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更新日:令和5(2023)年4月30日

ページ番号:336635

千葉県病院局

第5回県立病院将来構想検討会開催結果概要

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病院局経営管理課
電話:043-223-3966

1日時

平成20年10月17日(水曜日)午後2時から

2場所

ホテルポートプラザちば2階「ルビー」

3出席委員

髙木委員、島崎委員、川村委員、鈴木委員、河野委員、吉田委員、
新井委員、谷田部委員、志賀委員、田嶋委員、宮坂委員(順不同)

4傍聴等

傍聴者9名、報道関係者9名

5会議次第

(1)開会

病院局長あいさつ

(2)議事

  • ア:東金病院、佐原病院周辺の地域医療体制の状況について
  • イ:東金病院、佐原病院の収支見通しについて
  • ウ:地方独立行政法人制度について
  • エ:提言素案について

(3)その他

(4)閉会

6概要

(1)議事

ア東金病院、佐原病院周辺の地域医療体制の状況について

(ア)県説明

《資料1及び資料1-2により説明》

(イ)主な意見及び質疑応答

質疑

提言素案について、どのように処理していくべきだと考えているのか。

回答

今の説明は、県の医療政策としてこういう考えがあって、九十九里についてもなお保健医療計画に沿った形で努力しているということであるし、香取海匝、特に香取地区においてもそういう方向での考えがあるということだと思う。

これを受けて病院局としては、保健医療計画があり、さらにそういう動きが現時点でも続いているということであれば、それを前提として今後の将来を考えていくというように考えている。皆様方には保健医療計画、この後それぞれの病院の収支見通しもあるので、併せて今後の東金病院、佐原病院の将来の在り方について議論いただくということだが、前提はあくまでも保健医療計画または県の医療政策に則った形での、県立病院を運営していくということである。

質疑

この二つの地域への県として支援の具体的な方向性は出ているのか。それとも対策本部が出来たようだが、調査の結果これから考えるのか。それともこの検討会の意見を聞いてということなのか。

回答

個々の病院に対する支援という話と、圏域として県としてどのように誘導が実現するように支援していくのかという話と二つの論点があると思うが、まず個々の病院への支援という話で言うと、現在、千葉県の本部において自治体病院の経営の状況、マンパワーの状況を詳細に分析中である。

そういった調査の結果は、来月中を目途にまとめることになっているが、そういった状況を踏まえて県が何を出来るのか、またネットワークをどのようにしていけばいいのかということについて、個別の病院または地域ごとに考えていくことになると思っている。

それとは別に、広い意味での県の具体的な支援ということになるが、特に山武長生夷隅保健医療圏については、今回の医療計画の改定で医療圏の線引きの見直しが行なわれている。従来は山武長生夷隅の中の夷隅と長生で一つの医療圏、山武の医療圏が印旛の医療圏とくっついて印旛山武の医療圏ということだった。それを今回の見直しで印旛を独立し、山武を歴史的、文化的体制という観点から山武長生夷隅の医療圏を作ったが、県の目から見ても山武長生夷隅の医療の状況は
大変厳しい状況であると思っている。医療が厳しいという医療圏をはっきりさせたと言えなくはないが、そういったことから当初1市4町の医療センター、またこれまでは1市2町の医療センターということを模索し、色々と協議をしながら何とかこの圏域の中に千葉大学の協力もいただけるような基幹病院、または救急救命センターを担うような基幹病院、ドクターが集まるような基幹病院、そういったものを1市2町、また地元の方々と共に作っていく必要があるだろうということで検討してきた。ただ大変残念なことに、大網白里町がシミュレーションの予算を否決となった。ただ現在1市1町の方からそういったシミュレーションの提案の要請があるので、現在どういったシミュレーションを提示し、支援できるのかということについて内部的に検討している。

香取の方については、県立佐原病院と小見川病院の関係を含めて、若干山武の地域よりは遅れているという状況だが、山武地域と同時並行で今後の在り方について、県の支援というものも併せて検討していかなくてはならないと考えている。

