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更新日:平成30(2018)年12月11日

ページ番号:2659

僕の髪が長い理由(わけ)(平成30年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

僕の髪が長い理由(わけ)

小学生部門

千葉県知事優秀賞

暁星国際小学校6年

堀川 清奏(ほりかわ かのん)

 

お母さんの車椅子を押す僕の髪は長い。

でも、それを笑う人は僕の周りには居ない。

おととしの夏、僕のお母さんは、脳梗塞で身体が不自由になってしまった。

その時僕は9才で、詳しい話はして貰えなかったけど、入院中のママを見れば、今までと同じ生活が出来なくなってしまった事くらいは、直ぐに理解する事ができた。

体の右半身が、上手く動かせなくなって、歩けなくなっていたからだ。

それからの毎日は、僕達家族にはとても辛くて、大変な毎日だった様に思う。

着物で菜ばしを持つ姿がキレイだったママが、障害のせいで、スプーンもちゃんと持てなくて、料理どころか、一人で食事も出来ず悔し涙を流しているのを、僕はただ「泣かないで」となぐさめる事しか出来なかった。

そんな自分が、とても悔しかったし、悲しかった。

お兄ちゃんの清響と、泣きながら僕達で出来ることは何があるかを必死で考えた。

パパとも家族で話し合って、ママの障害のサポートをしようと誓った。

でも、僕はまだ小さくて、時にはママのリハビリのお手伝いを恥ずかしがったり、車椅子を押すのを清響に代わってもらったり、リハビリの成果で、徐々に良くなって行くママに、無理なお願いをしてしまった事もありました。

そんな中で、去年の運動会の前日、準備に張り切り過ぎたママは、また脳梗塞におそわれてしまった。

なんでママばっかり?どうして僕の家ばっかり?!運動会に来て欲しいって僕が言ったから?!そう思いました。

それは運動会でリレーの選手に選ばれていた清響も同じだったと思う。

「運動会は残念だったけど、ママが生きていてくれて、清奏や清響の事がわかって本当に良かった」とパパが言った時、一等賞のメダルも、ママの手作り弁当もない日になってしまったのに、何故だか悔しいのや悲しいのとは違う涙が、僕やママ、パパや清響からもあふれていました。

僕達家族はまた、振り出しに戻ってしまったけど、ママのサポートを、ママはリハビリを頑張る事に、家族皆んなでこの障害と向き合う事を誓い合った。

そして昨年の暮れに入って、清響が中等部に受かった為、春から寮に入る事が決まった。

その時、僕と清響はある約束をした。

今迄は、清響がママの車椅子を押してきたけど、それが出来なくなるから、これからは僕がママの車椅子を押す、ママのサポーターになるという誓いだ。

障害のある人は、誰かのサポートがあれば、自分らしい生き方が出来る。

ママも僕の助けがあったら、本来のママらしい笑顔になれる事が沢山ある。

もしかしたら、ママ以外にも、僕の助けがあったら、笑顔になれる人がいるかもしれない。

清響との誓いを忘れない為に、まだ知らない誰かの笑顔の為に、その日から、僕は髪を伸ばし始めた。

僕の担任の北岡先生や学校の理事長先生、沢山の先生達が、僕のへアドネーションを理解してくれて、僕のクラスの皆んなや学校の皆んなも、決して僕を笑ったりしないで暖かく見守ってくれている。

昔からへアドネーションをしているママも、僕の髪をカッコイイよ、と笑顔で撫でてくれる。

そんなママに、僕は勇気付けられる。

ママが少しづつ良くなっていくのを見ると、嬉しくなるし、助けになれて良かったと思う。

僕は誰かを助けているけれど、同時にみんなに助けられているんだなと思う。

障害のある人もない人も、必ず誰かを助けて、助けられている、それを忘れないで生きていきたい。

今、障害のある人も、誰かを助けて誰かを幸せにしているという事を誇りに思って、毎日を頑張って欲しいと思う。

前に向かって、胸を張って進んで欲しいと心から思う。

そんな事を願いながら、僕は今日もお母さんの車椅子を押す。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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