サービス停止情報

現在情報はありません。

ここから本文です。

更新日:令和2(2020)年7月6日

答申(全文)

答申(概要版)

公文書公開制度の見直しについて
答申

平成12年8月

千葉県公文書公開審査会



答申にあたって

千葉県公文書公開審査会は,公文書公開制度の運営に関し見直しを必要とする事項について,平成12年4月28日知事から諮問を受け,これまで5回にわたり審議を行ってまいりました。

審議に際しては,千葉県公文書公開条例のこれまでの運用実績と平成13年4月1日から施行される国の情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の趣旨を踏まえ,さらに,地方分権の進展や情報化社会の急速な発展など社会経済情勢の変化も視野に入れながら検討を進め,各委員は,それぞれ専門的な立場から率直に意見を交換し合い,21世紀にふさわしい情報公開制度の在り方について議論を重ねました。

そして,情報公開制度を取り巻く社会環境は今後も大きな変化を遂げるとの共通の認識のもとに,千葉県の目指すべき情報公開制度についての意見を取りまとめ,ここに答申することとなりました。

知事においては,この答申の内容を踏まえ,すみやかに公文書公開条例の改正その他必要な措置を講ぜられ,千葉県に一層充実した情報公開制度が確立されることを期待します。

おわりに,当審査会において参考とさせていただいた貴重なご意見を寄せられました県民各位に心から感謝を申し上げます。

平成12年8月8日

千葉県公文書公開審査会
委員長鶴岡稔男


 目次

第1審査会の基本的な考え方

1.制度見直しの背景と必要性

2.基本的な考え方

第2制度(条例)見直しについての意見

1.条例の名称

2.条例の目的(現行条例第1条関係)

3.実施機関の範囲(現行条例第2条第1項関係)

4.請求権者の範囲(現行条例第5条関係)

5.対象となる文書(現行条例第2条第2項関係)

6.非公開事項(情報)の範囲(現行条例第11条関係)

(1)公開・非公開の枠組み(現行条例第11条本文関係)

(2)個人情報(現行条例第11条第2号関係)

(3)事業活動情報(現行条例第11条第3号関係)

(4)犯罪予防等情報(現行条例第11条第4号関係)

(5)意思形成過程情報(現行条例第11条第7号関係)

(6)行政執行情報(現行条例第11条第8号関係)

(7)国等協力関係情報(現行条例第11条第5号関係)及び合議制機関等情報(現行条例第11条第6号関係)

(8)公益上の理由による裁量的公開(該当条文なし)

7.存否応答拒否(該当条文なし)

8.請求及び決定手続(現行条例第7条,第8条及び第9条関係)

(1)請求手続(現行条例第7条関係)

(2)対象文書不存在の場合の処理(該当条文なし)

(3)不適正な公開請求に対する措置(該当条文なし)

(4)公開・非公開の決定期間(現行条例第8条第1項及び第5項関係)

(5)大量請求の場合の特例(該当条文なし)

(6)第三者の保護(現行条例第9条関係)

9.公開の方法(公開手続)(現行条例第10条関係)

10.手数料(費用負担)(該当条文なし)

11.公文書公開審査会の機能(現行条例第13条関係)

12.情報提供施策と情報公開制度の総合的推進(現行条例第18条関係)

13.文書の管理(該当条文なし)

 

〈資料〉
千葉県公文書公開審査会委員名簿

審査会の審議経過等

千葉県公文書公開条例

千葉県公文書公開条例第11条第2号又は第3号に該当する情報について公開の特例を定める条例


第1審査会の基本的な考え方

 1.制度見直しの背景と必要性

本県の公文書公開制度は,県民の県政に対する理解と信頼を深め,県政の公正な運営の確保と県民参加による行政の一層の推進を図ることを目的に,昭和63年10月に公文書公開条例が施行されて以来,すでに12年余が経過した。
この間,県では,従来から継続して進めていた行政改革をさらに推進するため,平成7年度からは千葉県新行政改革大綱に基づく行政改革を進めており,その実践施策の一つとして,平成10年4月に公文書公開条例の特例条例(千葉県公文書公開条例第11条第2号又は第3号に該当する情報について公開の特例を定める条例)が施行され,公開される県政情報の範囲が拡大されるなど,制度の改善が図られてきた。
一方,制度の利用状況を見ると,制度発足以来平成11年度末までの間に17万6千余件の公文書公開請求がなされており,ことに,近年来の増加の傾向から,県民の県政への参加意欲の高まりを感じ取れるところであり,現行制度の所期の目的は一定程度達成されつつあるといえる。
しかし,こうした中で,近年,著しく大量で権利濫用的とも思われる公文書公開請求が特定部局に対して行われるなど,制度発足当初には予想していなかった制度運用面の課題も浮き彫りになってきており,このような課題への適切な対応が急務となっている。
さらに,国において,平成11年5月に情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)が公布され,平成13年4月から国の行政機関とその保有する行政文書を対象とする情報公開が実施されることになったが,地方公共団体においても,この法律の趣旨にのっとった施策の策定と実施が求められている。
このような現状を踏まえ,本県においては,今後,公文書の公開のみならず,情報公開の総合的な推進という広い視野に立ち,当面する課題への適切な対応を図るとともに,情報公開を取り巻く今日の社会環境に的確に対応し得るよう,情報公開法との整合を図りながら,すみやかに制度を見直す必要がある。

目次へ

 2.基本的な考え方

(1)公正の確保と透明性の向上
今日,地方分権が現実のものとなり,地方公共団体は国と対等・協力の関係のもとに,様々な事務事業の分野においてさらに主体性を発揮することが可能となったが,それに伴い,住民参加による公正で透明性の高い行政運営が,これまで以上に求められている。
本県の行政改革指針となる千葉県新行政改革大綱においても,「公正の確保と透明性の向上」が改革の重点事項の一つとして挙げられ,それにより,地方分権時代にふさわしい開かれた県政運営を一層推進するとしているところであり,これに寄与する情報公開制度の果たす役割は,今後,ますます大きなものとなる。

(2)原則公開の一層の明確化

現行制度の基本理念は,公文書の「原則公開」である。
制度の見直しにあたっては,さらに,県の保有するすべての情報を原則として公開するという認識に立ち,非公開とする情報を必要最小限にとどめるための規定の見直しや,適正な文書管理に関する責務規定を条例に置くことなどにより,現行制度の理念を一層明確にしていく必要がある。