質疑

確認だが、支援対策本部は自治体病院ということだから、県立病院だけではなく、県下の自治体病院を全部カバーしているということでいいか。

回答

はい。

意見

県の保健医療計画に基づいて2次医療圏を変えて、その中での計画を作っていくというのも含めて、今県で進めてくれているが、その中でも、この2次保健医療圏で完結する一般的な地域医療については、全県的見地からの対応ではなく、地域の中は地域でやって欲しい、構成市町村あるいは民間がやるべきだという考え方そのものを、改めて考え直さなくてはいけないのではないか。

先ほど紹介いただいた1市1町でもやらざるを得ない、可能性を探らざるを得ない、こういう取り組みをしているが、これはかなり綱渡り的な状況で、そういう所に追い込まれてきていると思っている。

本来だと、千葉県の中で地域ごとにそれぞれ医療資源が張り付いている状況というのは、歴史的なものもあって地域ごとに全部違う。そこを一本化して地域のことは地域でと言われてしまっても、出来ないところもあるというのが、現状であるから、今回の銚子市立病院も含めて、そういう全県を見通した場合の医療体制の在り方というのは、保健医療計画は今年作ったばかりであるが、果たして実態を捉えていたのかと言わざるを得ないと思う。改めて現状に即したものを今の段階で考えるべきだという意見である。

意見

医師不足という問題はどうしても避けて通れない問題であるとこの5年ほど考えているが、あらゆる問題がそこから出てきているのだろうと思う。それに、行政においては合併という問題で、それぞれの抱えている国保病院の問題も香取市では起きている。こういう中で、病院局あるいは健康福祉部は強いリーダーシップを持って一番踏み込まなければいけないのではないか。誰でも1メートルでも早く、1円でも安く、最上の医療を受けたいという、そういう気持ちで地域の人達はいるし、最高の医療をこれからやっていくために、そういうことは必要なのではないかと思う。

イ東金病院、佐原病院の収支見通しについて

(ア)県説明

《資料2により説明》

(イ)主な意見及び質疑応答

意見

非常に前回より工夫されたものになっていると思う。改善が行われたという形で、予想だと言われたが、会計でも今はほとんど連結になっていて、予想見込みで企画されている。原価の企画をされたということで非常に評価している。

特に、この中の給与水準に関しては、なかなか難しいと思うが、平均と比べてあまりにも千葉県は高いと思う。これから、この計画通りに行なわれればと思っている。

質疑

色々な仮定を置いて計算されたと思うが、例えば年齢構成を高度3病院並みにしたらと言っても、現実にそういう配置換えが出来るのか、佐原病院でいうと看護師や事務職員が現実にどこから通っているのかなど、色々な問題がある。

そもそも、人事・給与体系をどう考えるかというのも、白紙の上で絵を描けるわけではない。それから、循環器病センターも、例えば7対1看護体制を取れるということが、外来の点数が非常に低いということから考えてみれば、普通の専門特化した病院というよりも、そこにプラス地域医療をやっているという形態である。そういう所で、どういう位置付けにしていくのか、むしろ単価を高くしていくという方向性が医療政策の在り方としていいのか、という問題もある。経営のことだけを考えていればいいわけではない。

もう一つ、循環器病センターは減価償却費、支払利息が高いのは事実だが、「もしこれがなかりせば」と言ってもなくならない。例えば経営形態を変えて、そのときに一括償還して全部身ぎれいにするかどうかということまで考えなければ、本当は消えない。消えないときに、減価償却も込みにして経常収支を黒字にしなければならないというガイドラインに対してどうするか、というのは非常に大きな問題だと思う。ペーパー上の仮定計算とフィージビリティーは全然違う話なので、ここの説明は承りましたとしか言いようがない、ということではないか。

回答

確かに、循環器病センターの高度医療と一般医療というのは、高度医療も入院が頑張っているが、どういう所が原因なのかということを探ってみたという形で、委員の言うように、それならこれができるかとか、減価償却を具体的にどうしたらいいのかとか、そこまでは今の時点では考えていない。逆に言えば、どういうところが問題なのか、どういうところが原因なのかということである。

