本文へスキップします

診療科・部門のご案内

臨床工学科

臨床工学技士(Clinical Engineer)とは、1987年に制定された「臨床工学技士法」に基づく“医学”と“工学”の両面を兼ね備えた専門医療技術者(国家資格)であり、年々専門性が増し高度化する医療機器の操作及び保守点検・管理を行うスペシャリストです。
我々臨床工学技士は、救急・災害医療へ貢献し、重篤な緊急症例に対応する為に当直体制で業務にあたっています。

業務紹介

臨床工学科では、各分野における業務を遂行できるようローテーションを組んでおり、急性期重症患者さんに対し、救急外来(ER)、手術室、集中治療室、カテーテル検査室などの治療に一貫して関与しています。
また、当直体制により24時間365日対応を実施しています。

体外循環業務

当センターの手術症例は緊急手術を必要とする症例の比率が高いのが特徴です。
心臓や大血管手術の際に、一時的に停止する必要のある心臓と肺の役割を果たす人工心肺装置や心筋保護装置、自己血回収装置といった様々な機器を操作し、患者さんの生命を維持します。

人工心肺症例件数

術式区分 症例 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
上行・弓部大動脈置換術 大動脈解離(A型)、胸部大動脈瘤 等 30 27 26 31
弁置換・形成術 大動脈弁、僧房弁狭窄症・閉鎖不全症 等 8 8 6 5
冠動脈バイパス術(CABG) 心筋梗塞、狭心症 等 5 8 12 5
冠動脈バイパス術(OPCAB) 心筋梗塞、狭心症 等 2 2 1 3
その他 心破裂、心室中隔穿孔、心臓粘液腫 等 4 4 5 3
胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR) 大動脈解離(B型)、胸部大動脈瘤 等 8 9 8 12
胸部ステントグラフト内挿術(EVAR) 腹部大動脈瘤、腸骨動脈瘤 等 7 8 16 2
腹部大動脈置換術(開腹) 腹部大動脈瘤 等 7 9 4 14
総合計 - 71 75 78 77
(緊急症例) - 43 49 42 49
(人工心肺症例) - 47 47 49 42
※末梢血管症例は除く

集中治療業務

集中治療室において、重症疾患に対する生命維持管理装置の操作や管理、点検を行っています。
人工呼吸器をはじめ人工透析などの血液浄化療法への対応に加え、循環不全・呼吸不全の患者さんに対しては大動脈内バルーンパンピング(IABP)や体外式膜型人工肺(VA-ECMO/VV-ECMO)などの補助循環装置を操作・管理しています。

血液浄化療法件数

血液浄化種別 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
ICU-HD 172 151 192 243
CHD(F) 375 845 578 349

補助循環件数

補助循環件数 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
IABP 32 40 46 51
V-A ECMO 14 21 25 33
V-V ECMO 23 5 3 11

補助循環(IABP、V-A ECMO)治療中の様子

 

 

機器管理業務

当センターでは、多くの生命維持管理装置をはじめとする、約1,100台の特定保守管理医療機器を専用の管理ソフトを用いて保守管理・運用しています。
各医療機器はメーカーの医療機器講習を受けた上で、定期的な保守点検計画に基づいた点検・修理を年間約1,000件行っており、機器トラブル低減に努めています。
また、各医療機器を安全・適切に使用できるよう、看護師などを対象とした勉強会を年間通して実施しています。

機器点検中の様子

機器点検中の様子

貸出機器保管場所

呼吸器保管場所

循環器関連業務

心臓カテーテル業務

心臓カテーテル検査室において、冠動脈疾患に対しての検査・治療での診療補助や、ポリグラフ装置や血管内超音波画像診断装置(IVUS)、Rotablatorなどの操作も行います。
循環動態が不安定な場合は補助循環装置を使用される事もあり、対応しています。心臓カテーテル治療中の様子

 

心臓カテーテル症例件数

症例件数 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
全症例 429 354 280 312
治療 193 196 146 179
緊急症例 143 149 117 116

 

不整脈関連業務

各不整脈疾患に対する電気生理学的検査やカテーテルアブレーション治療では、不整脈解析装置や3Dマッピング装置などの操作を行います。
致死性不整脈や重症心不全においては、ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)、両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)などの植え込み型心臓デバイス(CIEDs)が必要となる場合があります。
各デバイス植込み手術時や、毎週2日行っているデバイスチェック外来、デバイス植込み患者さんに関する緊急や入院中での対応を行っています。その他に、患者さんのご自宅からデータが送信される遠隔診療である遠隔モニタリングの管理なども担っています。
アブレーション治療中の様子

アブレーション症例件数

ABL症例内訳 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
AF 33(58.9%) 31(50.8%) 33(57.8%) 39(52.7%)
PSVT 7(12.5%) 7(11.5%) 7(12.2%) 7(10.5%)
AFL 0 2(3.3%) 1(1.7%) 0
AT 8(14.3%) 8(13.1%) 5(8.7%) 13(17.5%)
VT 7(12.5%) 13(21.3%) 9(15.8%) 11(14.8%)
PVC 1(1.8%) 0 1(1.7%) 4(5.4%)
その他 0 0 1(1.7%) 0
合計 56件 61件 57件 74件

植え込み型心臓デバイス(CIEDs)症例件数

区分 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
デバイス種別 新規(交換) 新規(交換) 新規(交換) 新規(交換)
ペースメーカー
(リードレス含む)
28(10) 19(19) 16(12) 25(7)
ICD(S-ICD含む) 7(3) 8(2) 6(7) 14(5)
CRT-P

3(2)

0(2) 3(2) 0(2)
CRT-D 2(4) 5(4) 6(7) 5(3)
合計 40(19) 32(27) 31(29) 52(17)

 

遠隔モニタリング登録件数

遠隔モニタリング

合計229名

 

災害派遣医療チーム(DMAT)活動

当センターは基幹災害拠点病院として、災害時派遣や国民保護訓練、政府防災訓練、DMAT関東ブロック訓練などに参加しており、その中でDMAT隊またはロジスティックチームの一員として活動しています

認定資格取得者

  • 体外循環技術認定士 3名
  • 3学会合同呼吸療法認定 3名
  • 植込み型心臓デバイス認定士 1名
  • 心血管インターベンション技士 1名
  • 日本DMAT 1名
  • CLDMAT 1名