(3)プライバシーの最大限の保護

プライバシーの保護は,個人の尊厳にかかわる基本的人権の一つであり,現行制度のもとでも,「個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮」が求められている。
個人のプライバシーは,いったん侵害されるとその回復は著しく困難となることから,制度の見直しにあたっては,人の生命,健康,生活などを保護するために例外的に制約を受ける場合を除き,引き続き,最大限の保護がなされるよう配慮すべきである。

(4)より利用しやすく有用な制度へ

情報公開制度は,県民が利用しやすいように,必要なときに必要な情報が得られる仕組みが備えられていなければならない。しかも,それらの情報が県民に分かりやすいかたちで伝達されることによって,はじめて県の説明する責務も全うされることになる。
制度の見直しにあたっては,このような考え方を基本の一つに据え,情報公開制度が,県民にとってさらに身近で有用なものとなるよう,公文書の公開のみならず,情報提供施策の充実などを含め,情報公開の総合的な推進を図る必要がある。

目次へ


第2制度(条例)見直しについての意見

 1.条例の名称

条例の名称を「千葉県情報公開条例」とすることが適当である。

[説明]
現行条例は決裁,供覧の手続を経た文書及びこれに類するものの公開に関する規定が中心であるため,その名称が千葉県公文書公開条例とされているが,今日の情報化社会にあっては,「公文書公開」よりも「情報公開」のほうが条例の名称に用いる表現としてふさわしい。
県においても,電磁的記録などの情報を幅広く保有するに至っており,今後,これらの情報を公開対象にしていく必要があることや,さらに,情報提供施策の充実などを含め,情報公開の総合的推進を図るという観点からも,条例の名称を「千葉県情報公開条例」とすることが適当である。

目次へ

2.条例の目的(現行条例第1条関係)

 (1)知る権利
「知る権利」を条例に明記することが適当である。

[説明]
「知る権利」という概念については,多くの理解の仕方があるのが現状であるとの考え方から,情報公開法には明記されなかった。
確かに,「知る権利」の概念が未だ確立されず,法令用語として用いるには未成熟という考え方が一方にあるとしても,今日では,「知る権利」という言葉が社会一般に内在し,情報公開制度の発展に少なからず寄与していることも動かしがたい事実である。
したがって,「知る権利」については,「県民がひとしく享有する権利」として位置付け,情報公開制度を一層推進するための基本理念として条例に明記することが適当である。

 (2)説明する責務(説明責任)
「説明する責務(説明責任)」を条例に明記し,情報公開制度が県の説明する責務を全うするためのものであることを明らかにすべきである。

[説明]
「説明する責務(説明責任)」について,国は,国政を信託した主権者である国民に対し,政府がその諸活動の状況を具体的に明らかにし,説明する責務(説明責任)を全うする制度の整備をすることが必要であるとの考え方から,情報公開法に,「政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにする」との規定を盛り込んでいる。
地方自治の本旨に照らせば,県においても,このような考え方を積極的に採用すべきであり,県政を信託した県民に対し,県がその諸活動の状況を具体的に説明することによって,現行条例の目的である「県政の公正な運営の確保」や「県民参加による行政の一層の推進」もまた促進されることになる。
したがって,「説明する責務(説明責任)」を条例に明記することにより,情報公開制度が県の説明する責務を全うするためのものであることを明らかにすべきである。

 (3)制度利用者の責務
制度利用者の責務として,情報の適正使用のほか,「適正請求」についても条例に明記することが適当である。

[説明]
現行制度は,県民の県政に対する理解と信頼を深め,県政の公正な運営の確保と県民参加による行政の一層の推進を図ることを目的に創設され,この趣旨に沿った適正な制度利用が行われることを期待しているものであることから,現行条例では,制度利用者の責務として,公開を受けた情報の「適正使用」が規定されているにとどまる。
さきに,当審査会は,「知る権利」を「県民がひとしく享有する権利」として位置付け,情報公開制度を一層推進するための基本理念として条例に明記することが適当であるとの考え方を示したところであるが,県民一人ひとりの公開請求の仕方にも一層の良識が期待されるのは当然であり,いやしくも権利の濫用によって制度の健全な発展が阻害されることがあってはならない。
このような趣旨を明確にするため,公開を受けた情報の適正使用のほか,適正な公開請求についても,制度利用者の責務として条例に明記することが適当である。

目次へ

3.実施機関の範囲(現行条例第2条第1項関係)

 (1)公安委員会(警察本部)
公安委員会(警察本部)については,国及び他の都道府県の動向を踏まえつつ,実施機関に加えるべきである。

[説明]
公安委員会(警察本部)については,警察事務の特殊性や他の都道府県の状況を考慮して,現行条例のもとでは,公文書公開の実施機関とはされていない。
しかし,情報公開法においては,国家公安委員会と警察庁を情報公開の対象機関としていることから,それら国の機関と業務遂行上の一体性を有する県公安委員会(警察本部)については,実施機関に加えるべきである。
ただし,警察事務の特殊性や警察活動の広域的斉一性の確保という観点から,情報公開法の不開示規定や他の地方公共団体の実施時期などとの整合を図る必要がある。

 (2)県の出資法人
県の出資法人については,条例の趣旨にのっとり,情報公開を推進することが望ましい。

[説明]
県の出資法人は,県とは別個の法人格を有しているため,基本的には,業務運営上の独立性や主体性が尊重される。
しかし,県の出資法人の中には,県と密接な関係にあったり,県の行政活動に類する活動を行っているものがあるので,そのような出資法人については,条例の趣旨にのっとり,県の制度に準じて情報公開を推進することが望ましい。
なお,対象とする出資法人の範囲については,県の出資比率だけでなく,人的関与の程度や業務内容などを総合的に考慮して定めるべきである。

目次へ

 4.請求権者の範囲(現行条例第5条関係)

請求権者の範囲を拡大することを検討すべきである。

[説明]
現行条例は,県内に住所を有する個人・法人等を請求権者と規定し,それ以外のものから申出のあった場合は公開に努めるものと規定しており,このような区分の仕方自体は地方自治の本旨に照らせば合理的である。
しかし,人の交流や法人等の事業活動などの社会の営みが,都道府県などの行政区域を越えて頻繁に行われ,さらには国際的な規模で行われる場合も少なくないという今日的な状況を踏まえると,請求権者の範囲を現行のままにとどめ置くことは,もはや適当とはいえなくなった。
したがって,請求権者の範囲については,制度の目的の一つである「説明する責務」が第一義的には県民に対するものであることを考え方の基本としつつも,今日の社会経済情勢に鑑み,より広域的な観点から,さらに拡大することを検討すべきである。

目次へ

5.対象となる文書(現行条例第2条第2項関係)

