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更新日:平成30(2018)年4月12日

さつまいも線虫害に対する対抗植物と「べにはるか」の導入効果

はじめに

さつまいもの主産地では、形状不良や減収を招く線虫害の発生が問題となっています。さつまいもは連作されることが多いため、土壌中のネコブセンチュウ密度が高まった圃場では、農薬による防除だけでは対応が難しい状況にあります。ここでは、農薬に頼らない線虫対策として、土壌の深い層まで防除効果の期待できる対抗植物と、ネコブセンチュウに強いさつまいも品種「べにはるか」とを組み合わせた「耕種的な防除法」を紹介します。

1.対抗植物の導入効果

対抗植物とは土壌中の有害な線虫を減らす効果を持つ植物のことです。イネ科のギニアグラスやマメ科のクロタラリアなど様々な草種があります。ネコブセンチュウに汚染された圃場に対抗植物を栽培すると、農薬に比べて土壌のより深い層までネコブセンチュウを減らす効果があります(図1)。

図1_対抗植物による圃場のネコブセンチュウ低減効果

図1_対抗植物による圃場のネコブセンチュウ低減効果


1)対抗植物はギニアグラスを用いた
2)「ベニアズマ」栽培では、ネマトリンエース粒剤による線虫防除を行った

この対抗植物の導入によって、翌年のさつまいも栽培では、農薬に頼らず線虫害を防ぐことができます(写真1-1、1-2)。

写真1-1_対抗植物によるサツマイモの線虫害抑制効果_対抗植物栽培後の「ベニアズマ」(農薬による線虫防除なし)

写真1-1
対抗植物によるさつまいもの線虫害抑制効果
対抗植物栽培後の「ベニアズマ」(農薬による線虫防除なし)

写真1-2_対抗植物によるサツマイモの線虫害抑制効果_連作圃場の「ベニアズマ」(農薬による線虫防除あり)

写真1-2
対抗植物によるさつまいもの線虫害抑制効果
連作圃場の「ベニアズマ」(農薬による線虫防除あり)

2.ネコブセンチュウに対する「べにはるか」の特性

「べにはるか」は、ねっとりした食感の甘味の強い品種です。県内では4年前に普及が始まり、年々作付けが増えています。ネコブセンチュウに対しては、「ベニアズマ」と異なり連作しても線虫害を受けにくい特性があります。ただし、土壌中のネコブセンチュウは「ベニアズマ」に比べれば増殖が遅いものの、連作すればその密度は高まります(図2)。

図2_さつまいも連作による品種別の線虫被害いも率と栽培後のネコブセンチュウ頭数

図2_さつまいも連作による品種別の線虫被害いも率と栽培後のネコブセンチュウ頭数


1)ネコブセンチュウ頭数は、栽培後に深さ0~20cmで採取した土壌20g当たりの頭数
2)両品種とも、ネマトリンエース粒剤を各作に使用

3.対抗植物と「べにはるか」とを組み合わせた線虫防除法

一般的には「さつまいも線虫害に対する対抗植物の効果は後作さつまいも1作目まで」とされていますが、対抗植物の翌年に「ベニアズマ」、その翌年に「べにはるか」の順でさつまいもを栽培すれば、農薬に頼らなくてもさつまいもの線虫害を2作続けて防げます(図3)。

図3_作付順序の違いによる線虫被害いも率と栽培後のネコブセンチュウ頭数

図3_作付順序の違いによる線虫被害いも率と栽培後のネコブセンチュウ頭数


1)ネコブセンチュウ頭数は、栽培後に深さ0~20cmで採取した土壌20g当たりの頭数
2)対抗植物には、ギニアグラスを用いた
3)サツマイモは、農薬による線虫防除なし

この作付順序の場合「対抗植物の効果」によって、線虫に弱い「ベニアズマ」でも被害を防げます。栽培後に土壌中のネコブセンチュウは増えますが、2作目の「べにはるか」で被害を受けにくい品種特性を生かすことができます。

一方、「べにはるか」→「ベニアズマ」の作付順序では、「べにはるか」であっても栽培後には土壌中のネコブセンチュウが増えるため、2作目の「ベニアズマ」で線虫害の発生が見られます。

さつまいも栽培における複数年の作付体系の中に、対抗植物と「べにはるか」を組み合わせた線虫防除法を導入し、線虫害を抑制しましょう。

初掲載:平成26年2月

農林総合研究センター
北総園芸研究所畑作園芸研究室
研究員
高野幸成
(電話:0478-59-2100)

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