広い庭と家を安価に入手。
自分のペースでDIYと家庭菜園に取り組んでいます。

「ライフスタイルを見直したかった」という有馬さん夫妻が移住したのは旭市。庭付きの古家をDIYで改修しながら、自然豊かな環境で育児にも取り組み、健康的な毎日を過ごしています。

健康的な暮らしができるまちを探したら旭市にたどりつきました

有馬健太さん

移住前は都内の葛飾区に住んでいました。当時は共働きで、私も妻も夜遅くまで仕事に打ち込んだり、友人と飲み歩いたり。元気なのをいいことに調子に乗っていたのかもしれませんね。そのうちに私が体調を崩してしまって。それをきっかけに2013年ごろからライフスタイルを見直して、環境のいいところに移住しようと思ったのです。

最初は、知人に紹介されて田んぼで農業体験をした千葉県匝瑳市を移住先の候補にしていました。当時の勤務先にも通える距離でしたし、毎週末、田んぼに通っていて地域に馴染みもありましたし。でも、ちょうどいい住まいの物件がなかなか見つからなかったんです。

広い家で子育てしたかったので一戸建てがよかった。ローンは組みたくないので賃貸か、一括で買える中古物件。リフォームにお金をかけたくなかったので、自分で手を入れようと思っていました。ちょうどそのころ、雑誌などでセルフリノベーションした人の記事などを読んで、「自分でもやってみたい」と思っていたんです。

広い古家を安く購入して自分たちのペースでDIY。自分の家を自分の手でつくっていく手ごたえを実感

そうしたら隣の旭市に100坪ほどの庭付き古家を見つけることができました。購入価格は300万円ほど。築50年以上経過して、ぼろぼろでしたが、 1階の床は張り直し、2階は床の一部をはがして吹き抜けにしました。

デザインと水回りの設計はワークショップ形式で家づくりをサポートしてくれる会社を見つけて助けてもらいました。あと、ちょうどお隣が元大工の方で。材木屋で一緒に木材を選んでくれたり、造作を手伝ってくれたり。何かとお世話になって、心強かったですね。

洗面所や浴室なども壁と天井は自分たちで仕上げました。床や壁のタイルは妻が貼りました。玄関の土壁やかまどなんかも面白かった。

あとは家の中の椅子や机、ウッドデッキに物置なども作りましたね。インターネットで検索すればたいていのことは調べられますし。自分たちのペースでゆっくりとやっていけばいいかなと。

図面とかよくわかりませんし（笑）。しょせん素人なのでデザインしたところでその通りにつくれるとは限りません。思い通りにならなくてイライラするよりは、あまり深く考えずにつくったほうがいいような気がします。

夕焼けも満月も美しい。プライベートの時間を大切にできています

都内の企業に勤めていた当時は仕事が忙しくて定時には帰れず、土日に出勤することもありましたから、このままではせっかくの田舎暮らしを満喫できないなと思い、移住してから転職を2回経験しました。今の会社はフレックスや在宅勤務の制度が充実しているので、プライベートの時間を大切にできています。通勤時間は片道3時間ほどですが、3か月に1回程度。いい気分転換になっていますね。

「ライフスタイルを変える」という目的は十二分に果たせたと思います。これまでDIYも家庭菜園も興味がありませんでしたし、こんなに季節や自然を身近に感じられることもありませんでした。この家から見える夕焼けは本当にきれいですよ。夜になると真っ暗ななかに月がこうこうと照っていて。

私はもともと会社や住むところを変えることにあまり抵抗を感じないタイプだと思うんですが、移住に関しても「うまくいかなければまた戻ればいい」くらいにしか考えていませんでした。あまり完璧にうまくやろうと思わずに、まずは移り住んでみたらいいんじゃないでしょうか。

 

有馬裕香さん

移住前のことを思うと、私もここまで人生が変わるとは思っていませんでした（笑）。DIYにあたって自分で電気配線をやりたくて電気工事士の資格も取ってしまったくらいです。

特に田舎に憧れていたわけではないのですが、嫌な感情もありませんでした。出産直後で広い家に引っ越したいと思っていたので、ちょうどいいタイミングかなと思っていましたね。

私自身、出産を経験して1年間の育児休暇の後、仕事に復帰しましたが、東京での育児と仕事の両立は本当に大変でした。だから環境を変えるという選択肢は私にとってもよかったのだと思います。

勤めていた会社を辞めてこちらに来てからは、しばらくパートなどもやっていたのですが、

もともと好きだった料理を仕事にしたいと思うようになりました。料理コーチの講座やベジタリアンアドバイザーセミナーにも通って、今は自宅で料理教室を開いています。（https://tubutubu-cooking.jp/schools/detail/68）

キッチンも生徒さんたちと調理できるようにオープンなつくりにしました。こんなことも、移住という変化があったからこそ、できたことなのかもしれません。

夫の言うように、こちらの夕焼けは美しいですね。毎日の暮らしの中でこんな景色が見られるのは田舎のメリットだと思います。以前は、わざわざキャンプに出かけることもありましたけど、自宅の庭で十分（笑）。

いつかは海外にも住んでみたいです。オーストラリアとかハワイとか。移住は、そのくらい軽く考えていたほうが叶うのかもしれません。

 

 

有馬健太さん・裕香さんのインタビュー動画はこちらから