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更新日:令和4(2022)年2月18日

ページ番号:23659

答申第139号

答申第139号

平成26年5月30日

千葉県病院局長矢島鉄也様

千葉県個人情報保護審議会

会長土屋俊

 

異議申立てに対する決定について(答申)

平成24年12月14日付け千が第1359号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

平成24年11月20日付けで異議申立人から提起された、平成24年9月25日付け千が第975号で行った自己情報開示決定に係る異議申立てに対する決定について


 

諮問第119号

答申第139号

1.審議会の結論2.異議申立ての経緯3.異議申立人の主張要旨4.実施機関の説明要旨5.審議会の判断6.審議会の処理経過

1.審議会の結

千葉県病院局長(以下「実施機関」という。)は、次の文書について、改めて開示決定等をすべきである。

  • (1)平成○年○月○日の説明記録
  • (2)異議申立人の従叔母○○(以下「本件患者」という。)に係る電子カルテの平成○年○月○日△時△分、同月○日△時△分及び同月○日△時△分の記録部分

2.異議申立ての経

(1)異議申立人は、平成24年9月12日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「平成○年○月○日頃死去した○○の病状等について当時入院していたがんセンターの担当医師から異議申立人が説明を受けた説明記録の全記録」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2)本件請求に対して実施機関は、次のとおり対象文書を特定して、平成24年9月25日付けで開示決定(以下「本件決定」という。)を行った。

  • ア「説明記録(○年○月○日付け)」(以下「本件文書1」という。)
  • イ「説明記録(○年○月○日付け)」(以下「本件文書2」といい、本件文書1及び本件文書2を総称して「本件各文書」という。)

(3)本件決定に対し異議申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対し、平成24年11月20日付けで異議申立てを行った。

(4)これを受けて実施機関は、条例第46条第1項の規定により、平成24年12月14日付け千が第1359号で審議会に諮問した。

3.異議申立人の主張要

(1)異議申立ての趣旨

異議申立人は、本件決定で開示された本件各文書のほか、

  • ア異議申立人に対して未開示の説明文書(平成○年○月○日分及び○日分)
  • イ異議申立人の本件患者のカルテ
  • ウ平成○年○月○日関係者に対して病状説明したと称する説明資料

の開示を求めるものである。

(2)異議申立ての理由

異議申立人が異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての理由は、以下のとおりである。

ア本件請求に係る事実関係は次のとおりである。

(ア)平成○年○月○日、本件患者が千葉県がんセンター(以下「がんセンター」という。)に入院した。

(イ)同月○日、上記(ア)の事実について、異議申立人が知った。

(ウ)同月○日、異議申立人ががんセンターで本件患者の見舞をした。同日深夜、本件患者が意識不明の重篤となった。

(エ)同月○日、上記(ウ)の事実を知り、異議申立人ががんセンターで本件患者の見舞をした。

(オ)同月○日、○○市役所及び△△市役所で住民票及び除籍証明書を取得後、異議申立人ががんセンターで本件患者のクリーニング代を支払い、がんセンターの担当医師(以下「担当医師」という。)から上記(ウ)の深夜の事実について説明を受けた。

(カ)同月○日、本件患者ががんセンターでエックス線撮影による検査を受けた。

(キ)同月○日、本件患者に胃ろうの処置を施すことについて、異議申立人ががんセンターで担当医師から説明を受け、説明書にサインした。

(ク)同月○日、上記(ウ)の深夜の事実について、異議申立人ががんセンターで担当医師から新たな説明を受け、説明書にサインした。

イ以上のことから、平成○年○月○日及び○日の文書は、異議申立人が署名している事実がある。

4.実施機関の説明要

(1)対象文書の性質

開示した本件各文書は、患者氏名、病名、日時、患者の病状、治療方針等、説明をした医療者名、説明を受けた患者本人、家族等の氏名が記載された文書である。

患者一人一人の「診療録(カルテ)」は、すべて電子カルテとなっている。説明記録等の紙で作成した文書については、その作成後にスキャンして電子カルテに取り込み、電子データ化されるとともに、原本は千葉県がんセンター病歴室(以下「病歴室」という。)においてファイルされている。

(2)対象文書の記載内容

対象文書として特定したものは、平成○年○月○日及び○日に、異議申立人ががんセンターにおいて、異議申立人の父の従妹である本件患者の病状等について担当医師から説明を受けた際の「説明記録」である。

当該説明記録には、本件患者氏名、病名、作成年月日、担当医師名、説明を受けた者の氏名、本件患者の病状、今後の治療予定、次回の説明予定が記載されている。

(3)異議申立人の主張について

ア平成○年○月○日及び○日の文書について

異議申立人は、平成○年○月○日及び○日の文書に署名したと主張しているが、本件患者に係る電子カルテ(以下「本件電子カルテ」という。)及び説明記録の原本(以下「本件説明記録」という。)を再確認したところ、いずれの日付の文書も存在しない。

イ平成○年○月○日関係者に対して病状説明したと称する説明資料について

平成○年○月○日に担当医師から本件患者の関係者に対して病状等を説明した文書は、本件決定で開示した本件文書1のみであり、他に資料は存在しない。

5.審議会の判

(1)本件請求の対象文書について

実施機関は、本件請求に対して上記2(2)のとおり、本件各文書を特定して本件決定を行ったところ、異議申立人は、上記3(1)のとおり、本件各文書以外にも本件患者の病状について担当医師から異議申立人が説明を受けた情報が記録された対象文書があるとして、次のアからエまでの文書をあげて、これらの文書の開示を求めている。