 (1)組織共用文書
対象となる文書については,「実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」とすることが適当である。
[説明]

現行条例のもとでは,決裁や供覧などの手続が終了していない文書は,公開請求の対象とはなっていない。
確かに,決裁や供覧などの手続を経ている文書であれば,県の正式な意思決定が行われている事務事業の内容や責任の所在などが確定事実として明らかになるので,このような現行条例の規定の仕方にも一定の合理性が認められるところである。
しかし,県の説明する責務を全うするとともに,県民参加による公正で透明性の高い行政運営を一層推進していくためには,現行の対象文書の範囲では十分ではない場合も少なくないと考えられる。
したがって,対象となる文書の範囲を拡大し,「実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」とすることが適当である。

 (2)電磁的記録
「電磁的記録」についても対象とすべきである。
[説明]

現行条例のもとで,公開請求の対象となる「公文書」の形態は,文書,図画及び写真(これらを撮影したマイクロフィルムを含む)とされており,磁気テープ,磁気ディスク,光ディスクなどを媒体とする電磁的記録は対象となっていない。
しかし,今日の社会における情報の電子化はめざましいものがあり,県の機関においても,様々な事務事業の分野でOA化が図られ,文書などに代わるものとしてそれら電磁的記録が重要な役割を果たしつつある。
また,国においても,対象とする情報記録媒体の種類については,情報・通信システムの進展をも踏まえて幅広くとらえる必要があるとの考え方から,情報公開法では,対象となる行政文書に電磁的記録も含めることとしている。
したがって,電磁的記録を対象となる文書に含め,社会の発展や科学技術の進歩に適応した情報公開を推進すべきである。

目次へ

6.非公開事項(情報)の範囲(現行条例第11条関係)

 (1)公開・非公開の枠組み(現行条例第11条本文関係)
「非公開情報が記録されている場合は,公開しないことができる」とする現行の規定を,「非公開情報が記録されている場合を除き,公開しなければならない」旨の規定に改めることが適当である。
[説明]

現行条例は,公開請求の対象となった公文書について,「非公開情報が記録されている場合は,公開しないことができる」旨を規定しているが,もとより,実施機関に判断上の裁量権を与えているものではない。
このような趣旨を明確にするとともに,情報公開制度は公開が原則であることをより分かりやすくするため,「非公開情報が記録されている場合を除き,公開しなければならない」旨の規定に改めることが適当である。

 (2)個人情報(現行条例第11条第2号関係)
  1. 個人情報の規定の仕方は,「個人識別型」を維持することが適当である。
  2. ただし書については,情報公開法の規定と同様の規定に改めるべきである。
  3. 情報公開法と同様,「公務員情報」に関する規定を置くことが適当であるが,実施機関の職員情報については,特例条例による公開の範囲が狭められることのないようにすべきである。(ただし,警察職員については職務の特殊性などに対する配慮が必要である。)

[説明]

  1. 個人のプライバシーに対する評価は,人それぞれによって価値観や考え方が異なるため千差万別であり,法的にも,保護されるべきプライバシーの具体的な内容が明確になっていないという現状のもとでは,個人情報の扱いについての規定の仕方は,現行の「個人識別型」を維持することが適当である。
    また,情報化が進展している現代社会においては,幅広く個人の権利利益を保護するという観点から,仮に個人が識別されない場合でも,公開することによって,なお個人の権利利益を害するおそれのあるものは,原則として非公開とすることを明確にしておく必要がある。
  2. また,個人のプライバシーは,いったん侵害されると回復が著しく困難となる。そのような不測の事態を避けるため,例外的に公開される個人情報については,ただし書の規定を情報公開法と整合させることにより,双方の解釈及び運用に齟齬が生ずる余地のないようにする必要がある。
    したがって,現行のただし書イ及びロについては,これを一体化し,情報公開法にならって,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」とし,また,ただし書ハについても,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するために公にすることが必要であると認められる情報」とすべきである。
  3. 県の保有する情報の中には,県の機関の職員の職務遂行に関する情報だけでなく,県の事務事業にかかわりを有する国や他の地方公共団体の職員の職務遂行に関する情報も少なからず含まれている。本県では,平成10年4月の特例条例の施行により,実施機関の職員の職務遂行情報に含まれる当該職員の職や氏名を公開しているところである。
    しかし,県の説明する責務を全うし,行政運営における公正の確保と透明性の向上を一層推進するためには,実施機関の職員だけでなく,他の公務員についても,その職務遂行上の情報を一定の範囲で明らかにしていく必要がある。
    したがって,公務員情報の公開については,情報公開法と同様,「公務員の職及びその職務遂行の内容に係る部分」につき公開する旨の規定を置くことが適当である。
    ただし,実施機関の職員に係る情報の公開については,特例条例による公開の範囲が狭められることのないよう,規定の仕方を検討すべきである。なお,警察職員については,職務の特殊性及び警察活動の広域的斉一性の確保に配慮する必要がある。
 (3)事業活動情報(現行条例第11条第3号関係)
本号は,情報公開法の「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」についての規定と同様の規定に改めるとともに,「任意提供情報」についての規定を置くことが適当である。
[説明]

本号本文は,法人その他の団体又は事業を営む個人の自由な事業活動を保障し,正当に享受する利益を保護するために定めたものである。また,ただし書は,それら法人等又は事業を営む個人の有する社会的責任や公益性確保の観点から,例外的に公開する情報を定めたものである。
このような趣旨の規定を今後とも維持する必要があるが,現行の「法人等又は事業を営む個人の競争上若しくは事業運営上の地位に不利益を与え,又は社会的信用を損なうと認められるもの」とする規定よりも,情報公開法の「法人等又は事業を営む個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とする規定のほうが,より直接的で分かりやすい。
また,ただし書についても,情報公開法の規定にならって一体化したほうが,趣旨がより明確になる。
したがって,本号は,情報公開法の「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報」についての規定と同様の規定に改めることが適当である。
また,行政機関からの要請を受け公開されないことを前提に法人等や事業を営む個人から任意に提供される情報については,提供する側の非公開扱いに対する期待と信頼に保護に値するものがあるとの考え方から,情報公開法においては,「任意提供情報」についての規定を置いている。
このような規定が現行条例にないため,本県ではこれまで,法令の規定によらずに任意に提供された情報の公開・非公開の判断については,主として,本条第8号「行政執行情報」に規定される「公開することにより,実施機関と関係者との信頼関係が損なわれると認められるもの」に該当するか否かによって行ってきた。
しかし,当該規定の解釈においては,実施機関の主観的な意思が働く余地があり,公開が原則の情報公開制度のもとでは,このような余地をできるかぎり小さなものとすることが望ましい。
したがって,実施機関において非公開とする場合の事由をより合理的で具体的なものに限定させるため,任意提供情報の中でも多くを占めると考えられる事業活動情報の扱いについて,情報公開法と同様の規定を置くことが適当である。