意見

基本的には「たられば」の推計である。東金病院は医業収支比率60%で、人件費率がこれだけ高く、改革のところでは職員数が定年不補充でこうなるという。それなら、その前に人件費を下げるべきだと、不補充ではなくもっとドラスティックな改革をするべきだというのが、普通民間であれば倒産してしまうので、「たられば」よりは具体的な現在の要因でどうするかというのを考える。公的な自治体病院の経営改善策を見ると、医者がもう一人増えればこうなるとか、そういうことばかりが多い。現在の医師数でどう動かして収入を上げていくかとかが希薄で、「たられば」がたくさん散りばめてあり、確かに要因は分かったけれども、ならこれにどう切り込むのかというと、定員法とかそう簡単には動けないというので、ここまで広がってしまった。特に東金病院を見ると、何故ここまで放置していたのかという気がする。周りがゆっくりジリ貧になっていくときに職員だけが残り、結果的にはこうなったという感じで読んだ。病床を閉じるなら、それに見合う職員も減らさない限りこうなってしまう。東金病院のこの数字を見ると、本当に何もしなかった結果としか言いようがない。

質疑

問題点をあぶりだすだという県の意向もわかるが、医療というのは紙の上の計算ではなく、現場での色々な実情医療を踏まえて政策を考えていかなくてはならない。これを見ていると、増収・削減対策、こういう問題点は分かったが、それにしても人数にしても、医療の現場においてのニーズがある。問題点と平行して、病院の現状での感覚もあるし、必要性を踏まえないと、増収も削減も出来ない。これを見ていると現場の意見や姿が見えてこない。先ほどの県の意図というのはわかるが、これに対して何を対策するのか、医療現場があって、県のリーダーシップでやっていただく、これが一つだと思うが、そのリーダーシップと医療の現場とは互いのコミュニケーションの下にやらないと進まないのは当然だと思うが、そこが見えない。

回答

現場の事務局とは色々な形で話し合いをしている。そこの病院の事務局と、例えばドクターがこうすれば収益が伸びるのではないかとか、そこまでは今回は話をしていないところが多いので、委員の言うようなこともしていかないとと考えている。

意見

大学病院も同じ様な財務上の縛りの中でやってきているが、事務レベルではないパワーというのはあるし、そこが解決しないと解決には直接結びつかない。医療で現場との話し合いなり、意見、アイデアというのが紙の上以上のものがかなりあるので、それが分かるような形の提案の仕方をしないと現実は動かないと思う。

質疑

東金病院に関しては何かあるか。

回答

東金病院については、平成15年くらいから繰入金と経常収支の赤字を加えてずっと16億円前後くらいで来ている状況で、すでに平成15年くらいから大幅な赤字となっている。平成19年度になって、18年度などに比べて少しスリム化はしだした。どこまでやれるのか、191床といった固定費部分が非常に多いということもあり、そのあたりが課題だと考えている。

質疑

先ほどの九十九里構想と東金病院のこれからについて、今の説明を聞いていると、お荷物になっているような感じを受けるが、九十九里構想が出来て、新しい構想の病院が出来れば、そちらに経営形態が移行するようなことを考えているのか。

回答

経営形態が移行するというよりも、そこに新しい病院が出来ることによって、東金病院の医療機能がそちらに移ると考えている。

質疑

東金病院は県立病院として存続させておいて、ということか。

回答

そういうことではなく、県立東金病院はなくなるということで。

質疑

新しく出来た病院を県立病院として運営していく、ということではないのか。

回答

そういうことではない。

それは保健医療計画とは相違することになってしまう。

質疑

それでうまくいくのか。

回答

様々な平成17年度くらいからの議論があり、当初は2市4町、1市8町の時代の山武広域行政組合という地元の自治体の集合体で、この新しい山武地域の医療センターをやっていこうということが、当時の合意であった。

