ここから本文です。

更新日:令和4(2022)年3月4日

ページ番号:23691

答申第175号

答申第175号

平成29年2月2日

千葉県公安委員会

委員長小堀陽史様

千葉県個人情報保護審議会

会長土屋俊

 

審査請求に対する裁決について(答申)

 

平成27年1月21日付け公委(監)発第2号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

諮問第155号
平成26年12月17日付けで審査請求人から提起された、平成26年12月9日付け監発第485号で行った自己情報部分開示決定に係る審査請求に対する裁決について

答申第175号

1.審議会の結論2.審査請求の経緯3.審査請求人の主張要旨4.諮問実施機関の説明要旨5.審議会の判断6.審議会の処理経過

1.審議会の結

千葉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が平成26年12月9日付け監発第485号で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

審査請求人の開示請求に対し、開示請求に係る自己情報(以下「対象個人情報」という。)が記録されている文書として平成○年○月○日付け○警親発第○○号「職員の退職について(副申)」の写し(以下「本件文書」という。)を特定した実施機関の判断は、妥当である。

2.審査請求の経緯

(1)審査請求人は、平成26年11月26日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。平成28年千葉県条例第15号による改正前のもの。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「私に関する自己情報開示決定等期間延長通知書(監発第388号平成○年○月○日)にて開示され私が受領した文書のうちから、私の職業関係を無職と記載した理由、経過、調査方法等に関して作成された文書。」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2)本件請求に対し実施機関は、本件文書を特定した上で、本件決定を行った。

(3)これに対し審査請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により、実施機関の上級行政庁である千葉県公安委員会に対し、平成26年12月17日付けで審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

(4)本件審査請求を受けて、条例第46条第2項に規定する諮問実施機関となる千葉県公安委員会(以下「諮問実施機関」という。)は、同条第1項の規定により、平成27年1月21日付け公委(監)発第2号で審議会に諮問した。

3.審査請求人の主張要

審査請求書において、審査請求人はおおむね次のとおり主張している。

(1)審査請求の趣旨

私の職業を、無職と認定した根拠となる調査、依頼、確認等した文書を開示願いたい。

(2)審査請求の理由

監察官室等は、対象文書を秘匿、隠蔽していると思料される。

アいずれかの調査、確認等実施後、無職と認定して記載している事から文書が存在すると思料される。

イ無職と認定できなければ、職業不詳と記載すべきであるが、無職と認定して記載していること。

ウ私が退職した平成○年○月○日から、無職と記載した資料を作成した平成▲年▲月▲日以前において、役所、税務署、その他機関において照会等を実施した文書が存在するはず。

エ以上の状況から、必ず文書が存在すると思料される。

4.諮問実施機関の説明要

理由説明書において、諮問実施機関はおおむね次のとおり主張している。

(1)審査請求に至る経過について

ア自己情報開示請求

平成26年11月26日、審査請求人は、条例第16条第1項の規定により、平成○年○月○日付け自己情報部分開示決定通知書(監発第436号及び会発第1346号)にて審査請求人に開示された平成▲年▲月▲日付け公安委員会資料「継続国家賠償事件の一部行政訴訟への変更について」(以下「公安委員会資料」という。)につき、「私の職業関係を無職と記載した理由、経過、調査方法等に関して作成された文書」の自己情報開示請求を行った。

イ文書の開示

(ア)文書の特定

実施機関は、本件請求内容を確認し、本件文書を対象個人情報が記録された文書と特定した。

(イ)開示・不開示の判断及び部分開示の決定

平成26年12月9日、実施機関は、本件文書のうち、決裁欄の係長の印影については、警部補以下の階級にある警察官の氏名であり、条例第17条第2号及び千葉県個人情報保護条例第17条第2号ハの警察職員を定める規則(平成17年千葉県規則第65号)に該当することから不開示とする自己情報部分開示を決定した。

(2)決定の妥当性

ア審査請求人の主張

審査請求人は、公安委員会資料において、原告である審査請求人の職業が「職業不詳」ではなく、「無職(○○○○)」と記載されていることから、審査請求人が無職であることを調査した文書(税務署等への照会等)が必ず存在するはずであり、これを開示しないのは千葉県警察本部警務部監察官室(以下「監察官室」という。)等が秘匿、隠蔽しているからであると主張する。