 (4)犯罪予防等情報(現行条例第11条第4号関係)
本号は,情報公開法の「犯罪予防,鎮圧又は捜査等」についての規定と同様の規定に改め,その適用は,刑事法の執行を中心としたものに限定されるべきである。
[説明]

県(現行制度の実施機関)の保有する情報の中にも,公共の安全と秩序の維持に影響を及ぼすものがあり,そのような情報を公開すると,犯罪の予防,犯罪の捜査等を有効かつ能率的に行うことができなくなり,また,情報提供者,被疑者等の生命,身体,財産及び社会的地位を保護することが困難となる場合もあると考えられることから,それを防止するために本号は定められたものである。
しかし,公安委員会(警察本部)が実施機関に加わることになれば,これまで本号が予定していなかった警察の保有する情報そのものが対象となるため,警察事務の特殊性及び警察活動の広域的斉一性の確保という観点から,本号を情報公開法の規定と整合のとれた規定とする必要がある。
したがって,本号は,情報公開法の「犯罪予防,鎮圧又は捜査等」についての規定と同様の規定に改めることが適当である。
ただし,その場合でも,新たな規定の適用は,あくまで犯罪の予防,捜査等に代表される刑事法の執行を中心とした情報に限定されるべきであり,その条件のもとで実施機関の第一次的な判断が尊重される仕組みとすべきである。

 (5)意思形成過程情報(現行条例第11条第7号関係)
本号は,情報公開法の「審議,検討又は協議に関する情報」についての規定と同様の規定に改め,公開することにより生ずる支障については,限定的かつ具体的なものとすべきである。
[説明]

県又は国等における内部的な審議,検討,調査研究等に関する情報であって,最終的な意思形成に至っていない情報の中には,公開することにより,県民に誤解を与えたり,審議などの場で自由な意見表明が妨げられるなどして,その後の公正な意思形成に著しい支障が生ずるものがある。
本号は,そのような情報について,公開しないことができることを定めたものである。
しかし,本号は,「意思形成過程」という文言のみに着目されやすく,ともすれば安易に適用されやすい。
今日においては,県民参加による公正で透明性の高い行政運営が一層求められており,県の説明する責務を全うするうえからも,本号が安易に適用されることがあってはならないのであり,公開することによって生ずる著しい支障が,具体的かつ明白に認められるときに限り適用されるものでなければならない。
したがって,本号については,情報公開法の「審議,検討又は協議に関する情報」の規定と同様の規定に改め,公開することにより生ずる支障については,限定的かつ具体的に規定すべきである。

 (6)行政執行情報(現行条例第11条第8号関係)
本号は,情報公開法の「事務又は事業に関する情報」についての規定と同様の規定に改め,非公開とする場合の要件を,具体的なものとして例示すべきである。
 (7)国等協力関係情報(現行条例第11条第5号関係)及び合議制機関等情報(現行条例第11条第6号関係)
これらの規定は,いずれも削除することが適当である。
[説明]

第5号「国等協力関係情報」
国等からの協議,依頼等に基づいて実施機関が作成し,又は収受した情報の中には,公開するかどうかの判断にあたり,国等の意思を考慮すべき性格の情報が含まれていることがある。このような情報を一方的に公開すると,国等との協力関係や信頼関係が損なわれることがあり,その結果,実施機関の事務事業の執行に支障が生ずることも考えられるため,それを防止するために本号は定められたものである。
しかし,国において情報公開制度が確立され,地方公共団体においても情報公開法の趣旨にのっとった制度が整備される流れの中で,県が保有するそれら国等の情報についても,今後は,情報公開法又はその趣旨にのっとった地方公共団体の条例の規定一般(本条第8号「行政執行情報」の見直し後の規定など)に照らし,公開するかどうかの判断をすることが可能となるので,本号を存続させる必要性は,もはや乏しいと考える。

第6号「合議制機関等情報」
合議制機関等は,一般の行政機関と異なり,独立性や中立性の確保が要請され,その意思形成に関して構成員の自由な討議の過程を必要とする場合があるため,本号は,合議制機関等の審議資料,会議録等の情報であって,公開することにより,公正又は円滑な審議が著しく損なわれると認められるものについて,公開しないことができることを定めたものである。
しかし,公開が原則の情報公開制度のもとでは,合議制機関等といえども,その議事運営に関する情報については,県の執行機関一般の事務事業実施の過程における情報と同様の扱いとなり,公開することによって客観的かつ具体的な支障が生ずるとは認められないものについてまで非公開とすることはできない。
このような趣旨をより明確にしていくためにも,合議制機関等情報として単独の規定を存続させることは適当でなく,本条第7号「意思形成過程情報」の見直し後の規定などにより対応していくべきものと考える。
以上の考え方から,本条第5号及び第6号については,いずれも削除することが適当である。

 (8)公益上の理由による裁量的公開(該当条文なし)
公益上の理由による裁量的公開の規定を置くことが適当である。
[説明]

現行条例のもとでは,公開請求の対象となった公文書を公開するかどうかの判断は,第11条第1号ないし第8号のいずれかに該当するか否かによって行われ,個別に裁量的判断の入り込む余地はない。
一方,国においては,「不開示情報をみだりに公開することは,公益に反し,許されないが,個別具体的な場合においては,開示することに優越的な公益が認められる場合があり得る」として,行政機関の長の高度の行政的判断による開示を可能とする規定を情報公開法に置いている。
このような考え方は,県行政においても合理的なものと考えられるので,公益上の理由による裁量的公開の規定を置くことが適当である。
ただし,この規定がみだりに適用されることにより個人や法人等の権利利益が不当に侵害されることのないよう,また,個別の非公開規定の厳格な解釈が損なわれることのないよう,十分な配慮が必要である。

目次へ

 7.存否応答拒否(該当条文なし)

公開請求に係る情報が存在するか否かを明らかにしないで,当該公開請求を拒否できる場合の規定を置くことが適当である。
[説明]