それに対して県の方が、全面的な財政面を含めたバックアップをしていこうというのがスタートだった。それが2市4町の時代から、1市2町とこの2月から移行して、今回大網白里町のことによって、1市1町でどうするかというところに来ているという状況である。

意見

東金病院と佐原病院について、これは誰がどうやろうが改善の見込みは全くないので、抜本的なことを考えないと、今後10年、20年改善する見込みはないのではないか。医師の増員も向こう10年はかなり難しいし、こう景気が悪くなると収入を上げるということ自体もまず難しいだろうと思う。

他の県立病院も似たような所があるが、特にこの2つの病院については、この財政状況というのは、誰がどうやったら改善できるかというのは、通常のやり方ではなかなかうまくいかないのではないかと思っている。

意見

先ほど、東金病院の後の受け皿というか、県が関わるのかどうかという質問があったが、4年前からの経過があって、私どもだけでも模索は進めていきたいという思いはしている。しかしながら、ここに至る間で、一番大きな議論のテーマになったのが、地域だけでできるのかと。県はそれなりの財政支援はするという形は出していただいているので、私はある程度の理解はしているが、一般の議員の方々、あるいは地域の住民の方々にはなかなか分からない。そういうことが一つの要素として、なかなか前へ進んで行けないという状況が、今までの現状であったと思う。

現状で経営できる状況をどう作るかということは、私どもも可能性があって、それに取り組んで検討しながらやっていきたいという思いはあるが、その際に、県として全県を見渡した中で、地域の特性をどう捉えて、そこにどういう支援をやっていくか、あるいは役割を果たしていくかということを、改めて論議すべきだと思う。

保健医療計画の中では地域のことは地域でやりなさい、県も財政は大変だからということが書かれているが、地方ももっと大変である。そのなかで県はもうやりませんよ、という言い方だけが先行して伝わってしまっているのが、実態としてあると思う。

今の段階で改めて現状を捉えて、県としてその地域も含めて全県的にどのようなものをどうやっていくのか考えなくてはいけないというのが、私の考えで、地域だけに任せてうまくいくということは、きわめて難しいだろうと思っている。

回答

先ほどの現場はどうかという話だが、数値だけ見て各現場の医師はよく頑張っているだろうと思う。循環器病センターの外来単価という問題があるが、それ以外の東金病院や佐原病院にしても、医師のマンパワーは十分発揮しているという前提で、まず収入を見込んでいる。医師の増については入れていない。

第二に、千葉県の公務員としての看護師の給与水準は、千葉県内の他の自治体病院と比較をすると、決して低くはないという結果は出るが、今の公営企業法全部適用の中で、下げることは「たられば」にしても難しいということで入れていない。しかし、平均年齢の問題については、全部適用の中でも事業管理者の責任でやろうと思えば、3年とか5年をかければ絶対出来ないということではないので、入れている。

経費及び材料費等については、20年度の中期経営計画を作った時点から、改めて他の病院と比べて見て、来年度以降実現する確率がかなり高いと考えている。

今回「たられば」はあるが、今後改革プランを作るうえで、更なる検証もしていかなければならないが、将来構想の中でも、収支はこういう状況であるということと、もう一つは、県の保健医療計画の中で、県立病院として今後どのようにしていくかということである。

現在の県立病院の状況は、今与えられた使命が十分に果たせていないということに対しては、大変申し訳ないと思っているが、総収支をゼロにしていくことは、今日説明した中で大変難しい部分があるということだけは、ご提示をさせていただいた。

ウ地方独立行政法人について

(ア)県説明

《資料3により説明》

(イ)主な意見及び質疑応答

質疑

地方独立行政法人というのは、県から一般会計からの交付金は来るということか。

回答

はい。

質疑

この場合、中期3,4年で目標期間内での繰り越しということで書いてあるが、これは期間を超えて繰り越しはできるのか。

要するに目的積立金が出来るのか。

回答

期間を超えてということはないと思う。

意見

国立大学では今それが一番問題になっていて、総務省等とも一番折衝しているポイントである。中期計画でリセットされてしまうために、いつまで経ってもゼロからの出発になってしまう。だからいつも借金を抱えざるを得ない。病院を建て替えるにしても、機器を替えるにしても全部借金を改めてしなければならない。それが非常に大きな問題になっている。自由度が高まるのはいいが、目的積立金がないと、その病院がもし再開発なり建て替えるときに、独立行政法人の場合は自分でそういった設備経費をやっていくのは厳しいと思う。

