ここから本文です。

更新日:令和4(2022)年1月28日

ページ番号:488176

食べて 学んで 芽生える誇り「南房総市日本一おいしいご飯給食の取組」

南房総市の特徴

 南房総市は、千葉県南部、房総半島の最南端に位置し、三方を海に囲まれています。
 2006年(平成18年)3月20日に、7町村(安房郡富浦町、富山町、三芳村、白浜町、千倉町、丸山町、和田町)が合併して発足しました。
 沖合を流れる黒潮の影響により、冬でも温かい日が多く、年間を通じて快適に過ごすことができます。
 何より、「海・山・里」の自然の恵みに育まれた食材が豊富な地域です。
 江戸時代から続く伝統の「房州びわ」をはじめ、千葉県ブランド水産物にも認定されている「房州黒あわび」、ツチクジラの捕鯨基地(和田港)や日本有数の早場米の産地としても有名です。

南房総市が目指す日本一おいしい学校給食

 「主食が変わればおかずが変わる。おかずが変われば地域食材が使える。」を合い言葉に、日本一おいしいご飯給食は2011年(平成23年)に始まりました。
 地域食材を使ってつくる「地産地消」、ご飯を主食とした「和食中心の献立」、子どもたちの嗜好に合わせたメニューではなく「大人が考える子どもに食べさせたい食」、この3つの視点を大切にしています。
 「たとえ生まれ育った土地を離れても、あるいは残っても、どこに行っても頑張れるのは、ふるさとへの強い思いがあるからこそ。ふるさとの記憶は、人の人生を支える大きな柱。」
 地域を学ぶことは、子どもたちが1人の人間としていかに生きるか、いかにあるかを考える基盤になります。
 南房総市では、学校給食を、学力向上との両輪と位置づけ、教育指針の柱のひとつに、日本一おいしいご飯給食の提供を掲げ、地産地消推進のための補助金も予算化されています。
 毎日地場産100%のお米を主食(週5日の完全米飯給食)とし、豊富な海の幸、山の幸を活かした献立を提供して11年目を迎えました。
 2019年(令和元年)9月からは100%南房総市産オーガニック・エコ米(ちばエコ農産物の認証米)を使用しています。

 

日本一おいしいご飯給食の画像

和食の日実施献立の画像

 

日本一おいしいご飯給食のあゆみ

公設民営の流通拠点施設

南房総市は、生産されている多くの地域食材が少量多品目です。
そのため、集荷から販売までを見通した物流と、数量や品質など、ニーズに見合った安定供給の体制を整える必要がありました。 
そこで、公設民営の流通拠点施設を立ち上げました。
農産物の出荷情報、集荷、学校給食センターへの納品、といった仕組みを構築したのです。
献立を立ててから地域食材を探すのではなく、既にそこにある地域食材を、いかに活かすような献立づくりをするか、栄養教諭の資質が試されることになりました。

「給食レストラン、」開店

2012年(平成24年)には、市の取組を広く市民の方々へ知ってもらうため「給食レストラン、」を開店しました。
年間3~5回、小学校・中学校・コミュニティセンター等を会場に、各学校給食センターがその日に提供する給食を試食します。
コロナ禍にあり、今年度の実施はありませんでした。
しかし、これまで、生産者向けに展開したり、テイクアウト形式で実施したりするなど、様々な企画で行ってきました。
「給食レストラン、」の「、」は「つづく」という思いが込められています。

給食レストラン開催の様子の画像

給食本の出版

2013年(平成25年)には、給食レシピ本を出版しました。地域自慢の食材が、どこでどんな人の手によって作られているのか、どんな苦労があるのか、食材提供してくださる生産者の方々をはじめ、子どもたちを取り巻く大人の熱い想いが詰まったものになっています。
成人式の日には、南房総市で育った子どもたちに贈呈されています。
2020年(令和2年)には、2冊目が完成しました。

給食レシピ本の表紙画像

給食レシピ本の表紙画像その2

認定農家・商店制度

2014年(平成26年)には、認定農家・商店制度を導入しました。
地場産物の活用割合を上げるための施策です。
学校給食センターへの納品は、規格や数量、日時といった制約が発生します。
そのため、気後れしてしまう生産者の方も多く、なかなか思うように進まない現状がありました。
そこで、学校給食に食材を提供してくださる農家や商店を対象に認定シールを配り、他の販路でアピールできる付加価値をつけたのです。
現在、認定農家、商店は100件以上になっています。

認定証の画像

認定シールの画像

「おうち給食」

緊急事態宣言下の休園・休校中、各学校給食センターでカレーなどを調理してお弁当容器に盛り付け、市内の幼稚園児と小中学生計約2500人に「おうち給食」を配布しました。
長期化する休校で、子どもの食事作りが負担になっている保護者の負担を軽減するねらいもありました。
市内を大きく2地区に分け、各地区の小中学校や公会堂など子どもたちが集まりやすい場所に、学校給食センターから配送したお弁当「おうち給食」を教職員が運び、受け取りに来た子どもたちに手渡しました。
顔を直接見て、変わった様子がないか確認することができ、準備した課題のやりとりにも有効活用されました。
2020年(令和2年)4月末から5月中に計7回(14日間)実施しました。

おうち給食作成中の画像

おうち給食の画像

クックパッド

2016年(平成28年)から、地場産物を活用し、実施した献立からレシピを継続配信しています。

和え物の画像

寒天デザートの画像

地場産夏野菜の和え物の画像

地場産青パパイヤの献立画像

富山学園の食育の日

2016年(平成28年)4月、市内初の小中一貫校として富山小学校・中学校は開校しました。
小学1年生から中学3年生までの児童・生徒が、一つの校舎で学校生活を送っています。
本校では、毎月19日前後を「食育の日」とし、学級担任による食に関する指導を実施しています。
栄養教諭が作成した、給食の時間等に5分間程度で行えるミニ指導案と指導資料のセットを用います。
各教科の中には、食に関する領域や内容が取り扱われています。また、ほんの少し食育の視点を盛り込むことで、教科等の学習を深めることもできます。
子どもたちが「食について楽しく学びながら、食を大事にする気持ちを育てたい。」という思いで試行錯誤して作成したものです。
その思いが伝わり、今では、内容を見て教科の学習教材として活用したり、学級活動で取り扱ったりと、多くの先生方が資料を活用して食に関する指導を行っています。
また、ミニ指導案の余白に、実際に活用してみて気づいたことや、子どもたちの様子を記述してもらう枠も設け、改善に役立てています。

食育の日指導集の画像

中学校での食育授業の画像

 小学校での食育授業画像

食育の感想の画像

食育の感想の画像その2

おわりに

 今後も、地域に根付き大事にされてきたものをさらに学び、地域の良さを活かした、仲間とともに食べて学べる「日本一おいしいごはん給食」となるよう、努めて参りたいと思います。

文責:南房総市立富山小学校 栄養教諭 岩崎 恵

お問い合わせ

所属課室:教育振興部保健体育課給食班

電話番号:043-223-4095

ファックス番号:043-225-8419

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?