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更新日:令和4(2022)年3月4日

ページ番号:23707

答申第192号

答申第192号

平成29年11月28日

千葉県知事

鈴木栄治様

千葉県個人情報保護審議会

会長土屋俊

 

異議申立てに対する決定について(答申)

 

 

平成27年7月3日付け報第251号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

諮問第177号

平成27年6月5日付けで異議申立人から提起された、平成27年5月25日付け報第130号で行った自己情報部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について

答申第192号

1.審議会の結論2.異議申立ての経緯3.異議申立人の主張要旨4.諮問実施機関の説明要旨5.審議会の判断6.附言7.審議会の処理経過

1.審議会の結

千葉県知事(以下「実施機関」という。)が、平成27年5月25日付け報第130号で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

実施機関の決定は、妥当である。

2.異議申立ての経緯

(1)異議申立人は、平成27年5月8日付けで、実施機関に対し千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。平成28年千葉県条例第15号による改正前のもの。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「○年○月○日県知事殿宛に提出した事実(○○中、○○市教育委員会に関する時系列)に関する書類の所在と処理状況に関する文書」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2)本件請求に対し実施機関は、請求に係る個人情報が記録された行政文書を「平成○年○月△日付け起案の『お聴きしますちば(手紙等)』」(以下「本件文書」という。)と特定した上で、本件決定を行った。

(3)異議申立人は、本件決定に対し行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対し、平成27年6月5日付けで異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4)実施機関は、本件異議申立てを受けて、条例第46条第1項の規定により、平成27年7月3日報第251号で審議会に諮問した。

3.異議申立人の主張要

本件異議申立書において、異議申立人はおおむね以下のとおり主張している。

(1)異議申立ての趣旨

「本件決定を取り消す」との決定を求める。

(2)異議申立ての理由

開示された文書には、具体的な対応を示す文書が含まれていないのでそれらの開示を求める。

4.実施機関の説明要

理由説明書において、実施機関はおおむね次のとおり主張している。

(1)本件文書について

本件文書は、平成○年○月△日付け報第469号により施行した文書の「お聴きしますちば(手紙等)」に係る起案文書一式である。

これは、随時受け付けている県民等からの意見、要望、苦情等のうち、平成○年○月○日に受け付けた文書に係るものに関して事務処理を行った決裁文書のことであり、同日には、異議申立人からの文書のほか、もう1件、別の者からの文書も受付けをしていたため、2件を一緒に処理したものである。

(2)不開示部分及びその理由

異議申立人が本件請求において求めた自己情報については、異議申立人に係る部分については全部開示としているが、開示対象文書中の異議申立人以外の者に係る部分を非開示とせざるを得なかったため、本件決定のとおり部分開示としたものである。

(3)異議申立ての検討

ア異議申立人は、「異議申立ての趣旨」において「開示された文書には、具体的な対応を示す文書が含まれていないので、それらの開示を求めます。」と述べているが、千葉県広聴事務取扱要綱(以下「要綱」という。)第9条(処理)の規定に基づき、提出された文書の内容を確認して関係課長を特定の上、内容により「(1)課内供覧」「(2)提出者への直接回答」「(3)回答案についての教示」のうちいずれかを選択して依頼するものであり、本件は、内容を確認した結果、「(1)課内供覧」の依頼をしたものである。

なお、関係課長の特定に当たっては、千葉県教育委員会に係る事案は、一括して千葉県教育庁企画管理部教育政策課(以下「教育政策課」という。)が窓口となっているため、同課長あて依頼したものである。

したがって、総合企画部報道広報課広聴室(以下「広聴室」という。)における事務処理は完了しており、個々具体的な対応に関しては、関係課が行うものである。

イ異議申立人は、「異議申立ての理由」において、「不誠実にも放置され」と述べており、更に「電話対応も一方的に切られる」と述べているが、この異議申立人の主張は、本件請求の決定とは直接関係ない申し出である。

ウなお、経緯等を詳細に述べると、異議申立人は、「異議申立ての理由」において、「不誠実にも書類が放置され」と述べているが、次のとおり不誠実に書類を放置した経緯はない。

(ア)異議申立人は、平成○年○月○日に、総務省千葉行政評価事務所(以下「行政評価事務所」という。)主催の「一日合同行政相談」の場で、行政評価事務所職員に相談した。