回答

仮にこういう形となった場合には、財政部門とどういう形でやるのか協議することになると思う。意見を参考にさせていただく。

質疑

国立大学も非公務員型だが、給与体系の柔軟性というのは非常に難しい。給与条件、色々なことを導入できるのか。

回答

必ずしも意思決定をしているわけではなく、制度的な勉強をしているという中での話ということでやっている。

質疑

病院局長に伺いたいが、地方公営企業法全部適用だとしても縛りがきついという受け止め方か。給与体系にしても、法制的には全部適用でも独自の給与体系を定めることは出来る。ただ、実際全部適用をしている他の所を見ても、ほとんどは今までの公務員給与の体系の準拠みたいな形でやっているのは事実で、地方公営企業の縛りがきつくて、制度的に出来ると言いながら限界があるから、新しい皮袋に入れないと、色々な抜本的な改革は出来ないという認識か。

回答

全部適用で絶対出来ないものもあるが、かなりのことは制度的には出来る。ただ、かなり時間とエネルギーがかかるということだけは言えると思う。

給与制度を抜本的に変えるのは多分難しいだろう。現在、独立行政法人化が行なわれている所は、大きな変更はしていない。ただ、山形県及び酒田市は、医師の給与だけは、アップさせるということで大きく変えた。那覇においても、一番やりたかったのは定数条例から逃れたかったということがある。そういう意味では、現在、千葉県病院局の定数もほとんど一杯になっており、今後、本当に増やしていくことになると、定数条例がひっかかってくる。条例が議会にかかるのは年に一度しかないということになると、スピードが欠ける。今後の経営でスピードが必要となれば、全部適用ではなかなかスピード感が持てないというのが、個人的な感想である。

意見

色々な検討をした方がいいと思う。分析などにしても、色々な制約が強すぎて、病院局で単独では身動きが取れなかったということがあるとすると、もし民間だったらもっと色々なことを考えながら、幅広に検討するというのが率直な印象である。

聖域であるとか、これには触れてはいけないみたいなことを作らずに、幅広に検討された方がいいという意見である。

ただし、独法化する際に色々な問題が起こるのは事実である。それは単に組合との交渉などのレベルではなく、身分を移管したときの退職金の問題をどうするのかとか、減価償却はそのまま消えるのかもしれないが、それまでの費用・償還をどうするのかなど、色々な問題が起きてくる。これだけ状況が変わってきているときに、色々な禁忌事項を作って、これは検討してはいけないとか、議論をすることまかりならぬと言うこと自体が、おかしいのではないかという印象を持っている。

質疑

今日のこの問題を議題として出しているが、あくまで比較するつもりで出したのか、こういうことに移行できる可能性があるのか。

回答

あくまで比較ということで出している。

意見

独立行政法人化をして自由度を高め、病院経営の可能性を高めるのはいいことだと思うが、そのような時に議論になるのが、一般的な会社、企業等との収支の比較で、それだけ頑張っていて何故儲からないのかと言われる。医療と一般企業との大きな違いは、医療自体が統制経済となっており、絶対儲からないようになっている。例えば、診療報酬もここ5年くらいで10%削減されている。同じように頑張っていたら、収入は10%自動的に減る。医療は非常に金のかかるものなので、独立行政法人化等の前提に、最低限度の医療の経費とそれに対して国の交付金、そのあたりをしっかり考えて医療を進めることの出来る体制としていかないと、自由度を高めて普通の企業並みの感覚で、ただやれば出来るだろうという発想では、医療にはそぐわないと思うので、そこだけはよろしくお願いしたい。

