千葉県Chiba Prefectural Government

~ 千葉県にオリンピック・パラリンピックがやってくる ~

更新日:令和4(2022)年3月25日

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第2部Ⅴ-2.都市ボランティア「City Cast Chiba」の歩み

ボランティアの活性化に向けた計画、機運醸成

 東京2020大会を契機に、ボランティアの裾野が拡大していくこと、また当初からレガシーを意識した取り組みが進められていくよう、千葉県では2017年7月に「東京2020大会に向けたボランティア推進方針」を策定。競技が開催される自治体をはじめとする多くの自治体は、広く県民が大会に関わることのできる重要な活動として、ボランティアの育成に取り組んだ。

外国人おもてなし語学ボランティア育成講座

 大会期間中は、国内外から多くの旅行者や観戦客が訪れることから、駅や観光地、空港などにおいて交通・観光案内を行う「都市ボランティア」を育成することが、競技会場が所在する自治体(会場自治体)を中心に大きな目標となった。

 特に、海外からの来訪者とのコミュニケーションスキルを養い、多くの県民が都市ボランティアに興味を持って応募する機運を醸成するため、2017年度から「外国人おもてなし語学ボランティア育成講座」を県内各地で開催。毎回、定員を超える多くの応募があり、2019年度までにおよそ2,000人が受講し、言語のみならず、ジェスチャー、表情、地図や絵を描くなど、さまざまな方法でコミュニケーションを図るスキルを習得するとともに、「おもてなしの心」を醸成した。

都市ボランティアの募集

 2018年7月に都市ボランティアの募集要項を公表し、同年9月から12月まで都市ボランティアの募集を実施。募集開始について周知するため、県内各地で説明会を開催し、高校や大学、イベントなどに職員が赴いて実施したもの、自治体が実施したものなど、合計32回の説明会に累計3,728人が参加した。また、障害の有無にかかわらず安心して応募・参加できるよう、応募時に配慮を希望する事項を記入してもらうこととしたほか、視覚障害者向けに音声読み上げの対応を行うなど、多様性に配慮した募集広報を行った。

 都市ボランティアは会場自治体が募集できる取り組みであり、千葉県が関係市町と連携しながら県内5カ所の活動エリアについて希望を取りまとめ、募集を行った。

 競技会場となる幕張メッセを擁するJR海浜幕張駅周辺を中心とした千葉会場エリア、サーフィン会場である釣ヶ崎海岸の最寄りとなるJR上総一ノ宮駅周辺を中心とした一宮会場エリア、日本の玄関口となる成田空港エリア、空港周辺観光地としての成田市内エリア、多くの宿泊施設が立地する浦安市内エリアの全5エリアにおいて、近隣住民のみならず、全県そして遠くは県外からも、千葉への愛着を持つ多くの人たちから応募があった。

募集エリア・人数

  • 千葉会場エリア
    募集:1,700人、応募:3,787人(2.2倍)
  • 一宮会場エリア
    募集:150人、応募:371人(2.5倍)
  • 成田空港エリア
    募集:700人、応募:1,433人(2.0倍)
  • 成田市内エリア
    募集:300人、応募:432人(1.4倍)
  • 浦安市内エリア
    募集:150人、応募:523人(3.5倍)

オリエンテーション・面接

 2018年12月までに応募のあったおよそ6,500人の中から、エリアごとに書類選考を行い都市ボランティアの候補者約3,000人を選出。2019年5月から7月にかけて研修スケジュールなどに関するオリエンテーションや、応募者それぞれがボランティアとして大会に臨むにあたっての意気込みなどを共有し合う面接を実施した。オリエンテーションは初めてボランティア同士が顔を合わせる機会でもあり、チームビルディングや、言語だけでない表現力を養い、コミュニケーション力を高める機会となった。

共通研修

 2019年10月から2020年3月までの間、各活動エリアにおいて、オリエンテーション・面接に参加したおよそ2,600人を対象に、大会に関する基礎的な情報、街中での案内に必要な視点、千葉の魅力発信に関する情報等を学ぶための「共通研修」を計29回実施。研修では、障害に関する理解を映像やワークで深める「障害平等研修」も行い、活動に臨むうえで重要な多様性と調和の考え方や、仲間と一緒に大会に向けた本格的な準備をスタートしようとする思いを共有した。

