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更新日:令和2(2020)年4月3日

可給態リン酸が診断基準値を超える砂質土のハウストマト栽培では、リン酸施肥が削減できる

1.はじめに

全国的にリン酸の土壌蓄積が問題となっています。千葉県においても、特に九十九里低地等に広がる砂質土の野菜施設において、8割の施設で可給態リン酸含量(土壌から植物が吸収できるリン酸量)が診断基準値(乾土100グラム当たり50~100ミリグラム)を超過していることが明らかになっています。そこで、土壌の健全化と施肥コスト削減を目的に、土壌に蓄積したリン酸を有効活用して施肥するリン酸を減量する試験を行ったので紹介します。

2.栽培概要

可給態リン酸の診断基準値である乾土100グラム当たり100ミリグラムを超えた127ミリグラムの砂質土を、黒ボク土のハウスに60センチメートル上乗せ客土して試験を行いました。

(1)トマトの栽培期間及び供試品種

  • 1)1作目半促成:2012年11月21日~2013年6月21日(穂木:ハウス桃太郎、台木:ドクターK)
  • 2)2作目抑制:2013年8月5日~11月8日(ハウス桃太郎、自根栽培)
  • 3)3作目半促成:2013年11月28日~2014年6月11日(穂木:ハウス桃太郎、台木:ドクターK)
  • 4)4作目抑制:2014年8月5日~12月11日(桃太郎グランデ、自根栽培)

(2)試験区

  • 1)基肥及び追肥のリン酸がともに施肥基準量(半促成:基肥10アール当たり26キログラム、追肥8キログラム、抑制:基肥15キログラム、追肥3キログラム)の区(100-100区)
  • 2)基肥のみ基準の半量の区(50-100区)
  • 3)基肥のみ無施用の区(0-100区)
  • 4)基肥及び追肥とも無施用の区(0-0区)

いずれの試験区も窒素及び加里は施肥基準量とし、堆肥は施用しませんでした。

3.トマトの収量

総収量は半促成栽培が10アール当たり10.9~13.4トン、抑制栽培が3.7~6.5トンとなり、リン酸無施用で4作続けて栽培した0-0区でも減収しませんでした(図1)。果実糖度は、リン酸無施用で4作続けて栽培した0-0区は他試験区と差がありませんでした(図2)。生育及び可販収量も、同様にいずれの作においても減少しませんでした(データ省略)。

図1トマトの総収量

図2トマトの果実糖度

4.土壌の可給態リン酸含量の変化

深さ0~10センチメートルの土壌中の可給態リン酸は、3作目半促成栽培後までは試験区間に差はなく、リン酸減肥による影響は認められませんでした(データ省略)。4作目抑制栽培後では、0-100区及び0-0区がそれぞれ乾土100グラム当たり63ミリグラム及び66ミリグラムとなり、100-100区の91ミリグラムに比べて少なくなりました(図3)。リン酸を基肥無施用、あるいは基肥、追肥ともに無施用でトマト栽培を4作続けることにより、可給態リン酸が減少し、診断基準値内となりました。

図3深さ0-10センチメートルの可給態リン酸含量

5.おわりに

土壌の可給態リン酸が診断基準値を超える砂質土では、リン酸無施肥でトマトを4作続けて栽培しても、総収量及び可販収量は低下せず、生育に悪影響はありませんでした。そして4作リン酸無施用後には、深さ0~10センチメートルの可給態リン酸は、施肥基準量のリン酸を施用した場合に比べて減少し、診断基準値内となりました。生育・収量をおとさずにリン酸を減肥することは、肥料コストの低減だけでなく、土壌を健全に保つために重要です。ただし、リン酸減肥が減収を招かないように、土壌分析を行い、その結果に基づいて減肥の可能性を判断する必要があります。

初掲載:平成29年4月
農林総合研究センター
土壌環境研究室
研究員塚本崇志

電話:043-291-9990

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