ここから本文です。
ホーム > しごと・産業・観光 > 農林水産業 > 農業・畜産業 > 普及・技術 > 千葉県農業改良普及情報ネットワーク > フィールドノート履歴一覧 > フィールドノート平成28年 > サツマイモの貯蔵による変化とポイント
更新日:令和元(2019)年8月7日
ページ番号:7379
近年、サツマイモは、ほくほくとした食感の「ベニアズマ」、ねっとりとした食感の「べにはるか」、「シルクスイート」などさまざまな品種が栽培されています。これらのサツマイモは貯蔵することにより、甘さや食感が変化します。
今回は貯蔵による食味の変化や貯蔵のポイント、貯蔵方法についてご紹介します。
図1.サツマイモ食味マップ(ベニアズマ及びべにはるか)
注)マーカー内の数字は分析月を示す。分析月と貯蔵期間の関係は以下の通り。10月:貯蔵期間1週間、11月:1か月、12月:2か月、2月:4か月、4月:6か月、6月:8か月
出展:千葉県農林水産技術会議「新品種活用による産地育成を目指したサツマイモの高品質生産技術・販売促進支援の手引き」
サツマイモは貯蔵することで、デンプンがショ糖などに変化します。このことにより甘味が増し、食感もホクホクからしっとり、しっとりからねっとりへと変化します。品種や貯蔵時期によってサツマイモの食味は大きく変わります。
サツマイモの貯蔵で重要なのは、温度と湿度を一定に保つことです。以下の点に気をつけて貯蔵をしましょう。
また、貯蔵に適したサツマイモの条件は以下の通りです。
貯蔵方法 |
特徴 |
---|---|
溝穴貯蔵 |
畑などに油圧ショベルなどを使用し、横幅約1メートル、深さ約1.5メートルの溝穴を掘り、その中に貯蔵します。安価に設置ができますが、貯蔵する位置が浅いため外気温の影響を受けやすく、貯蔵中の傷みが発生することがあります。 |
ハウス簡易貯蔵 |
パイプハウスを遮光し、内部に保温資材で囲った枠を作りその中に貯蔵します。安価で導入することができ、作業もしやすいのが特徴です。しかし、温湿度管理が難しく、厳寒期の低温による傷みが発生することがあります。 |
ハウス地下貯蔵 |
パイプハウス内に作った地下室に貯蔵します。ハウス簡易貯蔵よりも温湿度の管理が容易です。入り口をスロープにするなどの工夫により作業性を向上させることができます。但し地下室での貯蔵のため、台風や豪雨等による浸水の危険があります。 |
室内簡易貯蔵 |
物置などの建物内に貯蔵する方法です。温湿度を維持するために断熱材の吹き付けや換気扇などを設置します。作業性は良いですが、こまめな温湿度管理(換気扇の稼働、床面への散水等)が必要です。 |
専用貯蔵庫 |
冷蔵装置を設置した貯蔵庫に貯蔵します。断熱材の吹き付け、不織布の展張により温湿度を保ちます。冷蔵装置がついているため温度管理しやすく、暖かくなる春以降も貯蔵が可能です。また、床面に水を張ることで湿度調節を行います。しかし、設置にかかるコストが高く、設置後も冷凍機の稼働による電気代がかかります。 |
貯蔵方法 |
貯蔵期間 |
温湿度管理 |
作業性 |
設置コスト |
---|---|---|---|---|
溝穴貯蔵 |
3月末まで |
難しい |
悪い |
安価 |
ハウス簡易貯蔵 |
3月末まで |
難しい |
良い |
既存のハウスがあれば安価 |
ハウス地下貯蔵 |
6月末まで |
簡単 |
工夫次第 |
高価 |
室内簡易貯蔵 |
4月末まで |
手間がかかる |
良い |
既存の倉庫があれば安価 |
専用貯蔵庫 |
7月末まで |
簡単 |
とても良い |
高価 |
初掲載:平成28年8月
印旛農業事務所改良普及課
成田グループ
普及指導員
森井智美
(電話:043-483-1124)
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください