Wanted doctor at Chiba prefectural hospital

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更新日:令和5(2023)年10月12日

小児代謝科

はじめに

 日本人類遺伝学会の認定する「臨床遺伝専門医」は遺伝性疾患の診療を専門に行う能力をみとめられたサブスペシャルティ専門医です。臨床遺伝専門医はすべての診療科からのコンサルテーションに応じ、適切な遺伝医療を実行するとともに、各医療機関において発生することが予想される遺伝子に関係した問題の解決を担う医師であり、次項の能力を有することが期待されています。

1)遺伝医学についての広範な専門知識を持っている。
2)遺伝医療関連分野のある特定領域について、専門的検査・診断・治療を行うことができる。
3)遺伝カウンセリングを行うことができる。
4)遺伝学的検査について十分な知識と経験を有している。
5)遺伝医学研究の十分な業績を有しており、遺伝医学教育を行うことができる。

 千葉県こども病院は臨床遺伝専門医研修施設としての認定を受けているだけでなく、代謝性疾患をはじめとして多種多彩な小児の遺伝性疾患の診療を広く行っており、遺伝医療のスペシャリストとしての研修に適しています。

千葉県こども病院代謝科の特色

 千葉県および周辺地域から、尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、ライソゾーム病、ミトコンドリア病などの遺伝性疾患の診療を行っています。また、新生児マススクリーニングにおける先天代謝異常症の県内唯一の精査機関になっています。さらにミトコンドリア病や尿素サイクル異常症など小児難病における次子の出生前診断も行っています。バイオインフォマティシャンも配置し、ミトコンドリア病に関して順天堂大学や埼玉医科大学などをはじめとした遺伝医学に精通した研究者達との、トランスレーショナルリサーチミーティングを月2回定期で行っています。

 ミトコンドリア病をはじめとした遺伝性疾患の臨床研究も行っており数多くの業績をあげています。専門医取得にあたり、遺伝性腫瘍の研修については千葉県がんセンターと連携して行っています。

 研修期間は相談に応じます。見学は随時可能です。

主な対象疾患

尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症

 新生児期に発症する場合も多く、急激な代謝性アシドーシスや高アンモニア血症を呈する「代謝救急疾患」として急性期の対応を行います。慢性期の対応も行いつつ、肝臓移植を行うことも少なくありません。移植施設を含めた多くの診療科との連携が必要になります。遺伝カウンセリングも並行して行い、次子の出生前診断を行うこともあります。

新生児マススクリーニング対象疾患の診断・加療

 アミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症など18種類(2022年現在)の一次対象疾患の診療を行います。これらのほとんどが発症前診断となり、発症を抑える治療を行うことが多いです。これらは生涯にわたり患者さんのフォローを行う必要があり、成人診療科との連携も必要になる場合があります。フェニルケトン尿症などはマターナルPKUの予防のため、妊娠・出産を計画している女性のコントロールなども行っています。

ライソゾーム病の診断と治療

 ムコ多糖症、ゴーシェ病、ファブリー病などライソゾーム病に関して当科での症例数は多く、診断・治療と並行して臨床研究も行っています。成人でも酵素補充療法が必要なケースも多く、千葉大学や千葉東病院などと連携し、診療にあたっています。また治療可能なライソゾーム病6疾患については、拡大新生児スクリーニングを千葉県、埼玉県などで展開しており、実際に確定診断のついた症例も増えてきています。

ミトコンドリア病の診断と治療

 ミトコンドリア病はエネルギー産生系の異常であり、あらゆる年齢に発症し、あらゆる遺伝形式をとりうる遺伝性代謝性疾患です。神経症状、筋症状だけでなく、肝症状、腎症状、心筋症状など症状も多彩です。2007年から本症の生化学診断、遺伝子診断を進めており、日本の診療の中心施設となっています。当院神経科とも連携をとりつつ、臨床試験も進めています。

その他

 糖原病、低フォスファターゼ症、家族性高コレステロール血症、小児肝疾患全般など多くの疾患をカバーしています。

臨床研究

 ミトコンドリア病を中心に世界的な研究をこれまで数多く発信しています。新規遺伝子の発見、病態解明、創薬開発、レジストリ研究など、日本医療研究開発機構(AMED)や厚生労働省の研究費などを取りながら研究を進めております。こうした成果は国際的な一流雑誌にアクセプトされ、千葉県病院局やAMEDを通じてプレスリリースを行う機会も多いです(千葉県こども病院HPでも閲覧可能です)。また、東北大学のムーンショット型研究の「ミトコンドリア先制医療」、自治医科大学や大阪大学とのiPS研究や創薬研究など他施設とも密接に連携を行い研究を進めています。一方で、個別の症例報告も積極的に行っています。現在もバチキノンの国際臨床試験を中心施設として進めています。

研修体制

 日本人類遺伝学会の研修認定施設であり、専門医の取得が当院のみの研修で可能です。症例数がたいへん多く、十分な臨床経験を積むことができます。また、学会発表や論文作成の指導も積極的に行っています。現在は4名体制で診療を行っており、そのうち2名は臨床遺伝専門医です。また遺伝科外来とも連携しており、遺伝診療センターの運営も担っています。外来、病棟とも担当医として活躍し、定期的なカンファレンスや随時相談をしながら、症例の共有・方針決定を行っています。また、順天堂大学、埼玉医科大学、近畿大学、理化学研究所等と定期的にWebカンファレンスも行っており、常に最先端の遺伝診療を行うように心がけています。

労働環境

 仕事を効率的に分担し時間外労働の減少を行っています。科内の医師間コミュニケーションは大変良好です。患者さん一人一人の細やかなカンファレンスを通じ、全員でより良い医療、ミスのない医療を心がけています。

目標とする専門医資格名(認定する学会名)

応募資格

  • 採用開始日において小児科専門医研修を修了しているあるいは修了見込みである医師(小児科専門医資格を取得済みないし採用年度内に取得見込みであること)
  • 臨床遺伝専門医資格を有していないこと

研修期間と研修施設名

  • 研修期間:1~3年(相談に応じます)
  • 研修施設:千葉県こども病院代謝科

募集人数

  • 1名(各年度新規分)
    *応募を希望する方は必ず事前に下記プログラム責任者に連絡を取ってください。
    また、将来年度にわたる採用計画が立てられることもあるため、応募を検討中の方も早めに連絡を取ることをお勧めします。

指導責任者名および連絡先

志村 優(千葉県こども病院代謝科医員)
043-292-2111(代)

お問い合わせ

所属課室:病院局経営管理課医師・看護師確保対策室

電話番号:043-223-3969

ファックス番号:043-225-9330

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