イ審査請求人の主張に対する説明

(ア)公安委員会資料作成の経緯

平成○年○月、審査請求人は、損害賠償等請求事件の原告として千葉県(被告千葉県知事)に対して訴訟を提起し、公安委員会資料が作成された平成▲年▲月当時も千葉地方裁判所において同訴訟は係属中であった。当初、国家賠償請求事件として審理されていた当該訴訟については、その後、請求内容の一部が行政事件訴訟の対象請求となり、同請求についての被告は、千葉県(代表者千葉県公安委員会委員長)となったことから、平成▲年▲月▲日、監察官室は、千葉県公安委員会にその旨を報告した。

この時、監察官室は公安委員会資料を作成したが、原告である審査請求人の職業を記載する際、当室において審査請求人に関する最新の情報が記載された文書は、審査請求人が退職時に申し立てた内容を書面化した平成○年○月○日付けの本件文書しか存在しなかったことから、本件文書の内容を参照することとした。本件文書の「5その他参考事項」には、「(略)」という記載がなされていた。このため、監察官室は、原告である審査請求人の職業について、公安委員会資料に「無職(○○○○)」と記載したものである。

(イ)照会の実施等

(略)同人の退職後に千葉県警察において審査請求人に関する捜査や調査等を実施する理由はなく、照会等を実施した事実はない。

(ウ)公安委員会資料の審査請求人の職業は、本件文書の内容をもとに記載されたものであり、千葉県警察において実施した何らかの照会をもとに記載されたものではない。また、本件請求に係る期間である、平成○年○月○日から平成▲年▲月▲日以前に限らず、現在に至るまで、審査請求人の職業を捜査又は調査等で確認する必要があって監察官室等が役所、税務署、その他機関において審査請求人の照会等を実施した事実はなく、同照会結果を記載した文書は存在しない。したがって、監察官室等が本件請求に係る文書を秘匿、隠蔽した事実はない。

5.審議会の判

(1)審査請求人の主張について

上記3(2)のとおり、審査請求人は、実施機関が本件文書のほかに審査請求人の職業が無職であることを確認した文書を保有していると主張していることから、実施機関が行った文書の特定が十分であったかを確認する。

(2)文書の特定について

ア本件文書の内容について

審議会において見分したところ、上記4(2)イ(ア)のとおり、本件文書の「5その他参考事項」には「(略)」という記載がされており、審査請求人が退職後に無職になったことは本件文書から推測することができる。

このため、本件文書を本件請求の対象個人情報が記録されている文書として特定した実施機関の判断が合理性を欠くとは言えない。

もっとも、本件文書が作成されたのは平成○年○月であり、公安委員会資料が作成されたのが平成▲年▲月であることからすると、公安委員会資料作成時に改めて調査等をすることも考えられるため、当時の状況について確認する必要がある。

イ調査等の状況について

審議会において、実施機関に確認したところ、公安委員会資料作成にあたっては、特段の規則等がないため、調査等を実施する必要はなく、実際に実施していないとのことであった。また、原告職業についての記載は本来的に必須事項とは言えないが、公安委員会にわかりやすく説明するにあたり、審査請求人の状況について直近の記載がある本件文書を参照し記載したとのことであり、それ以外に審査請求人の職業を推察することができる文書は存在しないとのことであった。

この点、上記4(2)イ(ア)のとおり、公安委員会資料が訴訟当事者の変更に伴う、引き継ぎのために作成されたものであることを考えると、重要なのは訴えの概要及び裁判の経過であり、原告の職業については、必ずしも重視される情報とはいえず、調査等を実施することなく、本件文書を参照して無職と記載したとする実施機関の説明に不合理な点は認められない。

(3)結論

以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。

6.審議会の処理経

審議会の処理経過は、下記のとおりである。

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成27年1月21日

諮問書の受理

平成27年4月23日

諮問実施機関の理由説明書受理

平成28年11月29日

審議(平成28年度第3回第2部会)

平成28年12月20日

審議(平成28年度第4回第2部会)

実施機関の口頭理由説明

平成29年1月24日 審議(平成28年度第5回第2部会)
千葉県個人情報保護審議会第2部会(五十音順)

氏名

職業等

備考

石井徹哉

千葉大学副学長

 

中曽根玲子

國學院大學専門職大学院法務研究科教授

部会長

藤岡園子

弁護士

部会長職務代理者


答申第175号(平成29年2月2日付け)(PDF:145KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?