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更新日:平成30(2018)年1月30日

ページ番号:7315

イチゴの土耕ベッドを利用したメロンの間作技術

1.はじめに

イチゴの促成栽培では、収穫が終わった5月から定植が始まる9月まで圃場が空いています。この期間を利用して、イチゴの土耕ベッドでメロンを間作することができます。ここでは、メロン栽培のポイントについて紹介します。

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図1.イチゴの土耕ベッドを利用したメロンの間作体系

2.メロンの間作技術

(1)適品種

「TLタカミ」(公益財団法人園芸植物育種研究所)、「肥後グリーン」(松井農園株式会社)、「レノン」(タキイ種苗株式会社)など、つる割病とうどんこ病に抵抗性を持ち、耐暑性が強く、大果で高糖度の品種が適しています。

(2)育苗及び定植

3月上~中旬にセルトレイに播種し、温室内で暖房または電熱温床を利用して地温を20℃以上に保ちます。育苗20~25日で本葉2枚の定植苗が育成できます。
土耕ベッドに2条植えで栽培しているイチゴ株のうち、片側1条を3~5株に1株の割合で間引いて植え穴を作り、メロンの苗を定植します。その後、化成肥料を株当たり窒素成分量で0.1グラムずつ株元に施用します。

(3)生育中の管理

メロンは立ち作り栽培とし、親づる1本仕立ての2果収穫とします。子づるは11節目まで摘除し、12~15節目の雌花が着生している子づるを4本残します。親づるは、着果節位から上位10~12枚の葉を残し、25節前後で摘心します。
かん水は、イチゴ用のかん水チューブをそのまま利用します。ハウス内の気温は、引き続きイチゴに合わせて日中22~25℃、最低7~8℃で管理します。


写真1.生育中の状況


図2.メロンの整枝方法
注)葉上の数字は親づるの節位を示す

(4)交配と着果後の管理

イチゴ交配用のミツバチをそのまま利用して、5月上~中旬にメロンを交配します。天候の悪い日はミツバチの動きが鈍いので、午前中に手作業で交配を行います。
果実はやや縦長で肥大が良いものを2果選んで残し、ニワトリの卵程度になったら玉吊りを行います。最上位節の子づるを1本残して切り戻しながら管理することで、収穫期まで草勢を強く保つことができます。株間のイチゴは収穫が終わり次第、ベッドを崩さないように地上部を刈り取って処分します。
メロンは土耕ベッド内に残っている肥料を吸収するため、基本的に追肥は必要ありませんが、葉色が淡い場合には液肥をかん注します。イチゴ栽培終了後のハウス内の気温は、35℃を超えないように管理します。

(5)病害虫防除

本作型における病害虫の発生は軽微ですが、アブラムシ、ハダニ、うどんこ病が発生したら早めに防除します。イチゴにハダニがいるとメロンへ拡がることがあるため、メロンの定植前に防除しておくことが重要です。
イチゴの栽培で使用している硫黄くん蒸器をメロンの栽培にも引き続き使用することで、ハダニやうどんこ病の発生を抑制できます。イチゴとメロンを同時に栽培している期間に薬剤散布する場合は、両作物に登録・適用のある農薬のみが使用でき、収穫前日数に留意する必要があります。

(6)収穫

交配後53~58日頃に収穫となります。結果枝先端の葉の黄化と、果梗部の離層形成が収穫適期の目安となります。
館山市のイチゴ圃場で栽培した「TLタカミ」、「肥後グリーン」、「レノン」の果実特性を表1に示します。果重2キログラム前後の大果で、糖度は約15度と高く、商品性の高い果実が得られました。

表1.イチゴ土耕ベッドで間作したメロンの果実特性

品種

収穫日

交配後日数

1果重
(グラム)

縦径
(センチメートル)

横径
(センチメートル)

果肉厚
(ミリメートル)

糖度

食味

TLタカミ

7月3日

54

1,765

15.5

14.6

41.0

15.3

3.8

肥後グリーン

7月10日

58

2,036

16.2

15.3

41.8

15.6

3.6

レノン

7月13日

59

2,008

15.7

15.3

46.8

14.5

3.4

注1)3月4日播種、3月28日定植、株間96センチメートル、栽植密度は10アール当たり733株、施肥量は窒素成分量で10アール当たり0.1キログラム
注2)食味は、優れる:5~、劣る:1として評価した


写真2館山市のイチゴ圃場におけるメロン栽培

(7)収穫後の管理

収穫後は速やかにメロンの株を片づけて秋のイチゴ栽培に向けて土壌消毒を行います。消毒期間は太陽熱消毒で1か月間、土壌消毒剤(クロルピクリンなど)による消毒で2週間が必要です。

3.おわりに

イチゴの土耕ベッドを利用したメロンの間作では、市場出荷や直売向けの生産に加え、観光メロン狩りも可能です。
本作型では、(a)大果・高糖度で商品性の高いメロンが得られる、(b)イチゴ栽培用の資材(マルチ、かん水チューブ、ミツバチ、硫黄くん蒸器など)をメロン栽培にそのまま利用できる、(c)土壌消毒期間を確保できるので秋のイチゴ栽培に支障が出ない、(d)ベッド内に残っている肥料を利用できるので慣行のメロン栽培よりも減肥できる、(e)季節的に病害虫の発生が少ない、など多くのメリットがあります。
今後、イチゴ圃場を利用したメロンの生産が県内に広く普及することを期待します。

初掲載:平成27年1月

農林総合研究センター暖地園芸研究所
研究員
水野真二
電話:0470-22-2962

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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