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更新日:令和元(2019)年11月18日
ページ番号:343540
長生地域での稲WCS(稲ホールクロップサイレージ)生産は、平成24年に茂原市で初めて行われ、翌年の平成25年には,コントラクター(作業受託組織)による収穫調製作業が始まりました。
輸入飼料が高騰し、安定して安い飼料を確保したい畜産農家と、米価が低迷する中で作業の省力・分散を図り、助成金を活用し所得につなげたい稲作農家が結びつき、その生産面積は急速に拡大しています。今年度は約73ヘクタールになる見込みです。(表1参照)
長生地域では、現在2つのコントラクターが収穫調製作業を行っています。
ここでは、そのうち、昨年から活動を開始した農事組合法人長生WCS生産組合の取組を紹介します。
年度 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28※ |
---|---|---|---|---|---|
生産面積(ヘクタール) | 7 | 11 | 27 | 62 | 73 |
コントラクター数 (作業受託組織) |
0 | 1 | 1 | 2 | 2 |
※H28年度は見込み
長生村では、平成26年には10ヘクタールの稲WCSが生産されていましたが、米価低下が進み、面積をさらに増やしたいとの要望がありました。しかし、長生地域にはコントラクターは1つしかなく、これ以上の作業受託は難しい状況にありました。
そこで、長生村の稲WCSの収穫調製作業を受託するために、若手農業者5人が、農事組合法人長生WCS生産組合を設立しました。
組合員5人のそれぞれの家では、稲作の他にネギ栽培や酪農などの経営をしています。日ごろから担い手同志として交流をしてきており、長生村の農業を魅力あるものにしたいと結集しました。
図1に示すように、長生村では、稲WCS栽培をする稲作農家は、長生WCS生産・出荷協議会に加入します。出荷協議会と(農)長生WCS生産組合が契約をし、収穫調製作業を受託します。できた稲WCSは、酪農家の自家利用を除く全量を、出荷協議会が、茂原市内の飼料会社へ販売します。飼料会社は、長生地域などの畜産農家へ販売しています。また、効率的に稲WCS生産をおこなうため、出荷協議会を中心に、情報収集や意見交換を行いほ場の団地化や専用品種の利用を進めています。
図1長生村の稲WCS生産体制
組合の作業受託面積は、平成27年は約24ヘクタールでした。今年度は約30ヘクタールになる見込みです。組合の所有する機械は表2のとおり、ホールクロップ収穫機を含む5台です。その他の運搬用トラックは組合員の所有する車両を借り上げます。
機械名 | 形式 | 台数 |
---|---|---|
ホールクロップ収穫機 | WB1030DX | 1 |
自走ラップマシーン | SW1120DM | 1 |
リモコンラップマシーン | WM1000RW | 1 |
ホイールローダー(グラブ付) | R530Z | 2 |
1.専用収穫機で稲を刈ります
2.収穫機で形成されたロール
直径1m×高さ1m重さ約300kg
3.ほ場でラップフィルムを巻きつけます
4.フィルムが破れないように運びます
5.保管場所に運び、さらにラップフィルムを巻きつけます
6.ロールを保管場所へ積み上げます
図2作業の流れ
平成27年の受託作業の実績を表3から表5に示しました。
作業は、4人から5人で行っています。1日当たりの収穫面積は平均1.1ヘクタール、約300キログラムのロールを100本生産します。ふさおとめやコシヒカリなどの食用品種を7月14日から8月9日間で13.5ヘクタール、専用品種のたちすずかを9月5日から10月9日の間で10.4ヘクタール収穫しました。
稲WCSの収穫作業を前期と後期にわけ、その中間期の8月中下旬から9月上旬は、それぞれの経営で主食用米の収穫を行っています。
品種 | 収穫面積 | 収穫ロール数 | 10アール当り収穫数 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
食用品種 | 13.5 | ヘクタール | 1,008 | 本 | 74.67 | 本 |
専用品種 | 10.4 | ヘクタール | 1,109 | 本 | 106.63 | 本 |
計 | 23.9 | ヘクタール | 2,117 | 本 | 88.58 | 本 |
区分 | 全期間 | 前期(食用品種) | 後期(専用品種) |
---|---|---|---|
収穫作業期間 | 7月14日~10月9日 | 7月14日~8月9日 | 9月5日~10月9日 |
実作業日数※ | 21.2日 | 11.6日 | 9.6日 |
※午前中の作業を0.4日、午後の作業を0.6日
区分 | 全期間 | 前期 (食用品種) |
後期 (専用品種) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
1日当たり作業者数 | 4.81 | 人 | 4.86 | 人 | 4.75 | 人 |
1日当たり収穫面積 | 1.126 | ヘクタール | 1.123 | ヘクタール | 1.130 | ヘクタール |
1日当たり収穫ロール数 | 99.9 | 本 | 84.1 | 本 | 119.0 | 本 |
(農)長生WCS生産組合
初掲載:平成28年10月
長生農業事務所
改良普及課西部グループ
主任上席普及指導員
伊藤郁子
電話:0475-22-1771
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