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更新日:令和2(2020)年4月8日

秋冬どりブロッコリーにおける連続収穫に適した品種構成と定植遅延時の対応技術

1.はじめに

秋冬どりブロッコリーは、栽培が比較的容易なことから、作付面積が拡大しています。しかし、稲刈りとの作業競合や天候不良により定植作業が遅れると、現在使われているセル成型苗では苗の活性が低下して生育の不揃い、収穫時期の遅延、それに伴って発生する低温による腐敗などによって収量や品質が低下するリスクがあります。

そこで、平成25~27年度に東総地域で行った、11~2月収穫に適した品種の選定結果と、定植が遅れた苗の生育促進技術を紹介します。

2.11月~2月収穫の適品種

ブロッコリーは、花蕾がふくらみすぎると商品価値がなくなる収穫適期幅の短い作物です。また、前述したようにセル成型苗では適期に定植ができないと収量・品質に大きな影響が出ます。そのため、11月から2月の長期間にわたって連続収穫を行うためには、8月中に早晩性の異なる品種を数回に分けて播種する必要があります。

11月収穫では、花蕾の肥大が早く、収穫時期のそろいが良い「おはよう」(サカタのタネ)や「アーサー」(ブロリード)が適しています。どちらも、12月中旬以降は凍結による花蕾部の腐敗が多くなるので、12月上旬までに収穫を終えるようにします。

12月収穫では、寒さが強まることから、凍結による腐敗などの発生が少ない「美緑408」(野崎採種場)、「むつみ」(ブロリード)、「美緑410」(野崎採種場)が適しています。しかし、いずれの品種も、花蕾が紫色に着色するアントシアンが発生するため、アントシアンの発生が助長される気温の低い地域での栽培や窒素切れには注意が必要です。

東総地域より寒い地域や1月以降に収穫する場合、低温でも花蕾が肥大し、アントシアンの発生がなかった「クリア」(ブロリード)、「ウィンタードーム」(サカタのタネ)が適しています。これら2品種は栽培期間が長くなることに加えて、厳寒期の収穫となることから、12月以前の薬剤による病害の防除や追肥を行うことがより重要です。

これら適品種の栽培暦を表1に示しました。品種は、栽培する地域の気象条件に合わせて選定することが重要です。東総地域と異なる気象条件の地域では、表1を参考にして、試験的に栽培を行ってから導入してください。

表1.11月~2月収穫ブロッコリーの収穫時期別適品種
品種 播種期 定植期 収穫期
おはよう 8月上中旬 9月上中旬 11月上旬~下旬
アーサー 8月上中旬 9月上中旬 11月上旬~12月上旬
美緑408 8月中旬 9月中旬 11月中旬~12月中旬
むつみ 8月中旬 9月中旬 11月中旬~1月上旬
美緑410 8月中旬 9月中旬 11月下旬~1月上旬
クリア 8月中下旬 9月中下旬 12月中旬~2月中旬
ウィンタードーム 8月中下旬 9月中下旬 12月中旬~2月下旬

3.定植が遅れた時の生育促進技術

秋冬どりブロッコリーは、定植が5日遅れると収穫は20日以上遅れるなど、定植・活着の遅れが収穫時期や品質に大きく影響します。そこで、定植が遅れたセル成型苗の生育促進技術として、養分の溶出が遅い緩効性被覆肥料(マイクロロングトータル-280、40日タイプ)を定植直前に施用する方法を確立しました。養分が根鉢周囲に溶出することで活着がよくなり、溶出速度が遅いため濃度障害による枯死のリスクも低減できます。かん水し培養土を湿らせ、葉が乾いた後に、緩効性被覆肥料を1株あたり1g程度ばら撒きします(写真1)。これにより、収穫のそろいが良くなり、収量が向上します(表2)。

セルトレイに施用した肥料

写真1.セルトレイ上に施用した緩効性被覆肥料

注)白い粒が緩効性被覆肥料(マイクロロングトータル)

 

表2.定植が遅れた苗への緩効性被覆肥料の施用効果
試験区 播種日 播種・
定植日
調査株数 収穫期間 花蕾腐敗株数 形状不良株数 芯止まり株数 可販花蕾重(g) 可販
収量(t/10a)
無処理 8月17日 9月24日 36 12月28日~1月12日 0 4 2 287 1.37
被覆肥料施用 8月17日 9月24日 34 12月28日~1月8日 1 1 1 380 1.81
対照 8月17日 9月14日 35 12月14日~12月17日 0 0 0 413 1.97

注1)平成27年度に試験実施

2)育苗培養土は「与作N8号」を、品種は「むつみ」(ブロリード)を使用
3)本圃への施肥成分量は窒素:リン酸:加里=13.2:18.8:12.0(kg/10a)
4)対照は適期定植をしたもの

 

初掲載:平成29年5月

農林総合研究センター

水稲・畑地園芸研究所

東総野菜研究室

研究員

竹内大造

電話:0479-57-4150

 

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お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

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