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更新日:令和2(2020)年6月4日

いちごの定植後から着果期までの管理について

1.はじめに

近年は定植後の気温が高い年が多く、平成28年までの過去10年の10月の気温は、平成18年までの過去10年に比べ上昇しています。温度が上昇することで、乾燥による生育不良や2番果房の開花遅れ、炭疽病やハダニの発生、といった問題が発生しやすくなります。特に周年被覆下の施設での栽培は定植後の気温が高くなりやすく、安定した生産にはかん水、温度管理、病害虫防除が重要となります。

2.かん水

(1)定植直後~活着まで

定植後から活着まで最低1週間はクラウン部と畝を乾燥させないことが重要です。定植後は日中の高温時を避け、1日2~3回散水します。クラウン部を湿潤状態で維持することで一次根の発生を促し、畝を湿潤状態にすることで一次根の伸長と細根の発生を促すとともに、気化熱による畝表面の温度低下が期待できます。畝表面の温度低下によりクラウン部周辺の温度を下げることにつながり2番果房の花芽分化を促します。

定植後7日目頃に定植時の葉より大きめの葉が展開し始めれば活着は順調といえます。

(2)活着以降

活着後も細根の発生や2番果房の分化を促すため、畝表面が乾きすぎないようかん水を行います。一方であまり多く水を与えると徒長するため、1回のかん水量は少なく、回数を多くする少量多回数のかん水が理想です。チップバーンが発生しやすい品種では、pF1.7を目安に2~3日間隔でのかん水がチップバーンの発生防止に有効です。(pF値は土壌水分の状態を示すもので、pF値が高いほど含水量は少ない。)

表.かん水間隔がチップバーン発生に及ぼす影響

かん水目安

マルチ前のかん水間隔

マルチ後のかん水間隔

葉のチップバーン発生株率

がく片のチップバーン発生株率

pF1.7

2日

3日

6%

0%

pF2.1

6日

8日

41%

16%

注1)品種「チーバベリー」、平成25年9月25日定植、11月5日マルチ

2)調査期間は平成25年10月25日から11月29日まで

3.温度管理

定植後は2番果房の分化を促すため換気に努め、日中の温度上昇を抑えます。保温の開始は、屋根張り替えの栽培の場合2番果房が分化した10月20日頃とされていましたが、平成28年のように10月上旬の気温が高い年では、2番果房の花芽分化が遅れることがあるため保温開始の適期も遅くなります。また、周年被覆下での栽培では、日中の温度が屋根張り替えの栽培と比べ上昇しやすいため、2番果房の分化遅れに特に注意が必要になります。

保温開始が早すぎた場合、地上部の生育が旺盛になりすぎて地下部とのバランスが崩れることや、2番果房の花芽分化が遅れるなどの問題が発生しやすく、最終的には収穫期の成り疲れや中休みの発生が懸念されます。

屋根張り替え、周年被覆下での栽培ともに、側窓を閉め保温開始する時期を決めるためには2番果房の花芽分化を検鏡により確認することが重要となります。

保温開始以降は日中25~28℃を目安に換気を行い、収穫開始期の草丈の目安を「チーバベリー」の場合23cm、「とちおとめ」の場合25cm、「紅ほっぺ」の場合35cm程度となるよう管理します。

収穫開始時の姿

図.収穫開始時の姿(チーバベリー)

4.病害虫防除

気温が高温で推移すると、10月以降も炭疽病株の発生が懸念されます。発病株の早期発見に努め、周辺株への感染の拡大を防ぐため、発見後は抜き取って圃場の外へ持ち出して処分します。

ハダニは近年天敵のカブリダニを利用した防除が普及していますが、効果的に天敵を利用するためには天敵やミツバチへの影響日数を考慮しながら、天敵を導入する前に薬剤等で徹底防除しておくことが重要となります。

初掲載:平成29年6月

農林総合研究センター

野菜研究室

上席研究員

深尾聡

電話:043-291-0151

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所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

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