国においては,「開示請求が探索的になされた場合等,存否に関する情報と開示請求に含まれる情報とが結合することにより,不開示又は不存在と回答するだけで不開示情報の保護利益が害されることがあり得る」として,このような場合には,請求に係る情報の存否を明らかにしないで当該請求を拒否できる規定を情報公開法に置いている。
確かに,特定個人の病歴や犯罪の内偵捜査などの情報の中には,探索的な公開請求がなされた場合,これに応じて非公開としたり不存在と回答しても,そのことだけで,保護されるべき個人の権利利益や確保されるべき公益を損うものがあると考えられる。
したがって,このような事態の発生を防止するため,公開請求に係る情報が存在するか否かを明らかにしないで当該公開請求を拒否できる場合の規定を置くことが適当である。
ただし,その適用にあたっては実施機関の十分な拒否理由の提示が必要であること,また,当該拒否が請求人において行政上及び司法上の救済を求めることができる処分であることを明確にしておくべきである。

目次へ

8.請求及び決定手続(現行条例第7条,第8条及び第9条関係)

 (1)請求手続(現行条例第7条関係)
公開請求書の提出方法については,ファクシミリや電子メール等によることも認めることが望ましいので,到達確認の方法など技術的な課題を踏まえ,実施可能な方法を検討すべきである。
[説明]

現行制度のもとでは,郵送による公開請求書の提出を認めているが,さらに,請求人の利便を図り,情報公開制度をより利用しやすいものとするためには,ファクシミリや電子メールによる公開請求についても,可能な限り認めていくことが望ましい。
したがって,到達確認の方法(誤送受信の危険があることによる問題)や機器の整備状況などの課題を踏まえ,今後の県の情報システム化の進展状況に合わせて実施可能な方法を検討すべきである。

 (2)対象文書不存在の場合の処理(該当条文なし)
対象文書の不存在を理由として請求を拒否する場合の規定を条例に置き,処分としての位置付けを明確にすることが適当である。
[説明]

情報公開法は,開示請求された行政文書が存在しないため当該請求を拒否することになる場合の手続について,不開示決定等を行う場合のそれと画一に規定しているところである。
本県の現行制度においては,請求された公文書が存在しないとき又は制度外の文書であるとして請求を拒否するときの規定を実施機関が定める規則に置いており,これを根拠として,当該拒否を請求却下処分として扱っているところである。
しかし,この却下処分に対する不服申立てがあった場合において,公文書公開審査会への諮問を必要としない扱いとしているなど,制度上の位置付けが明確とはいい難い面がある。
したがって,対象文書の不存在を理由として請求を拒否する場合の規定を条例に置き,処分としての位置付けを明確にすることが適当である。

 (3)不適正な公開請求に対する措置(該当条文なし)
不適正な公開請求であることを理由として請求を拒否する場合の手続について検討すべきである。
[説明]

国は,「特定部局の保有するすべての行政文書の開示請求や行政機関の事務遂行能力を減殺させることを目的とする開示請求などに対しては,権利濫用に関する一般法理を適用して対処する」との考え方を示しているところである。
制度の健全な発展を阻害するにほかならないこのような権利濫用的な公開請求に対しては,極めて例外的な措置として実施機関が請求を拒否することがあり,その場合の手続について検討すべきである。
なお,当該請求拒否に対する請求人の救済手続についても,併せて考慮すべきである。

 (4)公開・非公開の決定期間(現行条例第8条第1項及び第5項関係)
  1. 決定期間については,適法な公開請求が到達してから30日以内とすることが適当である。
  2. 決定期間の延長をする場合においては,その限度を30日とすることが適当である。
[説明]

国は,「開示請求に対しては,速やかに開示又は請求拒否の決定がなされるべきであるが,個々の開示請求に対する決定をするために要する期間は,対象情報の量,不開示情報該当性の審査・判断の難易,第三者保護の手続,行政機関の事務の繁忙の状況等によって違いがあり,一義的に定めることは困難」としつつも,情報公開法においては,「原則的な処理期限を,適法な開示請求が行政機関に到達してから30日以内とし,事務処理上の困難その他正当な理由がある場合には30日を限度としてその期間を延長できる」旨を規定しているところである。

  1. 現行条例は,公開請求のあった公文書を公開するかどうかの決定期間を,請求書を受理した日から15日以内と定めている。
    ところで,本県における公開請求件数(公開の申出を除く)の推移及び実施機関の対応状況を経年的に見ると,平成7年度にはじめて1万件台に達した請求件数が,その後急増の一途をたどり,平成10年度においては4万3千余件,平成11年度においては4万7千余件に達しており,一方,これらの請求に対し,実施機関が条例で定める期間内に対応(決定等)することができたものの割合は,平成10年度が35パーセント弱,平成11年度においても53パーセント強にとどまるという状況にある。
    もちろん,県民による公開請求の機会が増えることによって,県民参加による県政が一層促進されることは制度の目的にかなうものであり,実施機関においては,全力を傾注して真摯に対応すべきであるとはいうものの,近年のこのような状況のもとで,現実問題として,他の業務への影響などが強く懸念されるに至っている。
    したがって,決定期間については,制度と現実のこのような乖離の実態を踏まえると,情報公開法と同様,「適法な公開請求が到達してから30日以内」とすることが適当である。
    ただし,この場合においても,「情報公開制度が有効に機能するためには,公文書を公開するかどうかの適正かつ迅速な決定と,速やかな公開の実施が必要不可欠である」との認識のもと,実施機関は,引き続き真摯な対応に努めなければならない。
  2. 現行条例は,実施機関にやむを得ない理由があるときは,請求のあった公文書を公開するかどうかの決定期間を延長することができる旨を規定し,当該延長に係る期限については定めがない。
    しかし,延長することができるとする規定において,その限度がないとなると,請求に係る公文書の量や情報の性質によっては,公開するかどうかの判断に相当の日数を要する場合があり,その間,事実上の非公開状態が継続されるという不合理が生ずることになる。
    したがって,そのような不合理を一定程度なくすとともに,通常ならば早期の決定を望む請求人の利便を図るという観点からも,延長の期間に一定の限度を設けておくことが望ましく,その限度については,30日とすることが適当である。
 (5)大量請求の場合の特例(該当条文なし)
公開請求に係る文書が著しく大量であるため,実施機関の事務事業の遂行に著しい支障を来すおそれがある場合には,実施機関は,公開請求があった日から60日以内にその相当の部分につき公開等の決定を行い,残りの部分については相当の期間内に公開等の決定をすれば足りるとする規定を置くべきである。
[説明]

