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更新日:平成30(2018)年8月23日

ページ番号:7343

難防除雑草の生態と対策

主に塊茎から発生する難防除雑草はダラダラと長期間にわたって発生するため、初中期一発剤だけでは防除しきれません。雑草の生態を知り、発生時期にあわせて的確な除草剤を選択し、体系防除を行う必要があります。また、塊茎の寿命が長いので、体系防除を複数年継続して行う必要があります。

1.コウキヤガラ

写真1コウキヤガラ
写真1.コウキヤガラ
※コウキヤガラに効果の高い除草剤について表1を参照。

  1. 生態
    千葉県では3月中旬から塊茎より親株が発生し、代かき時には草丈が20センチメートル程度に成長している株も見られます。親株から地下茎で分株して増殖し、新しい塊茎は主に分株の基部に7月の始めから形成され始め、稲刈り時には地上部は枯死しています。
  2. 防除のポイント
    稲刈り後は地上部が枯死しているため秋季防除が不可能であるため、イネの生育期間中に防除する必要があります。
    イネ移植前の既発生株は土中に埋没すると枯死するので、代かきは浅水で丁寧に行います。
    代かきから移植までの期間が7日以上ある場合は、代かき後に初期剤を散布し、移植約2週間後に初中期一発剤または中期剤を散布する体系防除を行います。
    代かきから移植までの期間が7日未満の場合は、移植後直ぐに初期剤を散布し、その約15日後に初中期一発剤または中期剤を散布するか、コウキヤガラの草丈が10センチメートルに満たないうちに初中期一発剤を散布し、その約1か月後に中期剤を散布する体系防除を行います。
    移植後40~45日頃に残草がある場合は、後期剤で防除します。

2.オモダカ

写真2オモダカ
写真2.オモダカ
※オモダカに効果の高い除草剤について表2を参照。

  1. 生態
    塊茎は0.5~1センチメートルと大型で休眠性があります。大きい塊茎は地表下20センチメートルの深さでも出芽します。代かき後30日前後が発生盛期で、8月上旬に発生終期となります。新しい塊茎は伸びた地下茎の先に9月中旬頃から形成され始めます。
  2. 防除のポイント
    代かき後30日前後が発生盛期となるため、初期剤と初中期一発剤または中期剤、もしくは初中期一発剤と中期剤の体系防除を行います。
    初期剤または初中期一発剤はオモダカの発生初期(矢尻葉抽出前)までに早めに散布し、中期剤は矢尻葉3葉期までに散布します。
    移植後45~50日頃に残草がある場合は、さらに後期剤で防除します。
    また、圃場の水持ちなど除草剤の効果を阻害する要因が無く、移植後45~50日頃に残草が多い場合は、スルホニルウレア(SU)抵抗性個体注)による残草である可能性が考えられます。次年度以降はSU系以外の効果の高い成分が配合された初中期一発剤と後期剤の体系防除をおこないます。
    稲刈り後は、早期の耕うんや非選択性除草剤の散布で、来年の発生元となる塊茎の形成を阻害します。
    注)スルホニルウレア(SU)抵抗性個体:水稲用除草剤の主要成分の系統のひとつである、スルホニルウレア系化合物(SU剤)で本来防除可能であった草種の中から出現した、SU剤に抵抗性を示す個体のことです。オモダカ以外にも、ホタルイ、コナギ、アゼナ類、ミゾハコベ、キカシグサ等でSU抵抗性個体が確認されています。

3.クログワイ

写真3クログワイ
写真3.クログワイ
※クログワイに効果の高い除草剤について表3を参照。

  1. 生態
    千葉県では5月上旬から塊茎より親株が発生します。親株は代かき後70日~75日に発生盛期となり、10月下旬まで発生が続きます。親株から地下茎を介して分株し、増殖します。9月上旬から地下に多数の塊茎を形成し、耕盤の下の深さ30センチメートルにも形成します。
  2. 防除のポイント
    4月上中旬移植の場合は、移植からクログワイの発生が始まるまでに約1か月の間隔があるため、移植後初期に発生してくる雑草を初期剤で防除し、クログワイの発生が始まる移植後25日前後に中期剤を散布し、さらにイネの有効分げつ終止期から幼穂形成期前までに後期剤を散布します。
    4月下旬以降の移植の場合は、クログワイ発生後、草丈が10センチメートル以下のうちに初中期一発剤を散布し、その約1か月後に中期剤または後期剤を散布します。
    稲刈り後は、早期の耕うんや非選択性除草剤の散布で、来年の発生元となる塊茎の茎形成を阻害します。

表1コウキヤガラに効果の高い除草剤(例)

防除効果の高い
有効成分(例)
防除効果の高い有効成分が含まれ登録のある除草剤の商品名(例)
初期剤 初中期一発剤 中期剤 後期剤
ペントキサゾン 草笛フロアブル
サキドリEW
シンウチEW
トップガンGT1キロ粒剤等    
ピラクロニル ピラクロン1キロ粒剤
兆1キロ粒剤
バッチリ1キロ粒剤
ビクトリーZ1キロ粒剤メガゼータ1キロ粒剤
銀河1キロ粒剤
   
