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更新日:平成30(2018)年6月7日

種子籾の予措や育苗で注意したいこと

1.予措を徹底して発芽を揃える

揃った良い苗を作るには「種子籾の予措を着実に」実施することが大切です。

そのためには「計画的な準備」と「作業上の注意事項の確認」に心がけましょう。

(1)選種(塩水選)

塩水選は購入種子には不要ですが、自家採種の場合は優良種子確保のために必須の作業です。

うるち米は比重1.13、もち米は1.08の食塩水に種子籾を入れ、沈んだ種子籾だけを栽培に使用します。塩水選後は種子籾をよく水洗いします。

(2)種子消毒

いもち病、ばか苗病などの種子伝染性病害を予防します。

これらの病気に登録のある薬剤による消毒(例:「ヘルシードTフロアブル」200倍希釈液に24時間浸漬)や温湯消毒等を行ないます。スターナ剤は「もみ枯細菌病」と「褐条病」で耐性菌が確認されているので使用を控えましょう。

薬液量は、種子籾量に対して1対1以上の「たっぷり」にします。

(3)浸種

種子籾を発芽させるための準備作業です。

浸種水温は10~15℃を保ちます。

2~3日間は水を替えず、4日目以降は酸素供給と発芽抑制物質の除去のため水の交換に努めます。

(4)催芽

浸種後の籾を一斉に出芽させるために、30℃の水温でハト胸状態(芽が1mm程度出た状態)になるまで行います。

2.育苗期に発生しやすい病害・障害

育苗の失敗原因には病害だけでなく生理的な障害もあります。予防のためにも、主な病害・障害の症状や原因を知っておきましょう。

(1)ムレ苗

生理障害による萎凋症状で、床土に水分があっても葉が巻きます。

5℃以下の低温や日中30℃以上の高温、高pHの床土で発生しやすくなります。

(2)焼け

育苗ハウス内の温度が高くなり過ぎると(43℃以上)発生します。

昼間のハウス換気に努め、被覆資材の選択や温度管理に注意します。

写真1_苗の焼け

写真1_苗の焼け

(3)細菌病

苗箱に坪枯れが発生します。「苗立枯細菌病」、「もみ枯細菌病」、「褐条病」などがあります。

高温で発生しやすく、発生後に治療する薬はありません。細菌病に登録のある薬剤で予防するとともに育苗期の高温に注意します。

写真2_もみ枯細菌病による坪枯

写真2_もみ枯細菌病による坪枯れ

(4)カビ

白・ピンク・緑色などのカビが発生して苗が枯れます。菌の種類によって発生原因は異なります。

播種時の薬剤灌注等(例:「ダコレート水和剤」400~600倍液を1箱当たり0.5リットル灌注)で予防するとともに、温度管理を徹底して防ぎます。

写真3_育苗培土に発生したカビ

写真3_育苗培土に発生したカビ

3.温度管理の重要性

種子籾の予措や育苗で最も注意を要するのは、温度管理です。季節外れの低温や高温で様々なトラブルが発生しやすいので注意します。

温度管理を確実にするには温度計を「正しく」使いましょう。

浸漬桶や育苗箱の培土の中など「種子籾に接する部分」の温度を測らないと意味がありません。温度計の設置状況も確認してみてください。

表1_作業工程による温度の目安と留意点・対策

工程

温度

温度管理等の留意点

対策

種子消毒

薬液温度10~15℃

10℃以下で発芽率や微生物農薬の効果が低下することがある。

気温の低下が予測される時は、保温に努める。

温湯消毒は60℃で10分間

温湯消毒で種子籾袋内部の湯温が十分に上昇せず、確実な消毒効果を得られないことがある。

温湯消毒では種子籾袋中の湯温を確認する。

浸種

水温10~15℃

積算温度100℃を目安

水温が10℃を下回ると発芽率が低下することがある。

20℃以上で細菌性病害が発生しやすい。

置き場所を工夫する。

気温の低下が予測される時は、保温に努める。

催芽

水温30℃

33℃以上の高温に遭遇すると出根しないことがある。

温度を確認する。

加温出芽

30℃で約48時間

 

 

育苗

無加温出芽

昼20~30℃

夜10~20℃

低温によって出芽が遅延しやすく、カビや生育ムラが生じやすい。

出芽の目安は5日。

床土温度の確認、雨天後の換気を行う。

遮光資材を利用する。

緑化

昼20~25℃

夜10~20℃

急激な温度変化や直射日光に弱い。

高温で焼けや細菌性病害が発生しやすい。

硬化

昼20~25℃

夜5~10℃

高温により徒長しやすい。

極端な低温では奇形やしおれが生じる。

土の乾き具合に応じ、朝1回灌水する。

4.その他の留意点

(1)播種量

厚まきは徒長苗など軟弱な苗の原因になるので望ましくありません。

育苗箱1箱当り乾籾で130g~150gを播いて、がっちりした苗を育てます。

(2)被覆資材

様々な種類の被覆資材があります。育苗時期に応じて保温性や遮光性などが適したものを選びましょう。

表2を参考にそれぞれの資材の特徴に適合した使い方をしてください。

表2_被覆資材の種類と留意点

被覆資材

加温

保温

遮光

留意点

ビニールフィルム

 

-

晴天時の床土温度上昇は激しいので、高温になり過ぎないよう注意する。

緑化期は遮光資材と併用し、日中は除去する。

ラブシート(又は寒冷紗)

 

 

通気性がある。

出芽期~緑化期はビニールフィルムと併用する。

健苗シート

 

 

地温が上昇しやすく保温に優れる。

シルバーポリトウ#80

 

 

 

地温が上昇しやすく芽は早く出揃うが、「焼け」に要注意。

アルミ蒸着シート(太陽シートなど)

 

微光を通し、熱は通さず(遮熱効果)、焼け防止に良い。

アルミ部の磨耗による「焼け」に注意する。

加温:〇上がりやすい、△上がりにくい
保温:〇下がりにくい、△下がりやすい
遮光:〇遮光率が高い、△遮光率が低い

注)遮光率は商品によって異なるので、購入時に確認すること。

初掲載:平成26年3月

長生農業事務所改良普及課
普及指導員
篠田千冬
(電話:0475-22-1771)

よくある質問

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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