 なお、2020年3月中の研修は、新型コロナウイルスの影響から、一部はオンライン(動画視聴)で実施することとなった。

実地研修・エリア別研修

 2018年から2021年にかけて、各活動エリアでエリアの特性に応じたさまざまな研修を開催。千葉会場エリアでは、市内で開催された国際大会やテストイベントにおいて実地での研修が行われ、案内活動の実体験が重ねられた。

 こうした実地の機会においては、大会当日の円滑な運営に向けて、交通事業者や東京2020組織委員会、都市ボランティア運営拠点との間における情報連携のシミュレーションも行われた。また成田市内エリアでは、2019年にイギリスコベントリー市から都市ボランティア「Coventry Ambassador」を招き、案内に役立つ「おもてなしイングリッシュ」を学ぶオプション研修も実施された。

大会延期後から大会直前期

 2020年3月24日、東京2020組織委員会等が大会の延期を発表。都市ボランティアについても、延期後の大会開催に向けて、当初予定していた研修日程や研修実施開催方法などについて、大幅な予定変更が生じることとなった。特にエリア別研修については、活動現場における詳細な情報の確認が必要となることから、概ね1年の延期を余儀なくされた。

 この間、都市ボランティアのモチベーションを維持し、自主的に研鑽を積んでいけるよう、ステイホームでも実施できる取り組みを模索。2020年9月から11月にかけては、オンライン会議システムを使いながらボランティア同士で対話を行い、不安な気持ちを共有し合い、感染症影響下でのおもてなしの形などについて話し合う「オンライン交流会」を開催した。また2020年12月から2021年2月にかけては、関心を同じくする複数人のグループをつくり、オンライン上での自主的な勉強会活動「みんなの都市ボラ大学inちば」を行い、発表会を実施した。

 2021年6月から7月までの大会直前期に予定していたエリア別の研修は、オンラインや動画、資料送付による研修、フィジカルディスタンスを取っての少人数での現場研修など、常に感染症対策に細心の注意を払いながら、エリアごとにさまざまな方法で行った。リーダー希望者には、日本財団ボランティアサポートセンターの講師を迎え、リーダーシップ研修を実施。都市ボランティア運営者である自治体職員や都市ボランティアが取り組むべき対策をまとめた感染症マニュアルやガイドラインも整備し、都市ボランティアに向けては、eラーニングでの「感染症対策動画研修」を実施した。

 2021年7月8日、東京2020組織委員会等は、1都3県で行われるオリンピック競技について、無観客での開催を決定。これを受けて、都市ボランティアとしてできることをしようと「リモートでの活動」の準備が一気に進められた。8月16日には、パラリンピック競技も無観客開催となることが決定され、競技観戦者や旅行者を案内することを目的としていた都市ボランティアの活動については現場での活動を断念し、「リモートでの活動」のみで実施することになった。

大会期間中のリモートボランティア

 新型コロナウイルス感染症の影響で、すべてのエリアで活動を行うことはできなくなったが、都市ボランティアの「大会を契機に、国内外に千葉の魅力を伝えていく」という本分に立ち返り、何ができるのかについて模索。そして、感染症影響下でも自宅等から遠隔で参加できることを前提に、(1)バーチャルツアー、(2)オンライン・ロボットによる選手、関係者の見送り、おもてなしグッズの配布、(3)広報紙やSNS、動画による情報発信や応援メッセージの拡散、(4)広報紙の翻訳活動などに取り組むこととした。

 成田空港エリアでは、2021年5月末に「リモートボランティア・多言語発信情報ボランティア説明会」をオンラインで実施。興味のある活動をそれぞれ選択し、準備を進めていった。

バーチャルツアー

 語学のスキルなどを用いたおもてなしをしたいという都市ボランティアは、オンラインで観光案内を行う「バーチャルツアー」の企画グループを結成。英語3グループ、中国語とスペイン語それぞれ1グループの、計5グループが誕生し、歴史、食文化、日本家屋、列車の旅やサイクリングといったさまざまなテーマで千葉の魅力を伝えるツアーが企画された。

 ツアーは2021年8月から9月上旬まで、5テーマにつきそれぞれ2~4回、計15回実施。時差のある海外の参加者を募るのは困難であったが、都市ボランティア自らが周知に努め、国内外に居住する109人の外国人が参加した。参加者から、「地域の魅力を伝えたいという思いやホスピタリティの心」を強く感じさせられたとの評価を受けた。