回答

先ほどの剰余金については、基本的には独法化すると交付金で入るが、剰余するくらいなら交付金がカットされるということが原則で、剰余金が出た場合は、どうしても使わなければいけないというものを除いて、前にいた独立行政法人の場合は、財務省協議で返還させられた。交付金をもらっている限りにおいては、独立行政法人というのは非常に動きが難しいと思っている。

人件費等については、国立病院機構等でも既にやっているが、看護職の人件費をカットして医師の人件費は上げている。それは独自の給与規程でやっている。

それから、独立行政法人に移行すると、基本的には交付金がゼロにならない限りは、自由度が100%にはならない。それと同時に、交付金を以前どおり貰うという場合でも、それ以上の交付金は貰えないから、赤字になれば経営者責任が非常に強くなるということを覚悟しないと、独法化には進めないと思っている。

ただし、医療だから独立行政法人にすると赤字になる、ということはないと思っており、国立病院機構の例から言っても、どんどん交付金が減っていて、国立病院時代は1200億くらい入れていたが、今は600億以下になっていて、それでまだ黒字を維持しているので、最終的には交付金がゼロになり、民営化に移行するくらいまでいくかもしれないと思っている。

エ提言素案について

(ア)県説明

《資料4により説明》

(イ)主な意見及び質疑応答

質疑

こども病院のみに「レジデント医の研修制度を活用して」と出ているが、レジデント研修制度の活用はこども病院だけ主にやっていくのか。それとも全部の病院か。

回答

すべての病院ということだが、特に小児科医の不足があるから、個別にここに記載をしているという状況である。

質疑

総合医療センター構想の白紙化のことだが、前の構想で統合するということを前提にするのは全然意味がないと思っているが、例えば部分的な統合みたいなことまでも一切否定しているわけではない。「一つの場所に全部専門センターを統合しようということにこだわる必要はない」ということは確かに合意したかもしれないが、だからといって、それぞれの場所でそれぞれの施設が現地建て替えをすることが是だとまでは、必ずしも言っていなかったのではないかと思うが、そのような理解でいいか。

回答

そのように理解している。

質疑

東金病院、佐原病院の問題について、地域医療センター構想等々、これは県の保健医療政策の展開の話だから、その中で検討されるのでここでは触れないと言って、果たして個別の医療機能などのあり方を書けるか、という気がする。保健医療計画を前提にして、今回の将来構想というのは考えていかなくてはいけないというのも分かるが、それで本当に可能なのか。東金病院についてもそうだし、佐原病院についても、小見川の病院との関係をどう考えるかということについて、触れざるを得な
いのでないか。

それから、個別の病院の機能を、ここまで本当にこうあるべきだと言っていいのだろうかと、多少抵抗がある。

その一方で、例えば一般会計繰り入れのことについては、あたかも他人事みたいな形になっているところの、バランスは少し考えた方がいいのではないか。この繰り入れに関して、いいかどうかということは、ガイドラインを作成する際に個別に見ていかなくてはいけない。少なくとも、ここでは、県の知事部局と折衝して決められたものを一応ゼロとすれば黒字になるとか、それでも赤字になるという議論しかしていないと考えるべきではないか。

回答

これはたたき台で、表現については色々これから考えていきたいと思う。

地域医療の関係は、この検討会が病院局長の諮問機関という位置付けになっている。病院局長の所管は何かというと、政策が入っていないので、そこが病院局長の諮問機関としては難しいということで、このような表現にさせていただいている。

質疑

公立病院改革ガイドラインへの対応ということで、東金病院、佐原病院は白紙になっているが、これは、やり様がないということなのか。

回答

やり様がないというより、今日説明させていただき、先ほど抜本的な改革が必要だというようなことを踏まえて、最後の結びをどうするかというのがあり、書いていないということである。

意見

色々と難しさはあるが、こういう方向の改善策は出すべきだと思う。併せて、公立病院の地域の場合は、県が主体として参画をして地域の病院との再編・ネットワークを図る、ということがガイドラインにうたい込まれているはずである。これはきちんと書くべきだと思う。

