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更新日:平成24(2012)年3月28日

千葉県の観光

波の伊八 いすみ市

千葉県には、名工と呼ばれる彫刻師がたくさんいたことをご存知ですか?
現在の鴨川市で生まれた初代・伊八こと武志伊八郎信由は、江戸時代、「波を彫らせたら天下一」とうたわれた名彫刻師です。通称「波の伊八」と呼ばれた彼は、躍動感のある波と龍の彫刻を得意としました。現在でも県内各地に残っている伊八の作品からは、いきいきとした動きと迫力が伝わってきます。
葛飾北斎の富嶽三十六景にも影響を与えたといわれる行元寺の欄間彫刻「波に宝珠」をはじめ、「波の伊八」の作品についてご紹介します。

動画の内容

彫刻でみごとに表現された波。これは江戸時代に「波を彫らせたら日本一」とうたわれた名彫刻師「波の伊八」の作品です。
伊八は、いすみ市の太東崎近くの海岸から馬で海に入り、波を横から見て波の形を研究したと言われています。
伊八を名乗る彫刻師は江戸中期から5代続きましたが、今回は、初代伊八こと武志伊八郎信由の躍動感と立体感あふれる彫刻を紹介していきます。

現在の鴨川市に生まれた伊八は、地元鴨川市のほか、いすみ市や南房総市など、県内に多くの作品を残しました。
ここは、太東崎から程近い、いすみ市岬町にある飯縄寺(いづなでら)。

江戸時代に栄えた飯縄寺には、古い彫刻や美術品がたくさん残っています。
そして古くから「天狗のお寺、おいづなさん」とも呼ばれています。

伊八が総合プロデュースしたとされる本堂には、高さ1メートル、横4メートルの大作、欄間彫刻「天狗と牛若丸」があります。

「寛政九年ですか。1797年、40代から50代くらいの作品です。飯縄寺には義経伝説というのが残されておりまして、伊豆半島からこの飯縄寺に寄って、奥州の方に船で逃れたという伝説に基づいて、天狗と牛若丸の彫刻の構図になっているわけです。天狗さんの姿が見る角度によって、優しかったり怖かったりと表情を変えるわけですね。」

「天狗と牛若丸」の左右には「波と飛龍」という作品も彫られています。
「左のほうの波と飛龍はどちらかというと女性的な波の姿で彫られていまして、右の方の波は荒い波、男性的な波で、飛龍の方もすごい形相で彫られております。」

今にも飛び出してきそうな迫力。伊八、壮年期の大作です。

続いて訪れたのは、いすみ市荻原にある行元寺(ぎょうがんじ)。

ここは、開山千年を超えるとされる歴史の深いお寺で、学問寺としても発展しました。
伊八の彫刻は、客殿にあります。伊八の代表作といわれる欄間彫刻「波に宝珠」です。飯縄寺の彫刻から約10年あとに彫られたこの作品からは、伊八の老成した技術と表現力が感じられます。
「当時、波っていうと、海岸から正面の波を描くことになっていた。それを伊八はここの住職の馬を毎日借りては、太東崎の海に入って、馬の背から崩れる横波を見た。で、ここへ、玉が浮かんでます。これは宝珠(ほうしゅ) 或いは ほうじゅ。仏教のシンボルです。波を彫らせては天下一。写実的、陰影法、あるいは遠近法、近代西洋画法を以って、両面彫りで残してくれてる。」

裏側からみても、波がみごとに表現されています。伊八のこの作品は、葛飾北斎の富嶽三十六景に影響を与えたとも言われています。

「波に宝珠」は、欄間彫刻五面の一部で、他にも鶴や梅などが彫られています。

千葉がうんだ、名彫刻師「波の伊八」。
今回紹介した以外にもたくさんの彫刻が県内に残っています。躍動感と迫力に満ちた伊八の彫刻、実際に見てその感動を味わってみませんか?

「ウィークリー千葉県」