(イ)同日「一日合同行政相談」終了後、行政評価事務所経由で異議申立人が提出した千葉県知事あて文書を広聴室は受領した。

(ウ)要綱第9条の規定に基づき、関係課長を特定するとともに、翌週△日に起案・施行した。

また、異議申立人は、「異議申立ての理由」において「電話対応も一方的に切られる」と述べているが、広聴室は、平成○年○月○日に千葉県知事あての文書を受領後、同人からの自己情報開示請求書に対する文書の開示を行った平成△年○月○日の前日までの間、同人から架電や訪問を受け付けた事実はない。

エ以上のことから、本件決定に違法又は不当な点は認められないものと思料する。

5.審議会の判

(1)本件請求に係る事実経過について

実施機関の説明によれば、異議申立人は、平成○年○月○日に県知事殿宛ての、○○中、○○市教育委員会に関する書類(以下「本件提出書類」という。)を行政評価事務所に提出したところ、本件提出書類は、行政評価事務所から千葉県の広聴窓口である総合企画部報道広報課(以下「報道広報課」という。)へと手交され、報道広報課が千葉県広報広聴規則及び要綱に基づき、広聴事案として処理を行った。その後、異議申立人は上記2(1)のとおり、本件請求を行ったものである。

(2)本件異議申立てについて

実施機関は、本件請求に対し、上記2(2)のとおり本件文書を特定し、本件決定を行った。これに対し、異議申立人は、上記3(2)のとおり、開示された文書には具体的な対応を示す文書が含まれていないと主張する。

これは、本件文書以外に、本件提出書類に係る実施機関の何らかの対応が記載された行政文書が存在するとの主張であると考えられるので、以下検討する。

(3)本件決定における行政文書の特定の妥当性について

ア要綱第9条第1項では、報道広報課長は、県政への意見等を処理する場合は、広聴事案処理依頼書に当該県政への意見等の原文又はその写し等を添付して各課の長に送付するものと規定している。

そこで、本件文書の内容を見分すると、上記4(3)アにおいて実施機関が主張しているとおり、本件文書は、要綱の規定に基づき、本件提出書類を受けた報道広報課が教育委員会の広聴窓口である教育政策課へ担当課における供覧処理を依頼したものであることが認められ、また、本件文書による処理手続以外に何らかの事務処理を行うような事情も見当たらない。

イさらに、本件提出書類の処理に係るその他の文書(本件提出書類の処理状況に関して異議申立人から問い合わせを受けた記録等)が存在するかどうかについて審議会事務局職員をして、実施機関に確認させたところ、上記4(3)ウ(ウ)のとおり架電や訪問を受けた事実はないとのことであり、本件文書以外に本件提出書類に係る実施機関の対応が記載された行政文書の存在は認められず、また、かかる行政文書が存在するとの特段の事情も見受けられない。

ウしたがって、本件文書以外に開示請求の対象となる行政文書は存在しないとする実施機関の説明に不合理な点は認められない。

(4)結論

以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。

なお、異議申立人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断上影響を及ぼすものではない。

6.附言

本件決定は、自己情報部分開示決定通知書(以下「通知書」という。)に記載されているとおり、「当該請求者以外の者に係る文書及び処理経過」(以下「本件不開示部分」という。)を開示しないとする部分開示決定であるが、不開示部分のみの記載にとどまり、条例第21条第3項により規定されている、開示しない理由についての記載が欠けている。

条例第21条第3項で開示しない理由を記載することとしている趣旨は、開示、不開示の判断にあたって、実施機関の合理的な判断を確保するとともに、処分の理由を開示請求者に知らせることにより、開示請求者が決定の内容について不服申立てをする際の判断材料とするためである。

審議会が本件不開示部分について確認したところ、同部分に記載されている情報は、異議申立人以外の第三者の個人情報であり、本件請求の対象外となる情報であることが認められるので、本件決定は実質的には全部開示であると考えられるものの、実施機関が部分開示決定として本件決定を行った以上、上記趣旨からすれば、不開示とした部分の理由を付さないことは開示請求者の権利を大きく損なうものである。

今後、実施機関においては、自己情報開示請求に対する決定を行うに当たり、条例の規定及び趣旨に沿った適正な事務の執行に努められたい。

7.審議会の処理経過

審議会の処理経過は、下記のとおりである。

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成27年7月8日

諮問書の受理

平成27年8月20日

実施機関の理由説明書受理

平成29年9月26日

審議(平成29年度第5回第2部会)

平成29年11月2日 審議(平成29年度第6回第2部会)
千葉県個人情報保護審議会第2部会(五十音順)

氏名

職業等

備考

石井徹哉

千葉大学副学長

 

中曽根玲子

國學院大學専門職大学院法務研究科教授

部会長

藤岡園子

弁護士

部会長職務代理者


答申第192号(平成29年11月28日付け)(PDF:135KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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