それから、地域医療センター構想については政策がないという答えだったと思うが、それはある程度理解はするが、東金病院、佐原病院の書き込みについて、4年前の専門病院群の総合医療センター構想、これは白紙に戻すと。しかし、地域をやっている東金病院、佐原病院については、保健医療計画を基本として作りたいというのは、ちょっと違うのではないかと思っている。東金病院も救急基幹センターになっているが、この役割は一切果たしていない。4年前はそうではなかった。それを無視して4年前の構想、要するに地域に任せる、あるいは民間の進出を待つということを基にしてやったら、本当に県全体のバランスを欠く計画になっていくだろうと思う。

併せてもう一点、今救急の問題が大きなテーマとなっている。救急医療センターについては、建て替え計画策定について早期に着手すべきであるとうたっている。昨日か一昨日の読売新聞の提言で、全国で400か所救急施設を作るべきであるということも出されている。千葉県の中で候補地を考えるのであれば、人口密集だけではなく、時間距離というものをまず置いて、併せて医療資源の少ない地域に、県の医療資源を配分するということも前提に考えていただきたい。これを是非盛り込んでいただきたいと思う。

回答

救急医療センターの場所については、非常に重要な問題である。先の9月定例県議会でも同じような質問があり、答えとしては、県唯一の高度救急救命センターとして、県全体の患者数、人口などを見ながら適切な場所を設定していきたい、という答弁をさせていただいている。

意見

人口だけを中心に場所を選定するべきではないと思う。

例えば、30分以内の救急への処理によって、救命率が高まってくるということがあると聞いているので、今の論理でいくと大都会以外の人たちは時間がかかっても仕方がないということになる。少ないエリアであっても、時間距離が均等になるような選び方をするべきである。そうでなければ、夜にドクターヘリを飛ばしてもらい、均一性を図っていただきたい、平等性をとっていただきたいと思う。

回答

救急医療については、県立の救急医療センターというのが3次救急ということで、今の意見は、一般的な2次救急医療については、各住民からほほ時間距離が同じ様なことで整備をするのが医療政策の基本だろうということで、山武長生夷隅というような所に救急医療を行うような医療機関が必要であると。確かに、東金病院が当初の設置目的からいくと、地域において一定の救急医療を行う、現在191床の許可病床だが、現時点の病床数からいったら少ないと思うが、当時においてはそれで行われていた。それすら現在は満たされていないのは、大変申し訳ないと思うが、将来において救急医療、県の3次救急医療の最後の砦としてということになると、県全体を考えて3次救急患者またはそれぞれに、時間距離で2次医療施設ができた前提のうえでの、3次救急の中核施設としての場所を選定するというように考えており、そのような意図で先だって終わった議会でも答弁したところである。

意見

基本的に理解するが、医療圏ごとにまず2次救急が完結できる状態になったらという話があったが、現状で県内に医療資源がかなり偏在している。これは、4年前の構想の中で東金病院、佐原病院については、その地域の公立病院等と連携しながら、地域完結をやって欲しいという流れから進んできている。それはそもそも今の医療の状況では問題なのではないか、間違いなのではないか、県の全域の医療体制、特に救急も含めて、そういう部分の県立病院の将来構想の新たな改定をするには、それを当然書き込むべきであると申し上げている。

回答

4年前の時に、地域医療センターという形で整備するという提言を受けていたわけだが、今回一番違うのは、あの時になかった状況として、一つには保健医療計画が出来て、これが上位にあるということ。それから、平成16年から病院局となり、今ある県立病院をとにかく運営すると。今ある中で、病院局が出来る以前の将来構想という一つの枠組みがあり、その中ではなかなか動きが取れないので、それについてご議論いただきたい。しかしながら、県立病院だけを任されている中で、保健医療計画を超えたような提言をいただいても、たぶん実行は出来ないだろうということだけは、ご理解いただきたい。

