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更新日:平成29(2017)年3月29日

放射線の基礎知識

よくある質問

質問

放射線ってどんなものがあるの?

回答

電荷を持っている粒子のα線やβ線、電荷を持たない粒子の中性子線、光や電波の仲間のX線やγ線があります。
また、電子の加速して利用する電子線というものもあります。
この中で病院の検査で使われるのは主にX線とγ線です。

質問

放射線ってどうやって作るの?

回答

病院のレントゲン検査で使うX線は、真空管に高圧電流を流して、発生させます。
いわゆる放電管です。
その他の、α、β、γ線は、放射性物質から放射されるものを利用します。

質問

それぞれの特徴は?

回答

α線
プラスの陽子2個と電荷を持たない中性子2個が結びついた、比較的重い粒子でプラスの電荷を持っています。重いため、ほかの原子にぶつかってもそれほど進路を変えず、ほぼ直線的に飛びます。
物質に多くのエネルギーを与え、浴びると影響が大きいが、紙一枚で防ぐことができます。
空気中では、数センチ程度しか飛べません。

β線
電子の集まりで、中身は同じものです。では、どこが違うかといえば、放射性物質からでるものをβ線、機械を利用して、人工的に発生させるものを電子線としています。
マイナスの電荷を持つ電子の流れなので、比較的軽く物質に当たると、あちこちに方向を変えて散乱します。
あまり検査には利用しませんが、一部の放射線治療に利用されています空気中では、エネルギーによっては数メートル飛ぶものもあります。

γ線
原子核から発生する電磁波です。
光や電波と同じものでアイソトープ検査でよく利用されます。
遮蔽には、コンクリートや鉛などを使います。

X線
正体はγ線と同じ電磁波で、発生の仕方で区別されています。
1895年にドイツのレントゲン博士によって発見され、正体の分からない光線という意味でX線と名付けられました。
それ以来、医療の発展に貢献し、現在ではなくてはならないものとなりました。

中性子線
電荷を持たず、プラスの陽子や、マイナスの電子に影響されずに直進します。
人体に対する影響も大きく、遮蔽も難しい放射線です。
検査等には、利用されません。

質問

放射線を浴びるとどんな影響があるの?

回答

放射線は、完全に安全なものではありません。
みなさんも知ってるとおり、1999年、東海村で、臨界事故が起こり我が国初の放射線障害による犠牲者がでてしまいました。
しかし、よく言われることですが、きちんと管理された放射線は、それほど危険なものではありません。
大切なのは、放射線は、使い方によっては危険なものになり得るという、基本的なことを忘れないことです。
では、放射線を浴びるとどんな影響があるのでしょう。
よく言われるのは、放射線を浴びるとガンになるということです。これは本当なんでしょうか?
確かに、放射線を浴びると、ガンになる可能性が高くなるのは本当のようです。
しかし、浴びたから必ずガンになるというわけではありません。そして、全く放射線を浴びていない人も、ガンになる可能性が、ゼロというわけでもありません。
詳しくは下の【被爆について】をご覧になってください。

被曝について

障害の現れ方でもいくつかに分類できます。

障害が現れるまでの期間による分類

急性障害

被曝してから数日から数週間以内に起きる障害。
白血球減少、脱毛、放射線宿酔などがあります。

晩発障害

数年から数十年たってから起きる障害。
発ガン、白内障などがあります。

線量と障害の関係による分類

確定的影響

ある線量を浴びると必ずその障害が発生する。この境界となる線量を閾値という。
このしきい値のある障害。
この障害は、閾値以下の被曝では障害は発生しない。
また、浴びた線量によって、重症度が変わる。
白内障、脱毛、不妊などがあります。

確率的影響

放射線を被曝することによって障害の発生する確率が上昇する。
この障害には、閾値はありません。
また、この障害は、全く浴びていない人でも、障害に発生する確率はゼロではない。
また、浴びた線量に重症度は影響されない。
発ガン、白血病、遺伝的影響などがあります。

急性障害の例

放射線の量(ミリシーベルトmSv)

症状

250以下

医学的検査で症状は認められない

250

白血球が一時減少するしきい値

500

白血球が一時減少し、やがて回復

1000

吐き気、嘔吐、リンパ球著しく減少

1500

50%の人は、放射線宿酔

2000

5%の人が死亡

4000

30日以内に50%の人が死亡

6000

2週間以内に90%の人が死亡

7000

100%の人が死亡

閾値の例

組織

影響

放射線線量

急性被曝(Gy※)

慢性被曝(Gy/年)

皮膚

紅斑

5

-

水疱

20

-

潰瘍

50

-

精巣

一時不妊

0.15

0.4

永久不妊

3.5~6.0

2.0

卵巣

永久不妊

2.5~6.0

>0.2

水晶体

水晶体の混濁

0.5~2.0

>0.1

白内障視力障害

5.0

0.15

Gyは、被曝量の単位ではありませんが、X線の場合、1Gy=1Svと考えてよい。つまり、1Gy=1000mSv。

法令における被曝限度

放射線は、たくさんの法律によって規制されています。放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律(放射線障害防止法)、電離放射線障害防止規則、医療法などに、放射線に関する規制等がかかれています。
これらの法律には、被曝限度の値がありますが、これらの値は、確定的影響を完全に防止し、かつ、確率的影響の発生を容認できるレベルに制限するための値として設けられています。

部位

線量限度

職業被曝

公衆被曝

全身

50mSv/年

1mSv/年

目の水晶体

150mSv/年


皮膚

500mSv/年


検査と被曝量(推定値)

検査

部位

診断一件あたりの被曝線量(mSv)

撮影

頭部

0.13

胸部

0.065

胃部

2.0

注腸

3.2

腰椎

1.5

膀胱

1.9

股関節

0.32

X線CT

頭部

0.042

胸部

0.47

腹部

0.23

通常の検査などでは、健康に影響が出るほどの被曝は考えられません。ですから、安心して検査を受けてください。それでも心配な方は、遠慮なく医者や放射線技師に質問してください。