プロピリスルフロン   ゼータワン1キロ粒剤
ビクトリーZ1キロ粒剤
メガゼータ1キロ粒剤等
   
メタゾスルフロン*   ツインスター1キロ粒剤
銀河1キロ粒剤
ツインスター1キロ粒剤
 
ピリミスルファン   ヤイバ1キロ粒剤
ベストパートナー1キロ粒剤
アトトリ1キロ粒剤  
ハロスルフロンメチル*     ハイカット1キロ粒剤
サンパンチ1キロ粒剤
 
ベンタゾン       バサグラン液剤
グラスジンMナトリウム液剤

注1)農薬登録内容は2015年8月現在。
注2)農薬使用の際は登録内容及び使用上の注意を守って使用すること。
注3)水田で農薬を使用する場合は、薬効の確保と河川等への流出を防止するため、7日間は落水や「かけ流し」をしないこと。また、農薬散布前に畦畔の漏水対策を講じ、止水期間の用水供給時には細心の注意を払うこと。
注4)初期剤の水稲移植前の使用時期は、「植代時から移植前4日まで」から「植代時から移植前7日まで」に変更された(2012年8月変更)。
注5)成分名の右上に*が付いているものはスルホニルウレア系成分を示す。

表2オモダカに効果の高い除草剤(例)

防除効果の高い
有効成分(例)
防除効果の高い有効成分が含まれ登録のある除草剤の商品名(例)
初期剤 初中期一発剤 中期剤 後期剤
ベンゾフェナップ ユニハーブフロアブル パンチャー1キロ粒剤
   
ピラクロニル ピラクロン1キロ粒剤
兆1キロ粒剤
バッチリ1キロ粒剤
ビクトリーZ1キロ粒剤
メガゼータ1キロ粒剤
コメット1キロ粒剤
銀河1キロ粒剤
ゲットスター1キロ粒剤
   
テフリルトリオン   エーワン1キロ粒剤
ボデーガード1キロ粒剤
コメット1キロ粒剤
ゲットスター1キロ粒剤
   
プロピリスルフロン   ゼータワン1キロ粒剤
ビクトリーZ1キロ粒剤
メガゼータ1キロ粒剤
   
メタゾスルフロン   ツインスター1キロ粒剤
コメット1キロ粒剤
銀河1キロ粒剤
ツインスター1キロ粒剤  
ピリミスルファン   ヤイバ1キロ粒剤
ベストパートナー1キロ粒剤
アトトリ1キロ粒剤  
ハロスルフロンメチル*     ハイカット1キロ粒剤
サンパンチ1キロ粒剤
 
ベンタゾン       バサグラン液剤

注1)農薬登録内容は2015年8月現在。
注2)農薬使用の際は登録内容及び使用上の注意を守って使用すること。
注3)水田で農薬を使用する場合は、薬効の確保と河川等への流出を防止するため、7日間は落水や「かけ流し」をしないこと。また、農薬散布前に畦畔の漏水対策を講じ、止水期間の用水供給時には細心の注意を払うこと。
注4)初期剤の水稲移植前の使用時期は、「植代時から移植前4日まで」から「植代時から移植前7日まで」に変更された(2012年8月変更)。
注5)成分名の右上に*が付いているものはスルホニルウレア系成分を示す。

表3クログワイに効果の高い除草剤(例)

防除効果の高い
有効成分(例)
防除効果の高い有効成分が含まれ登録のある除草剤の商品名(例)
初期剤 初中期一発剤 中期剤 後期剤
ペントキサゾン 草笛フロアブル
サキドリEW
シンウチEW
トップガンGT1キロ粒剤
フォーマット1キロ粒剤
   
ピラクロニル ピラクロン1キロ粒剤
兆1キロ粒剤
バッチリ1キロ粒剤
ビクトリーZ1キロ粒剤
メガゼータ1キロ粒剤
コメット1キロ粒剤
銀河1キロ粒剤
   
ベンフレセート   パンチャー1キロ粒剤
ザーベックスSM1キロ粒剤
ザーベックスDX1キロ粒剤
 
プロピリスルフロン   ゼータワン1キロ粒剤
ビクトリーZ1キロ粒剤
メガゼータ1キロ粒剤
   
メタゾスルフロン*   ツインスター1キロ粒剤
コメット1キロ粒剤
銀河1キロ粒剤
ツインスター1キロ粒剤  
ピリミスルファン   ヤイバ1キロ粒剤
ベストパートナー1キロ粒剤
アトトリ1キロ粒剤  
ハロスルフロンメチル*     ハイカット1キロ粒剤
サンパンチ1キロ粒剤
 
ベンタゾン       バサグラン液剤
グラスジンMナトリウム液剤

注1)農薬登録内容は2015年8月現在。
注2)農薬使用の際は登録内容及び使用上の注意を守って使用すること。
注3)水田で農薬を使用する場合は、薬効の確保と河川等への流出を防止するため、7日間は落水や「かけ流し」をしないこと。また、農薬散布前に畦畔の漏水対策を講じ、止水期間の用水供給時には細心の注意を払うこと。
注4)初期剤の水稲移植前の使用時期は、「植代時から移植前4日まで」から「植代時から移植前7日まで」に変更された(2012年8月変更)。
注5)成分名の右上に*が付いているものはスルホニルウレア系成分を示す。

農薬は初掲載(平成27年9月)時点の登録内容をもとに作成しています。農薬の使用に当たっては、ラベル及び最新の登録内容を確認し、安全に使用してください。

初掲載:平成27年9月

農林総合研究センター水稲・畑地園芸研究所
水稲温暖化対策研究室
上席研究員
宇賀神七夕子
電話:043-292-0016

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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