本県における近年の公開請求件数の急増の様子は,前(4)の[説明]において述べたとおりであるが,これらの請求の中には,特定部局の公文書について一度に大量の請求を行うという事例が少なからず見受けられる。
このような現実がある中で,決定期間の延長をするときの期限を設けるにとどめ置くだけの条例とするならば,他の業務への影響は一層深刻なものとなり,併せて,公開請求に対する実施機関の適法な決定が不能となる事態も生ずることが強く懸念される。
したがって,そのような実施機関の業務遂行上の混乱等を避けるため,特例として,一定の期間内に請求に係る文書のうちの相当部分について公開等の決定をし,残りの部分についてはさらに相当の期間内に公開等の決定をすれば足りるとする旨の規定を置くべきである。

 (6)第三者の保護(現行条例第9条関係)
第三者に関する情報を,公益上の理由により公開するときには,当該第三者に意見書を提出する機会を保障するなど,第三者の保護に関する手続規定を置くべきである。
[説明]

第三者に関する情報を一方的に公開した場合,当該第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあることから,第三者保護のための手続が必要である。
現行条例においては,「あらかじめ県以外のものの意見を聴くことができる。」旨の規定が置かれているが,ことに,第三者に関する情報を,人の生命,健康,生活等の保護という公益上の理由によって例外的に公開しようとする場合には,当該第三者の権利利益の保護にも十分な配慮が求められる。
したがって,第三者保護のためのより適正な手続として,不利益を受けるおそれのある第三者に事前に意見書を提出する機会を保障するとともに,当該第三者が公開に反対する意見書を提出した場合には,争訟の機会を保障するという観点から,公開の決定と公開の実施の間に相当の期間を設けるなどの規定を置くべきである。

目次へ

 9.公開の方法(公開手続)(現行条例第10条関係)

  1. 電磁的記録の公開の方法については,可能な限り請求人の要望に沿うことが望まれるが,現段階では,技術上及び機器・体制の整備上の課題もあるので,県の情報システム化の進展に合わせて,可能な方法で実施することが適当である。
  2. 公開方法の検討にあたっては,視聴覚障害者に対する配慮についても,併せて検討することが望まれる。

[説明]

  1. 現在,公文書の公開は,閲覧又は写しの交付のいずれかの方法により行われているが,今後,電磁的記録を公開請求の対象とする場合,請求人の利便を考慮して,磁気媒体の複写など可能な限り請求人の要望に沿う方法で実施することが望まれる。
    しかし,電磁的記録の公開については,部分公開等の作業に技術的な問題があること,公開窓口における機器・体制上の措置が必要となること等の課題もあるので,今後の県の情報システム化の進展状況に合わせて,可能な方法で実施することが適当である。
  2. 情報公開制度は,だれもが利用しやすいものでなければならない。公開方法の検討にあたっては,視聴覚障害者に対する配慮についても,併せて検討することが望まれる。

目次へ

 10.手数料(費用負担)(該当条文なし)

「費用負担の公平の原則に照らし,徴収することを検討すべきである。」とする意見と「多くの県民が利用しやすいように,現行どおり徴収すべきでない。」とする意見があった。
[説明]

手数料を徴収することについては,以下のとおりの意見があった。

  1. 公文書の公開事務は特定の者の利用のためにする役務の供与であって,本県の場合,現実問題として相当の経費がかけられているのであるから,費用負担の公平の原則に照らして,最低限の受益者負担を求めるのは当然であり,手数料を徴収することを検討すべきである。
    (この場合,請求回数等につき一定程度までは無料とするがそれを超える場合には負担を求めるという方法,広く公益的減免を認めるという方法,なども考えられるという意見があった。)
  2. 制度が設けられた趣旨や,県の説明する責務を全うするという観点から,多くの県民にとって制度が利用しやすいものでなくてはならず,現行どおり手数料は徴収すべきでない。

目次へ

 11.公文書公開審査会の機能(現行条例第13条関係)

公文書公開審査会の権限,手続等を国の情報公開審査会に準じたものに拡大し,条例に規定することが適当である。
[説明]

現行条例は,公文書公開審査会の機能について「審査会は,必要があると認めるときは,不服申立人,実施機関の職員その他関係人に対し,その出席を求めて説明若しくは意見を聴き,又は資料の提出を求めることができる。」と概括的に規定するにとどめ,その具体的な内容は,千葉県公文書公開審査会審議要領において定められている。
実際の不服申立ての審査においても,同審議要領に基づき,実施機関職員の説明や対象公文書等資料の提出を求めるなどし,それらをもとに実施機関の決定の当否について審議・検討を行っているが,現在のところ実施機関の非協力など格別の支障は生じていない。
しかし,不服申立人には閲覧させずに審査会委員のみが対象公文書を直接見分することのできる「インカメラ審理」は,審査会の審査手続における最も基本的かつ重要な手法であることから,その根拠となる規定を条例に置くことが適当である。また,審査会の公文書等資料提出要求に対して実施機関は拒否できないことも,条例上,明確にしておくことが必要である。
さらに,審査の対象となる公文書が膨大であったり,その記載内容や非公開理由が複雑に関係する場合などは,その争点を明確にし,審査の迅速化を図る観点から,審査会が必要と認めるときは,実施機関に対して非公開部分やそれに適用する非公開条項及び該当する理由などを記載した資料である「ヴォーン・インデックス」の作成・提出を求めることができることも,条例に明記することが適当である。
なお,不服申立てに係る審議案件等の状況によっては,部会制による審議についても検討すべきである。

目次へ

 12.情報提供施策と情報公開制度の総合的推進(現行条例第18条関係)

情報提供施策の一層の充実及び情報公開に関する総合的な施策の推進が図られるよう,実施機関の責務をより具体的なものとして条例に明記すべきである。
[説明]

現行制度は,公文書の公開手続を中心としたものであるため,公文書の公開と機能を分担しつつ県の情報公開を推進する情報提供施策については,条例上,抽象的な責務規定が置かれているにとどまる。
確かに,公文書の公開は,情報公開制度を支える大きな柱であり,県政の公正な運営の確保と,県民参加による行政を推進するうえで重要な役割を果たしている。
しかし,公開請求をまって実施される公文書の公開は,県の保有する情報を広く県民一般に伝達する手段としてはやや硬直的な一面もあることから,さらに,情報公開制度の総合的な推進という大きな視野に立った,より弾力的で多様な施策の実施が必要である。
特に,県の長期計画等の重要政策に関する情報や政策形成過程の情報,県民生活の安全に密接に関係する情報,公開請求の頻度の高い情報であって県民の利便性の向上に資すると認められる情報などについては,適時・適切に県民に分かりやすい形で公表・提供されることが重要である。
さらに,情報の公表・提供にあたっては,インターネット等を積極的に活用するほか,県民からの希望の多い行政資料については有償頒布をするなど,多様な手段を有効に活用することにより,簡便で県民が利用しやすいものとする必要がある。
このような考え方を踏まえ,今後,情報提供施策の一層の充実及び情報公開に関する総合的な施策の推進が図られるよう,実施機関の責務をより具体的なものとして条例に明記すべきである。

