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更新日:平成30(2018)年4月11日

葉タマネギの鮮度保持技術

1.はじめに

葉タマネギは、タマネギを結球前に若どりする早春の食材で、九十九里沿岸の地域で生産・出荷されています。量目を減らして買いやすい内容量にする産地関係者の取組に合わせて、包装形態の違いによる鮮度保持の改善効果を明らかにしたので紹介します。

2.葉タマネギの流通特性

青果物は収穫後も生き続けるため、蒸散や呼吸によってしおれたり、体内に蓄積した栄養分を消耗して鮮度が低下します。野菜は品目により日持ちが様々ですが、呼吸量の多少がその目安になります。主な野菜と比較すると、葉タマネギの呼吸量は20℃で1時間1キログラム当たり189ミリグラムCO2であり、鮮度低下が早いとされるエダマメ並みに多いことから、品質劣化に留意する必要があることがわかりました(図1)。

図1 葉タマネギ及び主な野菜の品温別の呼吸量
図1.葉タマネギ及び主な野菜の品温別の呼吸量
注)葉タマネギは平成24年3月の測定値を示し、他の野菜は、石谷1992の文献(農産物流通技術研究会年報2013)から作図した

3.包装形態の変更と鮮度保持

葉タマネギの慣行出荷では、約450グラムに束ねて直径6ミリメートルの通気孔が2か所開いた袋で包装されますが、内容量を減らすことと資材の種類を組合せて日持ち性の比較をしました。慣行の出荷形態で常温保存すると、葉の黄化やしおれ、とろけ、結球部のゆるみ、発根等によって、収穫から4日後には販売に適さない状態になりましたが、約300グラムに減量しただけで日持ちが1日伸びました。さらに、通気孔を直径1ミリメートルとした場合には約2日、袋をガス調節フィルムとした場合には慣行に比べて約4日販売可能期間を延長することができました(図2)。

図2 異なる包装形態が葉タマネギの日持ち性に及ぼす効果
図2.異なる包装形態が葉タマネギの日持ち性に及ぼす効果
注)18℃暗黒条件で保存し、商品性指数を5:収穫時と同等、4:商品性良好、3:販売可能、2:食べることは可能、1:食べられないの5段階で判定した

4.鮮度保持の仕組み

日持ちの延長は、まず減量によって袋内の結露が軽減されたことによると考えられます。さらに通気孔1ミリメートルやガス調節フィルムの利用によって包装袋の通気が制限され、袋内のガス組成が低酸素、高二酸化炭素状態になり、呼吸消耗が抑制されたことによります(図3)。外観の維持程度に応じて、糖やビタミンCなどの栄養成分、食味も保持されることも明かになりました。

図3 ガス組成の調節による鮮度保持の仕組み

図3.ガス組成の調節による鮮度保持の仕組み

5.まとめ

包装資材の選択で鮮度を保持する技術はエダマメなどではかなり進んでいますが、葉タマネギでも効果が確認されました。従来の資材よりやや高価ですが、より良い商品作りのための選択肢として期待されます。

 

初掲載:平成26年12月

農林総合研究センター
流通加工研究室
室長
家壽多正樹
(電話:043-291-9993)

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