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更新日:平成30(2018)年4月11日

トマト葉かび病菌新レースの発生と葉かび病防除対策

1.トマト葉かび病菌新レース発生

トマト葉かび病は施設栽培における重要病害であり、トマトの葉裏に茶褐色のビロード状の密生したかびを発生させ(写真1)、病徴が進展すると葉が枯死するため、収量が大幅に減少します。本菌は様々なレースに分かれているため、生産現場では発生レースに対応したトマト葉かび病抵抗性の品種導入が進んでいます。これまでに県内ではレース0のほか、少なくともレース2、4.11、4.9.11の発生が確認されています。特にレース4.9.11は平成19年に発生が確認された新たなレースであり、最新の葉かび病抵抗性遺伝子Cf-9を持つ品種を侵すことから県内各地で問題となっています。市販品種の中には抵抗性遺伝子が公表されていないものが多いため、現地では栽培する品種の選定に苦慮しています。そこで、トマト及びミニトマト市販品種の葉かび病菌新レース4.9.11に対する抵抗性について明らかにしました。併せて総合的な葉かび病防除対策について紹介します。


写真1_葉かび病の症状

2.レース4.9.11に抵抗性を持つ品種

抵抗性遺伝子が公表されていない市販品種を中心に選定し、それぞれに新レース4.9.11の菌を接種し、接種後20日までの葉かび病の発病状況を調査しました。

その結果、トマト品種「麗容」、「ごほうび」、ミニトマト「ちびっこ」は、レース4.9.11に対して抵抗性を持つことがわかりました(表)。しかし、ミニトマトの「ちびっこ」は家庭園芸用の品種であり、今回調査したミニトマト営利栽培用品種の中に新レースに抵抗性を持つ品種は見つかりませんでした。そのため、新レースが発生している地域では総合的な防除対策をとる必要があります。

表_トマト市販品種の新レース4.9.11に対する抵抗性

種類 品種名 種苗メーカー 葉かび病抵抗性
遺伝子
レース4.9.11菌に
対する発病の有無
トマト ハウス桃太郎 タキイ種苗 なし 発病
りんか409 サカタのタネ 不明 発病
麗容 サカタのタネ 不明 発病しない
ごほうび サカタのタネ 不明 発病しない
ミニトマト 千果 タキイ種苗 なし 発病
キャロル10 サカタのタネ 不明 発病
アイコ サカタのタネ 不明 発病
ちびっこ 丸種 不明 発病しない

3.トマト葉かび病の総合的防除

1.耕種的防除法

葉かび病菌は、土壌中や施設内のビニールなどに残存し一次伝染源となり感染します。このため、病害に侵された茎葉や整枝後の残渣を圃場の外に持ち出し施設内の病原菌密度を減らします。また多湿条件で発生しやすいことから、マルチによる土壌水分の蒸発を抑制する、ハウス内の通気、換気により圃場内の湿度を下げます。肥料切れは発病を助長するため、適正な肥培管理を行い樹勢を維持することも大切です。

2.薬剤防除法

葉かび病は、感染してから病斑が見られるようになるまで約2週間の潜伏期間があるため、病斑を確認してから防除を開始しても発生拡大を抑えることが難しいです。そのため、予防重視の薬剤防除を行うことが大切です。また、胞子(写真2)は気孔から侵入するため、薬剤が葉の裏に十分かかるよう散布することが重要です。葉かび病に対して治療効果の高い薬剤アミスター20フロアブルやトリフミン水和剤、ゲッター水和剤は耐性菌の発生が報告されていることから、ダコニール1000やペンコゼブフロアブルなどの予防薬剤を活用し、ローテーション散布を行い薬剤耐性菌の出現を防ぐことが大切です。特にミニトマトはトマトに比べて登録薬剤が少ないため、薬剤耐性菌の出現に対する配慮が必要です。

※農薬は初掲載(平成26年11月)時点の登録内容をもとに作成しております。農薬の使用にあたっては、ラベルおよび最新の登録内容を確認し、安全に使用してください。



写真2_葉かび病菌の胞子

 

初掲載:平成26年11月

農林総合研究センター
病理昆虫研究室
研究員
國友映理子
(電話:043-291-9991)

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お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2912

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