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更新日:平成30(2018)年4月10日

ページ番号:7323

野菜施設土壌の実態と改善対策

1.はじめに

千葉県では、農耕地土壌の生産力の維持向上と保全及び適正な管理を進めるため、30年以上にわたり農耕地土壌の実態調査を行っています。ここでは県内畑土壌の特徴とともに、2009~2012年の4年間に行った調査結果による最近の野菜施設土壌の現状を紹介します。

2.県内に分布する畑土壌の特徴

県内の畑土壌は、大きく3種類に分けられます。その1つが畑面積の約7割を占める黒ボク土です。黒ボクは火山灰が起源で、県北部の下総台地に分布しています。軽く、水分と養分の保持力は大きいですが、リン酸固定力が強いのでリン酸肥料が効きにくい特徴があります。2つ目が、約2割を占め、九十九里低地や利根川沿い等の沖積低地に分布する褐色低地土です。主に砂質で、黒ボク土に比べて水や養分の保持力が小さい土壌です。残る1割未満の面積が、県南部の丘陵地帯に分布する褐色森林土です。主に粘質で水はけは悪いですが、石灰や苦土を多く含みます。

3.野菜施設土壌の実態

県内の野菜施設土壌における面積割合の多い黒ボク土と褐色低地土について、化学性の調査結果を診断基準値(千葉県主要農作物施肥基準平成21年3月 23ページ)と比較します。
pHの平均は、黒ボク土が6.4、褐色低地土が6.5です(表1)。

表1.施設土壌における黒ボク土と褐色低地土の化学性の平均値2009~2012年

土壌 調査
地点数
pH

CEC
(me/100グラム)

石灰 苦土 加里 陽イオン飽和度(%) 可給態リン酸(ミリグラム/100グラム)

(ミリグラム/100グラム)

黒ボク土

6

6.4

40

540

250

151

88

185

褐色低地土

15

6.5

16

341

93

77

116

380

個別の地点では、黒ボク土は5.5~6.5の範囲にある地点と6.5以上の地点が半数ずつあります。褐色低地土では半数が6.5以上で、高い地点が多くなっています(図1、図2)。
図1施設土壌における化学性診断基準値との比較(黒ボク土)

図1.施設土壌における化学性診断基準値との比較(黒ボク土)
注)pHは5.5未満を不足、5.5~6.5を適正、6.5以上を基準以上と区分した

図2施設土壌における化学性診断基準値との比較(褐色低地土)

図2.施設土壌における化学性診断基準値との比較(褐色低地土)
注)pHは5.5未満を不足、5.5~6.5を適正、6.5以上を基準以上と区分した

苦土及び可給態リン酸(土壌100グラム当たり)の平均値は、黒ボク土ではそれぞれ250ミリグラム及び185ミリグラムで、これらの養分が過剰域にある地点が7割以上となっています。褐色低地土では、それぞれ93ミリグラム及び380ミリグラムであり、これらの養分が過剰域にある地点はそれぞれ6割及び8割です。いずれの土壌においても、石灰は適正域にある地点が多いですが、苦土とリン酸は過剰域にある地点が多く、石灰、苦土、加里及びリン酸が不足域にある地点は少ないことがわかります。このように、リン酸の固定力が高い黒ボク土においても、既にリン酸が過剰な地点が多く見られます。

4.改善対策

野菜施設では、この30年間で施肥量は減る傾向にありますが、土壌の養分は過剰に蓄積しています。土壌におけるリン酸の過剰な蓄積は、病害の発生を助長するとも指摘されています。診断基準値を超えているハウスではリン酸の減量を進めるとともに、豚ぷんや鶏ふん堆肥のように、リン酸を多く含む堆肥の施用を控える対策が必要です。また、石灰は適正域、苦土は過剰な地点が多いことから、pHが高い施設土壌では苦土を含む資材の施用を控えましょう。

 

初掲載:平成27年4月

農林総合研究センター
土壌環境研究室
研究員
永沢朋子
電話:043-291-9990

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

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