目次へ

 13.文書の管理(該当条文なし)

文書の適正管理に関する実施機関の責務を条例に明記し,管理の基本的事項については規則に定めることが適当である。
[説明]

実施機関の保有する文書の管理については,行政事務の効率的執行という観点から,現在,内部訓令(規程)に基づいて行われており,現行条例に格別の定めはないが,当該訓令により管理対象となる文書が決裁,供覧などの手続を経たものであり,公開対象となる文書と合致していることから,公文書公開制度の運用上,これまで特に支障は生じていないと考えられる。
しかし,今後,公開の対象となる文書の範囲を拡大し,それにより県の説明する責務を全うするということになれば,それらの文書の管理は一層適正に行われていなければならない。
したがって,県の保有する文書の適正管理に関する実施機関の責務を条例に明記し,文書の分類,作成,保存,廃棄に関する基準その他文書の管理に関する基本的事項については,規則に定めることが適当である。

目次へ


資料

 千葉県公文書公開審査会委員名簿
氏名 職業等 備考
岩間昭道 千葉大学教授
岡部文彦 弁護士
鶴岡清 千葉日報社取締役名誉相談役
鶴岡稔男 千葉家庭裁判所家事調停委員 委員長
藤井俊夫 千葉大学教授

 審査会の審議経過等
開催年月日 審議事項等
第1回 平成12年4月28日 諮問書の受理及び審議
  1. 条例の目的
  2. 実施機関の範囲
  3. 請求権者の範囲
  4. 対象となる文書
第2回 平成12年5月31日 審議
  1. 非公開事項(情報)の範囲
  2. 請求及び決定手続
第3回 平成12年6月16日 審議
  1. 公開の方法
  2. 手数料(費用負担)
  3. 公文書公開審査会の機能
第4回 平成12年7月14日 審議
  1. 手数料(費用負担)
  2. 情報提供施策と情報公開制度の総合的推進
  3. 文書の管理
  4. 条例の名称
  5. 意見調整及び答申案の検討
第5回 平成12年7月26日 審議
  1. 答申案の検討

 

目次へ


 千葉県公文書公開条例

昭和63年3月28日
千葉県条例第3号

(目的)

第1条  この条例は、県民の公文書の公開を請求する権利を明らかにするとともに、公文書の公開に関し必要な事項を定めることにより、県民の県政に対する理解と信頼を深め、県政の公正な運営の確保と県民参加による行政の一層の推進を図ることを目的とする。

(定義)

第2条  この条例において「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、人事委員会、地方労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会及び公営企業管理者をいう。

2  この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は収受した文書、図画及び写真(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。)であつて、決裁、供覧等の手続が終了し、実施機関が管理しているものをいう。

(解釈及び運用)

第3条  実施機関は、県民の公文書の公開を請求する権利を十分尊重してこの条例を解釈し、運用するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

(適正使用)

第4条  この条例の定めるところにより公文書の公開を受けたものは、これによつて得た情報を適正に使用しなければならない。

(公開を請求することができるもの)

第5条  次の各号に掲げるものは、実施機関に対して公文書の公開を請求することができる。

(1)県内に住所を有する個人及び県内に主たる事務所を有する法人その他の団体

(2)前号に掲げるもののほか、県内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

(公開を請求することができる公文書)

第6条 前条の規定により公開を請求することができる公文書は、昭和63年4月1日以後に実施機関の職員が職務上作成し、又は収受した公文書とする。

(公開請求の手続)

第7条 第5条の規定により公開を請求しようとするものは、実施機関に対して次の各号に掲げる事項を記載した請求書を提出しなければならない。

(1)氏名及び住所(法人その他の団体にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2)第5条第2号に掲げるものにあつては、そのものの県内に有する事務所又は事業所の名称及び所在地)

(3)公開を請求しようとする公文書を特定するために必要な事項

(4)前各号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

(公開請求に対する決定等)

第8条 実施機関は、前条に規定する請求書を受理したときは、当該請求書を受理した日から起算して15日以内に、請求に係る公文書を公開するかどうかの決定をしなければならない。

2 実施機関は、前項の決定をしたときは、前条に規定する請求書を提出したもの(以下「請求者」という。)に対し、速やかに、書面により当該決定の内容を通知しなければならない。

3 実施機関は、第1項の規定により公開する旨の決定をしたときは、当該公開をする日時及び場所を前項の書面に記載しなければならない。

4 実施機関は、第1項の規定により公開しない旨の決定をしたときは、その理由を第2項の書面に記載しなければならない。この場合において、当該理由が消滅する期日をあらかじめ明らかにすることができるときは、その期日を同項の書面に記載しなければならない。

5 実施機関は、やむを得ない理由により第1項に規定する期間内に同項の決定をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、当該期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに、書面により当該期間を延長する理由及び当該決定をすることができる期日を請求者に通知しなければならない。

(県以外のものの意見の聴取等)

第9条 実施機関は、公開しようとする公文書に県以外のものに関する情報が記録されているときは、あらかじめ当該県以外のものの意見を聴くことができる。

2 実施機関は、前項の規定により県以外のものの意見を聴いた場合において当該公文書を公開するときは、あらかじめその旨を当該県以外のものに通知しなければならない。

(公開の方法)

第10条 公文書の公開は、公文書を閲覧に供し、又は公文書の写しを交付して行うものとする。

2 実施機関は、公文書を公開することにより当該公文書が汚損され、又は破損されるおそれがあると認められるときその他相当の理由があるときは、前項の規定にかかわらず、当該公文書の写しを閲覧に供し、又はその写しを交付することにより公文書の公開を行うことができる。

(公開しないことができる公文書)

第11条 実施機関は、次の各号の一に該当する情報が記録されている公文書については、公開しないことができる。

(1)法令及び条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより、公開することができない情報

(2)個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であつて特定個人が識別され、又は識別され得るもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

イ法令等の定めるところにより、何人でも閲覧することができる情報

ロ実施機関が作成し、又は収受した情報で、公表を目的としているもの

ハ法令等に基づく許可、免許、届出等の際に実施機関が作成し、又は収受した情報で、公開することが公益上必要であると認められるもの

(3)法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であつて、公開することにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上若しくは事業運営上の地位に不利益を与え、又は社会的信用を損なうと認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