オンライン・ロボットによる見送り、おもてなしグッズの配布

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、仮に有観客で大会が開催されることになり、現場で活動できる状況になったとしても、対人での活動を不安に思う人が一定程度いると想定された。そこで、成田空港エリアでは、自宅等からオンラインを通して活動の現場に情報提供するという参加の形を検討。こうした試みに対し、日本財団ボランティアサポートセンターから「分身ロボット」の貸与がなされた。

 その後、無観客開催が決定し、現場での活動ができなくなったことを受け、2021年7月から8月にかけて本格的に自宅等からスマートフォンやパソコンでロボットを操作するトレーニングを開始。パラリンピック後半期間の8月31日と9月4日から6日までの4日間、成田空港第1ターミナルと第2ターミナルに設置した「お見送りブース」から、ロボットやモニター越しにオンラインで選手や関係者のお見送り活動を実施した。ブースでは県民が作成したおもてなしグッズも配布。空港内で選手等の誘導を行う大会ボランティアが選手たちに積極的にブースを紹介するという連携も生まれた。32の国と地域の選手・関係者がブースに立ち寄り、画面越しに手を振るなど、都市ボランティアや県民のホスピタリティに対して感謝の気持ちが表された。

ボランティアによる情報発信や翻訳活動

 大会にまつわるさまざまな情報を「ボランティア目線」で発信していくことも都市ボランティアの重要な役割となり、SNS初挑戦の都市ボランティアは、説明会や個別相談で発信方法を学んだ。都市ボランティアたちは次々とSNS上でつながり、情報を拡散し合うようになり、2019年ごろから有志の都市ボランティアが千葉の魅力を発信するサイトが2つ立ち上がった。

 SNSのみならず、都市ボランティアの中から「広報チーム」が立ち上がり、都市ボランティア自らが取材から執筆、編集を行う「ボランティア活動ニュースレター」が、大会期間中から2021年10月までの間、5号発行された。

 また、語学が得意なメンバーが集まった「翻訳チーム」は、こうしたニュースレターやSNS発信情報、バーチャルツアーの告知内容などをさまざまな言語に翻訳し、海外に向けて積極的な情報発信を行った。

ロンドン大会時の都市ボランティアと交流

 2021年8月14日、企画から運営までを都市ボランティアが担う形で、2012年のロンドン大会以降、活動を継続しているイギリスコベントリー市の都市ボランティア「Coventry Ambassador」とのオンライン交流会が行われた。コベントリーからは、あきらめることなくリモートの活動に取り組む都市ボランティアの姿勢に応援の声が寄せられ、都市ボランティア活動に重要な地域への愛着や笑顔など、ボランティアの価値について話し合った。

体験プログラム

 都市ボランティアの体験を通して、次世代を担う中高生世代を育成することを目的に、「都市ボランティア体験プログラム」を実施した。

 2020年1月から3月まで参加者の募集を行い、500人の定員に対して2,194人が応募。しかし新型コロナウイルス感染症の影響から、同年の選考は延期となり、改めて2021年4月に選考を行い、5月にオンラインで事前説明会を実施した。大会期間中の現場での活動を心待ちにしていたが、都市ボランティアの現場活動が中止となったことから、体験プログラムについても代替となる活動について検討。2021年8月、学んだことを将来何かの形で役立ててもらうことを願い、成田空港内のユニバーサルデザインについて学び、案内の練習を行うオンラインワークショップを実施した。

 また、中高生プログラムを牽引して盛り上げる役割として、プログラム応募者の希望者のうち8人が「チームYELL」として活動。2021年3月の事前説明会を経て、4月から9月までの間、身近なところでできるボランティア活動や動画制作やSNS、取材活動などに取り組んだ。

振り返りの会~ We are LEGACY ~

 都市ボランティアとしてのこれまでの活動を振り返るオンラインイベントを2021年10月24日に開催。パラリンピック出場3選手へのインタビューや、都市ボランティアが取り組んだリモート活動、体験プログラムについて順番に発表があり、最後には、都市ボランティア有志が、今後取り組みたいボランティア活動のアイデアをいくつも提案し、仲間を募った。全体の司会やインタビュアーなどについては、中高生体験プログラムの参加メンバーが実行委員として企画から運営までを行い、それを都市ボランティアがサポートする形で進められた。実際に集うことはできなかったが、100人を超える参加者があり、大いに盛り上がりを見せた。

お問い合わせ

所属課室:環境生活部生涯スポーツ振興課企画調整班

電話番号:043-223-2449

ファックス番号:043-222-5716

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