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更新日:令和5(2023)年7月6日

ページ番号:343106

能満上小貝塚出土土製品

(のうまんかみこかいづかしゅつどどせいひん)

能満上小貝塚

種別

県指定有形文化財(考古資料)

指定日

平成31年3月5日

所在地

市原市能満1489 市原市埋蔵文化財調査センター

概要

件は、能満上小貝塚から出土したイノシシ形土製品2点を含む縄文時代晩期の土製品6点である。能満上小貝塚は、市原市能満字上小貝塚に所在する縄文時代後期から晩期の貝塚を伴う集落遺跡である。

成4年に発掘調査が行なわれ、縄文時代後期から晩期の住居跡等の遺構に伴う多くの資料が発見されている。この6点は晩期の住居跡とその周辺から出土したものである。6点の内訳は、イノシシ形土製品2点、手燭形土製品1点、土偶頭部破片1点、土版2点である。

ノシシ形土製品のうち大きな方の個体は、両前足と耳と尾が欠損してはいる以外は良好に遺存している。顔面には目、鼻、口が描写されており尾部には肛門の表現がある。鼻孔まで表現された大きな鼻、尖った背中及び爪先立ちの後足の表現は写実的にイノシシを表現しているが、その一方で体部には、縄文時代晩期中葉の土器と共通した様式化した文様が施されている。イノシシ形土製品としては県内でも大形のもので、写実性の高い事例である。小さな方の個体は、破損部分が多く、顔の表現もはっきりしないが、尖った背中と尾の部分にかけての形からイノシシとみられ、特に背中から尾にかけての横方向の線からイノシシの幼獣「瓜坊」を表現しているものと考えられる。

6点のうち小さなイノシシ形土製品以外は、縄文時代晩期の住居跡から出土しており、特に大きなイノシシ形土製品については、胴体と両後足がそれぞれ別の住居跡から出土しており、元々完形だったものを分割して埋納した可能性がある。またこれら以外の4点は、同一住居跡の床面直上から炭化物、焼土、焼けた獣骨とともに出土しており、完形品と破損品の両方がみられることも注目される。これらの土製品は、祭祀行為の直後に埋納された可能性が高く、この時期の祭祀を考える上で重要な資料である。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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