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更新日:令和2(2020)年8月12日

稲WCSを活用した自給飼料型TMRセンターの取組

1.はじめに

TMRセンターは、酪農家の給餌作業の軽減と飼料費の節減が期待され、酪農経営の支援策として注目を集めています。

香取市では、地域で生産された稲ホールクロップサイレージ(以下、稲WCS)やコーンサイレージを活用して、自給飼料活用型TMR(TotalMixedRation:完全混合飼料)を製造するファームサポートかとり株式会社(以下、FSK)が稼働して7年が経過しました。

FSKは、飼料を製造するTMRセンター機能と、自給飼料を栽培収穫するコントラクター機能を兼ね備え、現在は、TMRセンターとして酪農家10名に向け、460頭分の乳牛のエサづくりを、コントラクター機能として6名の酪農家から60ヘクタールの作業受託を行っています。

2.TMRセンター・コントラクター設立の経過

香取市で稲WCS生産が本格化した平成20年頃、「稲WCSを利用するなら、思い切ってTMRセンターを整備し、コーンサイレージや濃厚飼料といった全ての飼料を混合すれば、個々の酪農家の給餌作業の負担を軽減できるのではないか」とのアイディアから、その可能性を探るTMR研究会が酪農家15名で発足しました。

研究会メンバーは、県内外の多くのTMR施設の視察や、関係機関と検討を重ね、自分たちの目指すTMRセンター構想を固めていきました。平成25年6月に方向性が一致した5名の酪農家でファームサポートかとり株式会社を設立し、TMRとコントラクター事業を開始しました。

3.飼料費削減と稲WCS茎葉型専用品種の導入

平成20年当時から現在まで、酪農経営では飼料費が生産コストの最大要因であり、飼料費削減は、酪農家にとって継続する重要な課題です。香取市で流通する稲WCSは輸入飼料と比較すると一年間一定価格で安価ですが、稲WCSで飼料費を削減するためには、全給与飼料中に占める稲WCSの割合を高くする必要があり、稲WCSを1日1頭当り8キログラム以上給与する必要がありました。

しかし、食用品種を使った稲WCSは、モミ割合が高く、多給すると胃腸障害が発生します。そこで、この問題解決のため使用品種を検討した結果、香取市の令和元年稲WCS作付面積250ヘクタールの内、モミの割合が少ない茎葉型品種の「リーフスター」「たちあやか」「たちすずか」が97パーセントを占めるようになりました。この茎葉型品種を使って、FSKでは稲WCSの割合を高めたTMRを製造しています。

4.TMRセンターでの製造上の工夫と導入効果

FSKでは、稲WCSやコーンサイレージの自給飼料と濃厚飼料等を専用ミキサーで混合し、TMRを製造しています。混合したTMRは細断型コンビラップを用いて円筒形に成形し、ラッピングして密封し、農家に納品しています。

(1)発酵TMR

TMRはロールベール内で乳酸発酵します。この乳酸発酵により飼料のpHが下がり、乳酸だけでなく防腐効果が高い酢酸も生成することで、開封後空気に接触しても変敗が少なく、特に夏場に飼料のロスが減るとの報告が利用者からされています。

(2)飼料設計は、利用農家が決定

FSKのTMRは酪農家ごとのオーダーメイドです。酪農家個々の牛群毎に設計されたメニューに従って、TMRを配合します。これによって、酪農家によってTMRが合う合わないといった問題は発生しにくくなっています。また、刈遅れなどの低品質なロールベール(稲WCS・コーンサイレージ)があった場合は、品質の良い別のロールベールと組み合わせて混合することで、品質を平均化して製造する工夫がなされています。

(3)自給飼料品質の向上

TMR原料のうち自給飼料は、原則としてそれぞれの酪農家の持ち込みですが、1か所で飼料を配合することで良い効果が生まれてきました。例えばコーンサイレージですが、自家利用している場合、もし品質が悪くても比較対象が無く、品質の悪さに気付きにくいものです。しかし、FSKで混合する場合は、他の酪農家のサイレージと比較でき、品質の悪さに気付きます。翌年は、コーンの品質を高めるため、新規飼料圃場の確保、適期雑草防除が行われています。

(4)利用農家の効果

TMRを利用した酪農家では、働き方が変わったことで、経産牛40頭規模で、1日当り生乳出荷乳量が25パーセント増加した事例も生まれました。これは、TMR利用により、毎日の餌作りの時間が削減でき、手薄になっていた繁殖管理を充実できた結果だと酪農家は分析しています。

5.将来に向けて

香取地区では、TMRセンターやコントラクター組織が設立され、自給飼料の必要性や将来性が再認識されています。TMRセンターは、中規模の酪農家を支えるシステムとして、今後も酪農家の労力軽減のため利用者の拡大が期待されます。今後、耕作放棄地の増加が懸念される中で、省力的に大面積の栽培ができる飼料作物は、地域の農地を利用できる作物として期待され、飼料作物生産の大部分を担うコントラクターへの期待は大きくなっています。

FSKは、地域の農地と自給飼料生産機械を活用し、自給飼料に立脚した酪農経営を目指していきます。

初掲載:平成29年8月
更新:令和2年8月
香取農業事務所
改良普及課
主任上席普及指導員
菅谷茂
電話:0478-52-9195

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所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

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