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更新日:令和8(2026)年2月20日
ページ番号:733947
(かみひききりいせきしゅつどせんこくれき)
県登録有形文化財(考古資料)
1点
令和7年2月26日
大網白里市金谷郷1356番地2(大網白里市)
大網白里市上引切遺跡から出土した旧石器時代の線刻礫である。上引切遺跡は、大網白里市の山田台と金谷郷台の台地基部に位置し、縄文・古墳・奈良・平安時代及び中世において、それぞれ住居跡が複数検出されている複合的な集落遺跡である。平成3年度の調査において、旧石器時代の遺物集中地点も2か所で確認されており、SE-1のソフトローム層(III層)から出土した135点(楔形石器・剥片・破砕礫など)に本資料が含まれる。これらの資料は出土層位から、後期旧石器時代後半(約22,000年から19,000年前)に属すると考えられる。
本資料は、凝灰岩の偏平礫を加工したもので、節理面に刻線が施されている。裏面の一部には自然面が残るが、それ以外は整形を目的とした密な線条痕が見られ、縁辺部にも研磨を施している。刻線は鋭利な先端をもつ工具によって刻まれ、太い1条の鋸歯状線と細い10条以上の波状線から構成される。半分以上が欠損し、文様も抽象的であるためモチーフは明らかではないが、縁辺部が研磨により弧状を呈していることから、本来は円盤状を呈していた可能性も指摘されている。
旧石器時代の線刻礫は全国的にも出土事例が非常に少なく、鹿児島県耳取(みみとり)遺跡や東京都鈴木遺跡の事例などがわずかに知られる程度で、耳取遺跡出土の資料は本資料よりも古い約27,000年前の所産である。縄文時代草創期には愛媛県上黒岩遺跡(かみくろいわ)遺跡から13点の線刻礫が出土しているが、女性的な表現が見られることから石偶と考えられている。本資料も利器としての石器とは用途が異なり、祭祀・儀礼などの側面をもったものと想定される。出土状況及び人為的な線刻の痕跡が明らかな本資料は、貴重な旧石器時代後半の線刻礫である。
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