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更新日:平成30(2018)年9月26日

ページ番号:7346

最近の水田土壌はどうなっているの

1.はじめに

農林総合研究センターでは、水田や畑などの生産力の維持向上と適正な管理を進めるため、30年以上にわたって農耕地土壌の実態調査を進めています。ここでは、2009~2012年の調査(55地点)から、県内水田の有機物施用と土壌の現状、さらに調査開始当初からの変化を紹介します。

2.県内に広がる水田土壌の特徴

県内の水田土壌は、グライ低地土、灰色低地土及び黒泥・泥炭土の3種類に大きく分けられます。グライ低地土は、地下水位が高く、酸素に乏しい青灰色を呈したグライ層が深さ50cm以内に出てくる湿田です。水田面積の7割を占め、九十九里平野、利根川等の河川沿い、台地が浸食された谷津に広がっています(図1)。灰色低地土は、深さ50cmまでグライ層がなく、土層全体が灰色~灰褐色を呈した乾田です。その面積は全体の2割で、主に県南部の河川沿いの沖積低地に分布します。残りの1割が水生植物の遺体が堆積した有機質からなる黒泥・泥炭土です。九十九里平野の内陸側、印旛沼、手賀沼周辺に分布します。

図1千葉県水田土壌の分布状況
図1千葉県水田土壌の分布状況

3.施肥・有機物施用管理の現状と変化

2009年~2012年の肥料として施用された窒素、リン酸、加里の量は、いずれも平均10a当たり5キログラムで、30年前のおよそ半分に減っています。堆肥やケイ酸資材が施用されている地点の割合は、調査開始当初から1割前後で低く推移しています。一方、9割の水田では稲わらがすき込まれ、30年前の4割から大幅に増えています。稲わらには加里やケイ酸が多く含まれるので、すき込みは、これらの養分を土壌に補給する大きな役割を担っています。

4.土壌の化学性の現状と変化

石灰、苦土、加里は、過去30年間で大きな変化がありませんでしたが、可給態窒素は、最近の20年間で2割の地点が低下していました。2009年~2012年の化学性結果を診断基準値(引用文献)と比較すると、石灰、苦土、加里、可給態リン酸及び可給態ケイ酸は、約5~8割の地点が適正範囲にあります(図2)。しかし、可給態ケイ酸は、約4割の水田で不足しています。とくに、砂質の水田で不足している地点が多い傾向にあります。

図2診断基準の不足、適正及び過剰域にある地点数の割合

図2診断基準の不足、適正及び過剰域にある地点数の割合

5.まとめ

このように、窒素の施肥量が減り、堆肥の利用が進んでいない状況から、養分供給と肥沃度を維持するためには施肥量の見直しや堆肥の利用促進が有効と考えられます。また、ケイ酸には、倒伏予防や光合成能の向上、いもち病等の耐病性を向上させる効果があります。稲わらをすき込んでいない砂質の水田等では、ケイ酸資材施用による効果が期待できます。

引用文献
「主要農作物施肥基準」平成21年3月千葉県23ページ

初掲載:平成27年10月

農林総合研究センター土壌環境研究室
研究員
永沢朋子
電話:043-291-9990

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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