質疑

この検討会の当初、救急医療センターと精神科医療センターを統合するような話を聞いたことがある気がするが、この連携強化というのはどういう内容を含んでいるのか。

回答

消防の救急事例等を見ると、例えば、病院への照会回数が何十回という患者の場合は、救急の中でも精神的な疾患があって、たらい回しみたいな形で非常に回数が多いということ、さらに、救急医療センターに来る患者も自殺関係の患者がかなり増えているなど、そういう意味から、連携も必要なのではないかと考えている。今後はそういうことも含めて、ある程度連携しながら同じ様な場所に建てて、効率的な運営をやった方がいいのか、ということを考えていかなくてはいけない問題だと思う。

意見

統合ということも必要なことで、もっと踏み込んで書いてもいいのではないかと思った。

意見

先ほど、レジデントがこども病院だけに書いてあると言ったのは、身内が、県立ではないが、こども病院で手術した際、レジデントが行ったために硬膜外で神経を痛めてしまったということがあったので、こども病院はレジデントが活躍しやすいということで書かれたとすると、そういう事故的なものも多く、少し心配だと思い質問させていただいた。

それから、この提言全体に関して、4年前に千葉県の医療の将来構想として、総合医療センターを第一に挙げている。6つの病院を統合して医療センターにして、東金病院と佐原病院を地域医療センターとして活躍させるという提案だったが、その後病院局でもある程度の検討をしていたのか。提言の段階で、建設費がかかるとか繰上償還費がかかるとかということは当然分かっていて、それを計算に入れながらこういった総合医療センターのことを提言されたのではないのか。提言はしたが、見直しになってみたら随分金がかかるらしいというのでは、提言の時に甘かったのではないかという印象を持った。

今回、また提言されるが、3年か4年経ったら、それが白紙撤回になる可能性もあるような提言なのだろうか。総合医療センターが、簡単に4年前のものが白紙撤回されたということに関して不安を感じた。

施設長意見

4年前と今回と違うのは、この提言の中には現場の施設長の思いが書き込まれている。4年前には発言の機会がなかった、私たちの関与なしに出来てしまったということで、現実に合わないという印象を持っている。これは白紙撤回してもらえないと、次のことにまったく動けないという状況が、この4年間ずっと続いていたということなので、誤解のないようにお願いしたい。この提言をさらに委員の意見も踏まえて、より良いものにしていきたいということで、今回の提言に対しては、現場の意向も十分に反映されているというように考えて、私たちはここに参加している。

回答

こども病院のところで、レジデントという言葉を使っているが、初期研修が終わった医師の研修で、さらに小児科医、小児外科医になるような医師をここで育成・確保するということで特に挙げている。現実には循環器病センター、がんセンター、救急医療センター、または他の所でも、それぞれの医師を確保しているが、なかなか公的病院で小児外科または新生児外科をやられる医師がいないということがあるので、特筆して書かせていただいた。

(2)その他

施設長意見

今後の県立病院の使命の中で、県立病院が担うべき政策医療と、県全体の医療の質の向上のための人材育成機能という所がある。今後進める中で、県立病院が県立病院のみだけではなく、県下の、特に地域の病院へ勤務する医師を育てている。一つは4疾病のうちの糖尿病の中で、腎臓内科であるとか糖尿病、あるいは内分泌代謝科の専門医を育てる。それから、総合診療機能を持った医師を育てるということで、総合内科医を育てるというのが保健医療計画の中に書いてあり、これを県立病院群の中で担っている。

本県の場合、一番重要な経営が悪化した一つの原因は医師不足で、これをどのようにして育てるかという視点が絶対に必要であり、保健医療計画の中に書いてある、県の医療を支える医師を県立病院で育てるという部分についての、検証等の書き込みをお願いしたい。5年、10年後の千葉県の医療を考えたときに、その医療を担う若い人たちを育てなければ、次代の、次世代の千葉県の医療はないという思いで、多くの病院長以下指導医がやっているので、その部分は是非入れていただきたい。

事務局

(今後の日程について事務局から説明)

以上

お問い合わせ

所属課室:病院局経営管理課経営企画戦略室

電話番号:043-223-3967

ファックス番号:043-225-9330

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