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更新日:令和5(2023)年11月10日
ページ番号:315109
(でんとうのつねよりひつえいそうだんかん)
県指定有形文化財(典籍)
平成11年3月30日
香取郡東庄町宮本406(東大神)
東常縁〔応永8年(1401)~文明14年(1482)頃〕は、千葉常胤の6男胤頼を始祖とする東氏一族のうち、南北朝時代に、美濃国郡上に所領を得て移住した美濃東氏の子孫で、武人であるとともに、二条流の歌学者としても知られている。
伝東常縁詠草断簡は、現在軸装されているが、元々は綴本であったものが裁断されたものと考えられ、1紙に2首ずつ3紙に計6首の歌が次のように書かれている。
第1紙「待花よをすてゝ行身と人の問ひやせん花さかぬまのミよしのゝおく聞恋いひわひてつらき心のありとたにまたきゝあへすぬるゝ袖哉」
第2紙「松上藤くれて行春よりほかは年へても色にハいてぬまつの藤なミ五月雨見るまゝに猶かきくもり入あひのかねよりくるゝ五月雨の空」
第3紙「見恋なにはえやあしまをわけて立つしほの見るめに思ひますよなるらん」水鳥思いしりぬすむよのほとををしかものたかせのなミにうきしつむとも」
この断簡の筆跡は、伝来する東常縁の書と近似しており、常縁在世中か死後それほど経ずに臨書されたものと考えられる。
中世歌壇における歌集相伝の様子をうかがえる貴重な資料であり、類例がきわめて少ない分野にあって、本県にゆかりのある武家が詠んだ歌集の断簡として特筆される。
この詠草断簡は、東氏宗家に長く伝えられていたもので、大正8年(1919)3月に、東氏の苗字にゆかりのある東庄町の東大神に奉納されたものである。東大神境内には、この奉納に係る記念碑が遺されている。
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