イ事業活動によつて生じ、又は生ずるおそれがある危害から人の生命、身体及び健康を保護するために、公開することが必要であると認められる情報

ロ違法又は不当な事業活動によつて生じ、又は生ずるおそれがある支障から人の財産及び生活を保護するために、公開することが必要であると認められる情報

ハイ又はロに掲げる情報に準ずる情報であつて、公開することが公益上必要であると認められるもの

(4)公開することにより、人の生命、身体、財産及び社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報

(5)国、他の地方公共団体又はその他の公共団体(以下「国等」という。)からの協議、依頼等に基づいて実施機関が作成し、又は収受した情報であつて、公開することにより、国等との協力関係又は信頼関係が損なわれると認められるもの

(6)実施機関(知事及び公営企業管理者を除く。)、県の執行機関の附属機関及びこれらに類するもの(以下「合議制機関等」という。)の会議に係る審議資料、会議録等の情報であつて、公開することにより、合議制機関等の公正又は円滑な議事運営が著しく損なわれると認められるもの

(7)県又は国等の事務事業に係る意思形成過程において、県の機関内部若しくは機関相互間又は県と国等との間における審議、協議、調査研究等に関し、実施機関が作成し、又は収受した情報であつて、公開することにより、当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい支障が生ずると認められるもの

(8)実施機関が行う交渉、取締り、立入検査、監査、争訟、入札、試験等の事務事業に関する情報であつて、当該事務事業の性質上、公開することにより、実施機関と関係者との信頼関係が損なわれると認められるもの、当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の実施の目的が失われるおそれがあるもの又は当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の公正若しくは円滑な執行に著しい支障が生ずると認められるもの

(部分公開)

第12条 実施機関は、公開しようとする公文書に、前条各号の一に該当する情報とそれ以外の情報とが併せて記録されている場合において、同条の規定により公開しないことができる情報に係る部分とそれ以外の部分とを容易に、かつ、当該公文書の公開を受けようとする趣旨を損なわない程度に分離できるときは、当該公開しないことができる情報に係る部分を除いて当該公文書を公開しなければならない。

(不服申立てがあつた場合の手続等)

第13条実施機関は、第8条第1項の規定による決定について、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)に基づく不服申立てがあつた場合は、当該不服申立てを却下する場合及び当該不服申立てに係る公文書を公開しない旨の決定を取り消す場合を除き、速やかに、千葉県行政組織条例(昭和32年千葉県条例第31号)に基づき設置された千葉県公文書公開審査会(以下「審査会」という。)に諮問しなければならない。

2実施機関は、前項の規定による諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重して、速やかに、当該不服申立てに対する決定又は裁決を行わなければならない。

3審査会は、必要があると認めるときは、不服申立人、実施機関の職員その他の関係人に対し、その出席を求めて説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。

4審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(申出による公開)

第14条 実施機関は、第5条の規定により公開を請求することができるもの以外のものから第6条に規定する公文書の公開の申出があつた場合は、これに応ずるよう努めなければならない。

2 実施機関は、第6条に規定する公文書以外の公文書の公開の申出があつた場合は、これに応ずるよう努めなければならない。

(他の制度との調整)

第15条 この条例は、他の法令等(千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号)を除く。)に基づき公文書の閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本、抄本等の交付の手続が定められている場合における当該公文書については、適用しない。

2 この条例は、県の文書館、図書館、博物館その他の施設において、県民の利用に供することを目的として管理している公文書であつて、一般に閲覧させ、又は貸し出すことができるものについては、適用しない。

(目録等の作成等)

第16条 実施機関は、公文書を検索するための目録等を作成し、一般の利用に供するものとする。

(実施状況の公表)

第17条 知事は、毎年1回、実施機関における公文書の公開の実施状況を取りまとめ、これを公表するものとする。

(情報の提供)

第18条 実施機関は、公文書の公開と併せて、県民に必要な情報の提供を行うよう努めなければならない。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。

附則

(施行期日)

1 この条例は、昭和63年10月1日から施行する。

(千葉県行政組織条例の一部改正)

2

附則

(施行期日)

1 この条例は、平成5年10月1日から施行する。(後略)

目次へ


 千葉県公文書公開条例第11条第2号又は第3号に該当する情報について公開の特例を定める条例

平成9年12月19日
千葉県条例第31号

(目的)

第1条この条例は、千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号。以下「公開条例」という。)第11条第2号又は第3号に該当する情報のうち実施機関の事務事業をより明らかにするために必要な情報を公開することとする特例を定めることにより、県民の県政に対する理解と信頼を一層深めることを目的とする。

(公開条例第11条第2号に該当する情報についての公開の特例)

第2条 公開条例第11条第2号の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する情報(公開することにより、当該個人の権利利益が不当に侵害されるおそれがあると認められるものを除く。)は、公開するものとする。

(1)実施機関の職員の職務の遂行に係る情報に含まれる当該実施機関の職員の所属名及び職の名称その他職務上の地位を表す名称(以下「職名等」という。)並びに氏名

(2)実施機関の経費のうち食糧費の支出を伴う懇談会、説明会等に係る情報に含まれる出席者の所属団体名、所属名及び職名等並びに氏名

(公開条例第11条第3号に該当する情報についての公開の特例)

第3条 公開条例第11条第3号の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する情報(公開することにより、当該法人その他の団体又は当該事業を営む個人の権利利益が不当に侵害されるおそれがあると認められるものを除く。)は、公開するものとする。

(1)実施機関の経費のうち食糧費の支出に係る債権者の名称又は氏名及び主たる事務所の所在地

(2)実施機関の経費のうち一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金に対する使用料及び賃借料の支出に係る債権者の名称又は氏名及び主たる事務所の所在地

(公開条例第11条各号に規定する他の非公開情報に係る規定との関係)

第4条 前2条の規定により公開条例第11条第2号又は第3号の規定にかかわらず特に公開するものとする情報が同条各号(第2号及び第3号を除く。)のいずれかに該当する情報である場合には、当該情報を公開しないことができる。

附則

(施行期日)

この条例は、平成10年4月1日から施行する。

(適用)

この条例は、この条例の施行の日以後に決裁、供覧等の手続が終了した公文書(支出負担行為その他債務を負担する行為に関連する行為に係る公文書にあっては、当該支出負担行為その他債務を負担する行為について同日以後に決裁を終了したものに係る公文書)について適用する。

目次へ

 

よくある質問

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課情報公開班

電話番号:043-223-4630

ファックス番号:043-227-7559

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?