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更新日:平成29(2017)年6月16日

成人先天性心疾患診療部-業務案内

成人先天性心疾患診療部の紹介

「成人先天性心疾患」という言葉は、耳慣れない言葉と感じられると思います。成人先天性心疾患診療部は、生まれつきの心臓病(先天性心疾患)に罹患している成人患者さんの診断、治療、経過観察など、総合的な診療を行うために、日本で初めて設立された診療部です。

先天性心疾患は、長い間、長生きが出来ない子供の病気と考えられてきました。しかし、近年の内科診断、外科治療の発達のおかげで、多くの先天性心疾患の子供は、成人となることが可能となりました。当センターは、先天性心疾患手術を他施設に先駆けて行ってきた歴史があります。また、先天性心疾患手術の多くは根治手術ではないため、患者さんの大部分は、手術後も、継続的な長期間の経過観察、診療が必要です。現在、当センターの先天性心疾患患者の多くは、成人患者さんです。

我が国では、このような成人先天性心疾患患者さんが、すでに40万人以上いると推定されています。千葉県では、2万7千人です。先天性心疾患は、日本では年間1万2千人(千葉県では、800人)余りが生まれ、そのうち90%が成人します。従って、今後、成人先天性心疾患患者数は約5%の割合で増加します。現在、当センター以外でも、以前から先天性心疾患の診療を行ってきた施設では、先天性心疾患の半数以上は、成人患者さんです。さらに、2020年には、成人患者数は、小児患者数を遙かに凌駕する事になります。また、川崎病にかかり、冠状動脈異常を残した患者さんは少なくありませんが、この方たちも、同様に長期的な診療が必要です。

先天性心疾患患者さんの多くは、成人後も継続的な診療が必要ですが、今までは、循環器小児科医或いは手術を行った心臓外科医が継続して診察する事が殆どでした。特に、こども病院で経過観察を続けている成人患者さんの場合、周囲の患者さんの多くが赤ちゃんや乳児となり、診療の年齢制限の問題に悩まされることも少なくありません。成人でありながら、小児科を標榜した診療科を受診しなければならない点も、問題でした。また、成人先天性心疾患患者さんの経過観察中は、外科的な問題に加えて、内科的な問題も多く認められるようになります。従って、循環器小児科医や心臓外科医だけでは不十分で、成人先天性心疾患を専門とする医師を中心とした、新しい診療体制が必要になります。循環器科内科医、循環器小児科医、心臓血管外科医、麻酔科医、そして、成人ですので、一般内科医や外科医等の共同したチーム診療が大切です。さらに、成人先天性心疾患の専任看護師も重要な役割を果たします。また、心理療法士、ソーシャル・ワーカーの助けも必要な場合があります。

当センターの成人先天性心疾患診療部は、成人先天性心疾患の診療に長い経験を持ち、この診療に習熟した成人先天性心疾患専門の医師を中心として、成人先天性心疾患の診療を行うために、初めて開設されました。成人先天性心疾患に多くみられる、不整脈、心不全、肺高血圧症、チアノーゼ合併症、心臓手術等に対してチーム医療を行える診療体制を備えています。また、出産は取り扱いませんが、妊娠中の経過観察、カウンセリング、心臓の治療を行っています。また、成人先天性心疾患診療部は、成人となった小児期心疾患、例えば、川崎病後の冠状動脈異常を残した方の診療も行います。

さらに、当センターの成人先天性心疾患診療部は、成人先天性心疾患の診療だけではなく、今後の成人先天性心疾患の診療の向上のために、臨床研究、さらに、若手医師の教育の役割も担っています。

心疾患女性の妊娠カウンセリングについて

一般的に、女性が妊娠すると、全身を循環する血液量が増加する、血液が薄くなり相対的な貧血状態になる、ホルモン作用により血液の粘稠度が増加する、血管壁が弱くなる、などの変化が生じます。これらの変化は、心疾患を持つ女性にとっては、心疾患が悪化する大きな原因となりえます。たとえ心疾患があっても、妊娠前の一般状態が良好であれば、妊娠・出産に深刻な影響が出ることは少ないとされていますが、決して安心はできません。妊娠前から症状がある場合や、なんらかの服薬をしている場合などは、特に注意が必要です。そこで、より安全にお産を迎えるために、妊娠・出産を希望する全ての心疾患の女性に対して、専門医・専門スタッフによる、(できれば妊娠前からの)カウンセリングをおすすめしています。

当センターでは、成人に近づいた心疾患の患者さんに対して、心疾患名や現在の病状、将来の展望をお話しするようにしています。女性の場合は、妊娠・出産の見通しなども、お話ししています。当センターには産婦人科部門がないため、患者さんの心疾患の状態を評価した上で、妊娠中や出産後の病状の見通しを立て、妊娠の可否を検討し、患者さんとご家族に説明し、心疾患の担当医や産婦人科担当医へ連絡する(情報提供する)、というスタイルをとっています。他の病院を通院中の心疾患の女性患者さんのカウンセリングも積極的に受け入れています。

胎児心臓超音波検査について

生まれてきた子どもに、先天性心疾患が合併する頻度は約1%とされていますが、家族(母親、父親、兄弟姉妹など)に先天性心疾患の患者さんがいると、その頻度は2-5%程度にまで高まります。センターでは、本人あるいはご家族が先天性心疾患の場合など、心疾患の子どもが出生する可能性が高くなる場合には、ご希望に応じて、胎児心臓超音波検査を行っています。出生前に心疾患がわかっていれば、生まれてくるお子さんやご家族に対して、充分なケアを提供することが可能になるからです。しかし、出生前診断に対して躊躇する方もあろうかと思います。お気軽にご相談いただきたいと思います。