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更新日:令和3(2021)年10月18日

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鈴木たね子先生 講演4

さかなで元気

ここに掲載いたします記事は、平成18年7月21日に青葉の森芸術文化ホールにて開催されました、平成18年度「魚食普及を通じた食育の推進事業」、「千葉県学校栄養士会夏季研修会」における、鈴木たね子先生(国際学院埼玉短期大学 客員教授)の講演内容の一部を掲載するものであります。

テーマ「健康へのアプローチ~魚を食べて~」(4)

講習内容

1.ネズミの判断力の試験

迷路実験と足場探し(ネズミの判断力の試験)

上の図は、ネズミの頭の良い・悪いを調べる実験を示すものです。

ネズミを2つに分けまして、片方のネズミは普通のエサを与えます。もう一方のネズミには、DHAの入ったエサを与えます。

そして、しばらく水を飲ませないので、ネズミがのどの渇いた状態にします。

迷路の出口に水を置いて、それぞれのネズミに出口を探させますと、DHAを飲ませない方のネズミは、なかなか探せないで行ったりきたりします。ところが、DHAを飲ませた方のネズミは、ちょっと迷ってもサーッと水の方に行ってしまいます。

もう一つは同じようなテストですが、プールの中に足場が置いてあり,そこにネズミを入れますと、DHAで育ったネズミは自然と足場を見つけて飛び乗ってしまいます。ところが、普通のエサで育ったネズミは、なかなか足場が見つかりません。

判断力とかそういうものが、どうもDHAを飲ませたネズミの方がいいということです。また、迷路実験で迷路の行き方を1回で覚えてしまうのは、DHAネズミです。

2.EPA含有量,DHA含有量

EPA・DHAの多い魚

※資料:『日本食品 脂肪酸・コレステロール・ビタミンE 成分表』医師薬出版から作成

EPA・DHAがたくさん入っている魚は、どのようなものがあるのでしょうか。

上の表をごらん頂きますと、ホンマグロ(脂身)は非常に高いのであまり食べませんが、マダイ、これは養殖のマダイの方が多いのです。

これは、エサの中にEPA・DHAの非常に多いエサを与えていますから、体の中にたまっています。

それからブリですが、これは天然も養殖もEPA・DHAが多いです。

その他にも、サンマ、マイワシ、サケとなっています。

魚というのは、筋肉に脂をためる種類とタラみたいに筋肉に脂をためないで、肝臓の中にいっぱい脂を溜め込む2種類あります。

筋肉に脂を溜め込む魚というのは、だいたい背の青い魚です。そういうものに、大変多くのEPA・DHAが含まれているといえますから、なるべく背の青い魚を食べると良いということですね。

3.EPA・DHAの多い水産加工品

※資料:『日本食品 脂肪酸・コレステロール・ビタミンE 成分表』医師薬出版から作成

EPA・DHAを食べたいのだけれども、鮮魚をあまり食べないという人も、干物や加工品などはよく食べます。加工品は、塩が多いのではないのとか、添加物が多いのではないのとか、EPA・DHAは酸化して無くなってしまっているのではないかとか思われています。

ところが、EPA・DHAは健在なのです。

どういう水産加工品に多いかというと、アンコウの肝。アンコウの肝というのは、あまり皆さんは召し上がらないと思いますが、お父さんはお酒を飲みながら召し上がるかもしれない。肝臓というのはだいたい脂が多いですから、EPA・DHAが多いのです。それから、サバの水煮缶詰、スジコ、マイワシです。マイワシもとれなくなって高いですが、特にEPAが多いです。目刺し、丸干し、ウナギの蒲焼き、サンマの開き干し、アジの開き干し、新巻サケなどにはEPA・DHAが非常に多いです。

加工しても、EPA・DHAは、酸化はされません。

実は、EPA・DHAをビーカーに純粋に取り出してしまうと、すごく早く酸化してしまうのです。ところが魚の中に入っていると、EPA・DHAは、非常に酸化が遅いのです。

ですから、加工品も、安心してEPA・DHAを含む原料として召し上がっていただけるといいなと思っております。

4.EPA・DHAの摂取目安量

厚生労働省が出している日本人のEPA・DHAの摂取目安量ですが、いったいどのくらいN-3系脂肪酸が必要かということです。

EPA・DHAということでは出ていないが、ひっくるめてN-3系脂肪酸を、1日にどのくらいとったらよいのかということを見ると、

EPA・DHAの摂取目安量(g)

性別

8~9歳

1.9

2.0

10~11歳

2.1

2.1

12~14歳

2.6

2.1

これは、どのくらいの魚からとれるかというと、EPA・DHAの多い魚の切身1切れを1日に食べれば、目安量を満たすことができます。

上限量はきちっとしたデータがないのでわからないのです。頭を良くしようとしてジャンジャンDHAを食べた場合どうなるのかということがわからない。臨床データが1つくらいはあるのですが感覚的なもので、上限量は決めていないのです。1日10g以上とるのは、あまり好ましくないと思います。例えば、怪我をした時に血が止まりにくくなるのではないかということは考えられます。

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