および流出静脈の同定に有用です。
検査時間はCT室入室から退室まで約10分程度で終了いたします。ほかの検査と比較して非侵襲的な検査として簡便に行えることが特徴です。
心臓CT検査では従来のCT装置と比べて、被ばく線量が約4分の1に低減され、造影剤量も減量して使用しています。
核磁気共鳴断層撮影装置(MRI)
装置名:SIEMENS社製 MAGNETOM Sola 1.5T
導入年月日:2023年11月
MAGNETOM Solaはパラレルイメージング、多断面同時励起技術、圧縮センシングの3種類の高速撮像技術に加え、Deep ResolveというAIベースの再構成技術が搭載されており検査時間の短縮、画質の向上が可能になったMRI装置です。
脳梗塞の診断に必要な画像が短時間で撮像できるので、いち早く治療に移行することが出来ます。従来の装置は、体動によるアーチファクトで有益な画像を得られないことがありましたが、この装置では短時間撮影が可能となり、Deep Resolveによって画質、アーチファクトを改善して診断価値の高い画像を撮像することができます。さらにASL(Arterial Spin Labeling)という非侵襲的に脳灌流画像を撮像することで、腎機能障害がある患者様にも造影剤を用いることなく多くの情報が得られるようになりました。
心臓MRIは検査時間が長く、息止めが必要なため患者様には身体的負担が大きい検査でした。しかしこの装置ではコイルに心拍や呼吸を検知する機能が備わっているため心電図を貼る必要がなくなり、心臓の動きを見るcine画像撮像時の長時間の息止めも不要なので患者様の負担を軽減して検査が出来る特徴があります。
整形外科領域では主に脊椎の撮像を行っています。撮像時間短縮および画質向上に加えて、頸椎・胸椎・腰椎それぞれ撮像すると装置が自動で結合して各椎体のナンバーリングが可能となり診断が容易となります。また側弯の場合、装置が側弯部を認識して撮像断面を設定されるので診断しやすい画像が得ることが出来ます。
その他、上肢や下肢の撮像ではDeep Resolve と多断面同時励起技術を併用することで高速化、高画質化が可能となりました。痛みで長時間安静を保てない患者様でも短時間で検査可能となりました。
X線デジタル透視装置(DR)
装置名:SHIMAZU社製 SONIALVISION G4
導入年月日:2023年11月
X線透視装置は、目的部位をX線TVに映して観察して検査や治療を行います。この透視装置は、FPDの搭載とデジタル画像処理技術により、従来の装置に比べて少ないX線量で高画質な画像を提供できます。また、DSA機能も有しており、血管撮影装置のバックアップ機器としても代用できるので救急患者さんの検査にも広く対応しています。
検査として造影剤を用いた消化管造影検査、イレウス管挿入、穿刺ドレナージ術、骨折や脱臼の整復、血管撮影検査などがあります。さらに長尺撮影、骨塩定量、トモシンセシス(断層撮影)が出来るようになり、様々な領域で活躍しています。
ポータブルX線撮影装置
- 装置名:SHIMAZU社製 MobileArt Evolution MX8
導入年月日:2022年3月 - 装置名:SIEMENS社製 MOBILETT Plus
導入年月日:2013年3月 - 装置名:SHIMAZU社製 Mobile Art Evolution
導入年月日:2011年7月
救急処置室では胸部・骨盤撮影など外傷を始め初期診断に欠かせない装置です。重症患者の多い施設ですので、病棟撮影でも多用しています。
X線撮影装置(フラットパネル)
外科用透視装置(DR)
- 装置名:富士フィルム社製 CoreVision 3D
導入年月日:2021年3月 - 装置名:SHIMAZU社製 OPESCOPE PLENO
導入年月日:2012年1月
CoreVision 3Dは、31cm×31cmの大画面フラットパネル型検出器により従来の装置に比べ、高画質・低線量な撮影が可能となりました。当機の特徴であるCBCT(Cone Beam Computed Tomography)撮影により、整形手術の術中にプレートやボルトと骨の圧着具合などを3D画像や多断面画像で評価することが可能です。また大容量のX線管が搭載されているため、Stent Graft手術など長時間を要する手術にも対応しています。
OPESCOPE PLENOは小型で軽量な装置で術野への干渉が少ないため、様々な方向からの透視撮影が必要な形成領域での手術で使用しています。
全身用核医学(RI)検査装置(ガンマカメラ)
装置名:GE社製 NM830
導入年月日:2023年11月
全身用2検出器ガンマカメラで心機能解析、定量解析を行っています。検査は脳血流シンチ、肺血流シンチ、心筋シンチ(心筋脂肪酸代謝、心筋交感神経機能)などがあります。
脳血流シンチは、血流で脳に運ばれて脳内で停留する放射性医薬品(RI)を静脈投与し、脳での分布を専用のカメラで撮像する検査です。脳のどの部分の血流が低下しているのかを画像から知ることができ、脳血管の病気の重症度を調べる、認知症の原因を診断するなどの目的で行われる検査です。
心筋シンチは、血流や代謝、交感神経機能などの心臓のはたらきに応じて心臓に行きわたる放射性医薬品(RI)を静脈投与し、その分布を専用のカメラで撮像する検査です。心臓のどの部分の血流(もしくは代謝、神経機能など)が低下しているのかを画像から知ることができ、狭心症、心筋梗塞の有無や重症度を診断するなど心疾患の診断目的で行われる検査です。
心血管撮影装置
装置名:PHILIPS社製 Azurion7 B12/12
導入年月日:2023年11月
心臓の血管である冠動脈の狭窄し細くなったところを風船でふくらませたり、狭窄部位にステント(金属でできた網状の筒)を留置し、血管を拡張させたりするPCI(経皮的冠状動脈形成術)や硬い動脈硬化病変に対してドリルを用いて削り取るロータブレーダーの治療を行っています。また不整脈の原因となる電気回路を遮断するアブレーション治療なども積極的に施行しています。
頭部腹部汎用血管撮影装置
装置名:PHILIPS社製 Azurion7 B20/15
導入年月日:2023年11月
DSAと呼ばれる減算処理をすることで頭蓋骨内の血管だけを鮮明に観察することができます。近年の技術進歩や撮影条件の見直しにより被ばく線量の低減を図り、患者さんが安心して検査を受けられるよう努めています。
脳血管疾患では脳動脈瘤や短絡疾患に対する塞栓術や、脳梗塞に対する血栓回収療法、頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術などの治療を行っています。短絡疾患では動脈と静脈が複雑に絡み合っているため治療血管を把握することが容易ではありません。そこで高精細な血管の3D画像を血管ごとに色分けして提供することで、医師が治療戦略を考える際の手助けとなり、術中の手技時間の短縮や被ばく低減などにもつながっています。
Hybrid ER
装置名:CANON社製 Angio:Alphenix sky+
CT:Aquilion Prime SP/I Edition
導入年月日:2023年11月
Dual-room型 Hybrid ER systemとしての運用をスタートしました。循環動態が不安定な重症外傷患者に対しても迅速かつ安全に全身のCTを撮像することができ、その後場所の移動を必要とせず、すぐに止血術に移れる環境を整備する目的で開始したHybrid ERは多数の救急医療に整備されるようになりました。
頭部外傷、腹膜内出血、骨盤骨折の症例の場合、手術や経カテーテル動脈塞栓術(TAE)などを行うために患者を多数回移動し、多大な治療時間を要します。一方、Hybrid ERでは、患者を移動させることなく、受け入れから治療までを完結させることができます。
このように手術および血管内治療が直ちに実施できることがHybrid ERのメリットであり、救命率を向上させる可能性があります。