  • ア平成○年○月○日関係者に対して病状説明したと称する説明資料
  • イ平成○年○月○日の説明記録
  • ウ平成○年○月○日の説明記録
  • エ本件電子カルテ

(2)本件説明記録及び本件電子カルテについて

審議会は、本件説明記録及び本件電子カルテに関して実施機関に対しさらに説明を求めたところ、概ね次の内容の説明があった。

ア担当医師から患者本人や家族等へ説明した内容は、説明記録に記載される。

イ説明記録は、病歴室に保管されるが、保管する前に電子データ化して電子カルテに取り込まれる。つまり、説明記録と同じ内容のものが電子カルテの内容の一部となる。本件説明記録も、本件電子カルテに取り込んでいる。

ウ説明の相手方となった患者やその家族等には、説明記録に署名してもらうことが原則であるが、緊急性がある場合や軽微な場合などには署名を省略することもある。

エ本件患者に関する情報は、本件説明記録及び本件電子カルテにあるものがすべてであり、このうち本件患者の病状について担当医師から異議申立人への説明を記録した文書は、本件電子カルテに取り込まれたものも含め、本件説明記録だけである。

オ実施機関の職員が再度病歴室を確認したところ、本件患者の病状について担当医師から異議申立人への説明を記録した文書は、本件説明記録以外はなかった。

(3)上記5(1)アからエまでの文書について

上記4及び5(2)の実施機関の説明によれば、本件患者の病状について担当医師から異議申立人が説明を受けた情報が記録されたものとしては、本件説明記録があり、それらを含めて、本件患者の病状等に関する情報は本件電子カルテに記録されていることが認められる。

そして、異議申立人は、本件決定により開示を行った本件各文書のほかに、上記5(1)アからエまでの文書が対象文書となる旨主張するので、以下この点について検討する。

ア上記5(1)アの文書について

異議申立人は、平成○年○月○日に担当医師が関係者に対して病状説明したと称する説明資料を開示の対象とすることを求めている。

本件電子カルテを見分したところ、同日△時△分の記録部分には、担当医師から異議申立人が説明を受けた旨の記載があり、その説明記録としては、本件決定により開示した本件文書1であると認められる。また、同日においてその他に説明資料があるとする事情も認められない。

よって、平成○年○月○日に異議申立人が担当医師から説明を受けた文書は本件決定で開示した本件文書1のみであるという実施機関の説明に、特に不合理な点は認められない。

イ上記5(1)イの文書について

(ア)異議申立人は、平成○年○月○日の説明記録が未開示であるとして、その説明記録を開示の対象とすることを求めている。

そこで、本件電子カルテを見分したところ、

a平成○年○月○日△時△分の記録部分には、同日において担当医師から異議申立人に対し、本件患者の病状等について説明があった旨の記載が認められる。

bまた、この記載から、実施機関に対して平成○年○月○日付け説明記録(以下「○日説明記録」という。)の有無について確認を求めたところ、○日説明記録は存在し、その内容については、本件患者の病状に関する記載はあるが、異議申立人を含め説明の相手方の署名はないことが認められる。

(イ)○日説明記録には、上記bのとおり、異議申立人の署名はないため、対象文書とされなかったことについてはやむを得ない面がある。

しかし、異議申立人は、上記aのとおり、平成○年○月○日に担当医師から本件患者の病状について説明を受けていることが認められる。そして、上記(2)ウのとおり、説明記録への署名が省略される場合もあることを考慮すると、○日説明記録は、実際に異議申立人が担当医師から説明を受けた情報であるということができる。

そうすると、○日説明記録は本件請求の対象文書に該当するから、実施機関は、○日説明記録について改めて対象文書として特定し開示決定等をすべきである。

ウ上記5(1)ウの文書について

異議申立人は、平成○年○月○日の説明記録が未開示であるとして、その説明記録を開示の対象とすることを求めている。

そこで、本件電子カルテを見分したところ、同日において、異議申立人が担当医師から説明を受けた旨の記載は認められなかった。さらに、審議会事務局の職員をして確認させたところ、同日に担当医師から異議申立人への説明を記録した文書の存在も認められなかった。

よって、平成○年○月○日付けの説明記録はないという実施機関の説明に、特に不合理な点は認められない。

エ上記5(1)エの文書について

異議申立人は、本件患者のカルテを開示の対象とすることを求めている。

そこで、本件電子カルテを見分したところ、本件説明記録のほかに平成○年○月○日△時△分、同月○日△時△分及び同月○日△時△分の記録部分については、異議申立人の氏名とともに、担当医師から異議申立人が受けた説明の内容が記載されている。

そうすると、本件電子カルテの平成○年○月○日△時△分、同月○日△時△分及び同月○日△時△分の記録部分については、異議申立人が開示を求める対象文書に該当するといえるから、これらの記録部分について実施機関は改めて対象として特定し開示決定等をすべきである。

(4)結論

以上のことから「1審議会の結論」のとおり判断する。

異議申立人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。

6.審議会の処理経

審議会の処理経過は、下記のとおりである。

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成24年12月14日

諮問書の受理

平成25年2月1日

実施機関の理由説明書受理

平成26年2月14日

審議(第229回審議会)

平成26年3月13日

審議(第230回審議会)実施機関口頭理由説明

平成26年4月24日

審議(第231回審議会)

 


 

答申第139号(平成26年5月30日付け)(PDF:136KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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