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報道発表案件

更新日:令和3(2021)年6月2日

ページ番号:442683

千葉県立中央博物館 研究紹介「南房総沖の深海から新種の甲殻類を発見! ―ヨツスジテングクモエビ―」

発表日:令和3年6月1日
千葉県立中央博物館

 県立中央博物館の駒井智幸(こまいともゆき)動物学研究科長らの研究によって、千葉県南房総市沖からクモエビ科テングクモエビ属Uroptychodes(ウロプティコデス)の新種が発見されました。この発見は、ニュージーランドの動物分類学の専門誌「Zootaxa」に、本年5月4日付けで論文が掲載されました。

発見の経緯

 2001年から2005年にかけて、国立科学博物館が中心となり、相模湾とその周辺海域で生物相の調査が実施されました。南房総市沖の浦賀水道では、アカザエビやタカアシガニを対象とした刺網漁やかご漁が行われていて、漁業を利用した生物採集が実施されました。

 本論文の著者である駒井もこの調査に参加し、資料の収集とその後の研究を進めてきました。今回発表されたテングクモエビ属の新種(ヨツスジテングクモエビ)は2002年3月に南房総市太房岬沖の深海(水深250m)から得られた生物標本資料から見つかったものです。

研究の概要

 テングクモエビ属は、(じっ)脚目(きゃくもく)異尾(いび)下目(かもく)ワラエビ科に分類されます。ワラエビ科は、かつてはコシオリエビ類に近縁と考えられていましたが、DNAを使った分子系統学的研究により、コシオリエビ類とは別系統の一群であることが分かってきました。

 テングクモエビ属には、現在のところ世界で13種が認定されており、そのうち7種が日本とその周辺海域から発見されていました。いくつかの種はウミシダ類に共生することが知られています。今回の新種も多くのウミシダ類と一緒に採集され、共生関係が示唆されます。

 クモエビ類の分類学的な研究はここ数年の間に大きく進展し、多くの新種が見つかっています。今回の新種もその研究の発展を受けて、発表に至ったものです。日本周辺海域におけるクモエビ属・テングクモエビ属の種の多様性についてはまだ十分に解明されておらず、これからも新種が見つかると予想されます。

研究の意義

 今回の新種は、現在のところ、ホロタイプ(新種の基準となる標本)1個体が知られるだけで、採集するのが困難な場所に棲息していることが予想されます。この海域での深海調査は、航路筋であることもあり、調査の機会は大変少なく、漁業を通じた採集調査の意義は大きいと言えます。大都市に近い場所にあるにもかかわらず、この数年の間に他にも多くの海産生物の新種が見つかっており、まだまだ未知の生き物がいることは間違いありません。目の前に広がる房総の豊かな海に思いを寄せていただければと思います。

論文

Komai, T. 2021. A new species of the squat lobster genus Uroptychodes Baba, 2004 (Decapoda: Anomura: Chirostylidae) from Japan. Zootaxa 4966(3): 349-358.

ヨツスジテングクモエビの画像

ヨツスジテングクモエビ、ホロタイプ(額角を含む甲長12.5 mm。左のはさみ脚は再生途上)

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課学芸振興室

電話番号:043-223-4127

ファックス番号:043-221-8126

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