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更新日:令和2(2020)年10月29日
ページ番号:8674
本施設は、国営手賀沼干拓事業により昭和31年に完成した排水機場です。降雨時には流域約160km2※1(柏市、印西市、我孫子市、鎌ケ谷市、白井市、流山市及び松戸市)から手賀沼に流入する洪水を手賀川の流末にて毎秒40m3※2で利根川へ強制排水することで、受益地3,400haを保全しており、近年では、流域の都市開発や道路等の浸水対策にも効果を発揮し、農地以外の社会共通資本の防災対策上も重要な施設となっています。
しかしながら、築後50余年経過し、老朽化が目立ち、平成21年10月にポンプ1台が損傷し、排水機能の低下を来しています。このため、当事務所では本施設の維持管理を行うとともに、基幹水利施設ストックマネジメント事業として、ポンプの復旧と他のポンプの老朽箇所、不良箇所の補修、交換整備を行い、本施設の機能を保全することで、農地や地域社会の防災対策に寄与するとともに、長期的な維持修繕コストの低減を図っています。
現在では、手賀排水機場の改修を含めた国営総合農地防災事業の令和3年度からの事業化に向けて、国や関係各市、各土地改良区等と調整を図っています。
※1柏市(115km2)と我孫子市(43km2)の面積を合算したほどの広さ
※225mプール(325m3)を約10秒間でプールをいっぱいにできる量
手賀排水機場の位置
手賀排水機場の対象流域
手賀排水機場(外観)
排水ポンプ
手賀沼に集まる雨水の量と利根川の水位に応じて、運転のしかたを変えます。
(1)ふだん手賀沼の水位は、かんがい期ではY.P.+2.20m、非かんがい期ではY.P.+1.80mに保つようになっています。(大雨の時は、沼周辺の農地や住宅に浸水の被害が出ないように最高Y.P.+3.75m以下になるように計画されています→上図)雨が降り、利根川の水位が手賀沼の水位より高くなって、自然に利根川へ流れなくなると、手賀樋門が閉じられ、排水機場のポンプが運転を始めます。
(2)利根川との水位の差が3.5mまでは、「並列」(図-2)で運転されます。それ以上の差になると「直列」(図-3)に切り替えられ、より強い力で排水されます。
手賀排水機場設備の内容です。
ポンプ |
口径1,700斜流ポンプ6台 |
---|---|
原動機 |
400kwモーター6台 |
形式 |
横型直並列運転式 |
実揚程 (水を排水する高さ) |
低水位時3.5m 高水位時7.0m |
容量 (1秒間に排水する水の量) |
低水位時(並列)40m3/秒 高水位時(直列)20m3/秒 |
排水樋管 (利根川に流す水路の大きさ) |
4m×4m×2連 |
平成25年10月16日に太平洋岸を通過した大型台風により、手賀沼の水位はY.P.+3.13m(ふだんはY.P.+1.80m)まで上昇しました。水位が上昇する前からポンプ全台運転を実施しましたが、手賀沼周辺の一部地域では冠水が発生しました。
手賀沼側(普段-水門開)
利根川側(普段-自然排水)
手賀沼側(台風-水門閉)
利根川側(台風-ポンプ排水)
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