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更新日:令和3(2021)年7月8日

リエゾン(心のケア)チーム

リエゾン(心のケア)チームとは

 「リエゾン(liaison)」とは、フランス語で『連携』『連絡』『つなぎ』という意味があります。
千葉県救急医療センターでは、2012年(平成24年)にリエゾン・心のケアチーム(以後、リエゾンチーム)を発足致しました。

 千葉県救急医療センターは、第三次救急医療施設であり、緊急での入院や手術を余儀なくされる患者さんが ほとんどです。そのため、疾患や治療にともなう不安・苦痛に加え、環境変化にともなうストレスや不眠などから、「こころ」と「からだ」のバランスが崩れやすく、身体のみならず、精神的にも不安定な状況に陥りやすくなります。

 このような中、場所や時間の感覚がわからなくなる、混乱するなどの『せん妄』という状態に陥り、下記のような症状が見られることがあります。また、不安が強い、意欲が失われる、生きる意味を見いだせない・・・などの精神的問題が大きくなることもあります。

 そこでリエゾンチームでは、患者さんのこころとからだのバランスを整える手助けとして、これらの症状の改善や苦痛の緩和を図るために、当センター精神科医師、薬剤師、看護師(急性・重症患者看護専門看護師、各病棟リンクナース)、医療ソーシャルワーカーとともに、千葉県精神科医療センター精神科医師がチームを組み、協働しながら患者さん・ご家族の支援を行っております(表1)。

せん妄とは?

 それでは、『せん妄』とはどのようなことをいうのでしょうか?

 『せん妄(せんもう)』 ・・・ せん妄とは、入院による環境の変化、加齢、病やけが、治療・検査による心身の負担、痛み、脱水、発熱、貧血、様々な薬物により脳機能の乱れが生じ、下記のような症状が認められることをいいます。
 せん妄は、これまで一時的に示す病態と考えられていましたが、一旦発症すると持続的に身体予後や認知機能に悪影響を及ぼすことが明らかになっており、早期かつ適切な対応が重要とされています。このため、リエゾンチームではせん妄の早期発見と適切なケア・対応がなされるように啓蒙活動を行っております。

 <せん妄の症状>

  • 日付や時間、場所がわからなくなる 
  • 意識がもうろうとして話の辻褄があわない
  • 注意力が散漫で落ち着きがない
  • 目がランランとして興奮している 
  • 原因がないのに怒りっぽい、口調が荒い
  • 壁や何もない場所に虫や人物が見える 
  • 昼と夜とで気分にむらがある          など

 

活動目的

 身体疾患だけではなく、不安や不眠、苦痛などの別の問題が生じている患者さんに対して、医師・看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーが協働し、多角的に問題にアプローチすることで、入院生活における苦痛やストレスなどの心身の負担を軽減し、回復や安心・安寧を促すための支援につなげます。また、患者さんだけでなく、ご家族の不安などの緩和に向けても、同様に支援することを目的としています。

 

活動内容

 患者さんやご家族の不安や苦痛が最小限となり、治療に専念でき、入院生活を安全にかつ穏やかに送れるよう、毎週水曜日にチームメンバーが集合し、介入患者に関する情報共有と今後の支援やケアの方向性について検討を行っています。

 状況に応じて、回診の必要性が高い患者さんのベッドサイドを訪れ、お話をうかがったり、具合を診させていただいた上で、薬剤の調整や看護ケアの工夫などの検討や提案を実施しています。

 水曜日以外にも、医師や看護師それぞれが患者さんのもとにうかがい、日々の調子や変化を捉えつつ、支援につなげております。

 

表1 チームメンバー構成
職種 人数
精神科医 ※ 2名
薬剤師 2名
看護師 8名
ソーシャルワーカー 2名
表2 チーム活動件数(平成30年度)
活動状況 件数
年間活動回数(精神診療は除外) 51回
カンファレンス実施数 延べ患者数 928回
患者数 361件
ラウンド実施患者数 38件

 ※うち1名は精神科医療センター精神科医師

 

 

活動の実際

 2019年4月1日~2020年3月31日までのリエゾンチームの総介入件数は 928件、介入患者数は468名でした(表2・3)。図1にお示しするように、介入対象は圧倒的にせん妄が多く、次いで不眠となっています。

表3 介入患者の精神科診断別内訳(複数介入あり)
介入対象 介入数(件)
合計
せん妄
(アルコール離脱せん妄含む)
135 48 183
アルコール離脱せん妄予防 30 2 32
認知症 13 14 27
臓器質性精神障害 22 10 32
精神疾患 15 8 23
自殺企図 16 15 31
不安 18 6 24
不眠 73 23 96
その他 14 6 20
合計 336 132 468

 

 図1 介入患者の精神診断別内訳(複数介入あり)

 

その他にも・・・

 せん妄だけでなく、精神疾患(抑うつ、幻覚妄想、不安焦燥など)や認知症、不眠、苦痛やストレスなどが大きい場合、また、自殺企図で入院された患者さんや、もともと精神科疾患を患われた方が身体疾患を発症し入院に至った場合など、様々な精神・心理症状を示す患者さんの支援を行っています。

 当院に入院中の患者さんやご家族の方で、リエゾンチームによるサポートをご希望の方は、担当医や病棟看護師までご相談ください。

リエゾン(Liaison)のLマークとともに・・・