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更新日:平成30(2018)年8月23日

ページ番号:7335

地床アールス系メロン半促成栽培におけるえそ斑点病抵抗性優良品種(第62回千葉県野菜品種審査会)

1.はじめに

県内のアールス系メロン産地では、難防除土壌病害であるメロンえそ斑点病対策として、抵抗性品種が導入されていますが、果形が乱れる、ネットの品質が劣るなどの問題点が、以前から指摘されています。そこで、第62回千葉県野菜品種審査会(アールス系メロンの部)において、品質に優れる抵抗性品種を選定したので、入賞品種の特性を紹介します。

2.第62回千葉県野菜品種審査会(アールス系メロンの部)審査結果

平成26年6月25日に開催された品種審査会(アールス系メロンの部)に出品された13品種のうち、果形の乱れがなく、ネットの品質(密度、盛上り、揃い)が良好で、糖度が高い等の特性を有した、「UA-212」(現「ソナタ初秋系」、横浜植木株式会社)、「MKS-M510」(みかど協和株式会社)、「14AF50」(横浜植木株式会社)、「MGE58」(現「ビセンス春秋系」、株式会社神田育種農場)の4品種が入賞しました。

3.入賞品種の果実特性

(1)「UA-212」(現「ソナタ初秋系」、横浜植木株式会社)
定植後30日の葉数は、対照品種の「ソナタ春秋系」(現地慣行品種)より多くなります。11~16節の雌花着生率は8割程度でやや低くなりましたが、雌花が着生した結果枝を選ぶことで、着果に問題はありません。また、落果や裂果の発生は少ない品種です。1果重は、対照品種とした「ソナタ春秋系」が約2.7キログラム、「雅早春晩秋309」が約2.4キログラムと、いずれも大玉になりすぎる中で、「UA-212」は1果重が約2.1キログラムであり、出荷に適するサイズです。果実はほぼ球形で、果形は良好です。ネットの密度、盛上り、揃いともに「ソナタ春秋系」を上回り、外観品質が非常に優れています。うるみ果の発生はなく、糖度と食味は「ソナタ春秋系」と同程度です。
以上のことから、「UA-212」は「ソナタ春秋系」より果形及びネットの外観品質が優れ、食味も良好であることから、6月下旬収穫の作型に適する有望な品種と考えられます。

写真1「UA-212」の果実
写真1「UA-212」の果実

(2)「MKS-M510」(みかど協和株式会社)
定植後30日の葉数は、「ソナタ春秋系」よりやや少なくなります。雌花の着生は非常に良好で、落果は極めて少なく、裂果の発生もわずかです。1果重は約2.1キログラム、果形は球形で良好です。ネットの密度、盛上り、揃いともに「ソナタ春秋系」より優れます。うるみ果の発生は少ないですが、糖度は14.0度と若干低く、食味がやや劣ります。
以上のことから、「MKS-M510」は外観品質が優れているものの、6月下旬収穫の作型では葉の展開がやや遅く、糖度もやや低いことから、気温・日照条件が良く、初期生育と糖度の改善が見込める7月収穫の作型に適すると考えられます。

写真2「MKS-M510」の果実
写真2「MKS-M510」の果実

(3)「14AF50」(横浜植木株式会社)
定植後30日の葉数は、「ソナタ春秋系」よりやや多く、雌花の着生は良好です。落果は少ないですが、収穫が遅れると裂果が多くなります。1果重は約2.7キログラムと大果で、果形はわずかに縦長の球形で、良好です。大果にもかかわらずネットの発生は良好で、密度、盛上り、揃いともに「ソナタ春秋系」より優れています。果肉が厚く、糖度は15.0度で、食味は優れています。
以上のことから、「14AF50」は果実の肥大がよく、果形が乱れず外観品質が優れることから、大玉嗜好の直売向けの生産に適すると考えられます。一方、裂果が発生しやすいことから、交配後50日を過ぎたら糖度の上昇を確認し、早めに収穫する必要があります。
写真3「14AF50」の果実
写真3「14AF50」の果実

(4)「MGE58」(現「ビセンス春秋系」、株式会社神田育種農場)
定植後30日の葉数は、「ソナタ春秋系」よりやや少なく、平均節間は短くなります。雌花の着生は良好で、落果は少なく、裂果の発生もわずかです。1果重は約2.3キログラムで、果実はほぼ球形ですが、わずかながら果形の乱れ(果面の波打ち)を生じます。ネットの発生は他の入賞3品種よりやや劣るものの、参考品種の「ソナタ春秋系」と同程度に優れています。糖度は16.2度と高く、食味は「雅早春晩秋309」と同等に極めて良好です。
以上のことから、「MGE58」は外観品質が「ソナタ春秋系」と大差ないが、より糖度が高く食味が良好なことから、6月下旬収穫の作型に適する有望な品種と考えられます。一方で、果形の乱れを防ぐためには、玉伸びする時期にかん水管理に注意する必要があると考えられました。
写真4「MGE58」の果実
写真4「MGE58」の果実

4.おわりに

今回の審査会で入賞した4品種は、メロンえそ斑点病抵抗性を有するとともに、外観品質又は食味が「ソナタ春秋系」と同等以上に優れています。今後これらの品種が現地に普及することで、本病の発生を防ぎつつ、高品質な地床アールス系メロンの生産が可能になると期待されます。なお導入に当たっては、この結果を参考に各産地で試作し、適応性の評価が必要です。

初掲載:平成27年7月

農林総合研究センター暖地園芸研究所
野菜・花き研究室
上席研究員
久保周子
電話:0470-22-2962

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

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