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更新日:令和4(2022)年8月17日
ページ番号:4643
県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。
その状況についてお知らせします。
千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。
週報/月報/報告数/梅毒/腸管出血性大腸菌感染症/インフルエンザ/感染性胃腸炎/麻しん/風しん/リンク
2022年第32週(2022年8月8日~2022年8月14日)(PDF:1,085.9KB)
※過去の注目疾患:2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年
※過去の週報:2012年~2016年週報、2017年週報、2018年週報、2019年週報、2020年週報、2021年週報、2022年週報
2022年第32週に県内医療機関から1例のレジオネラ症が報告された。70代の男性で推定される感染原因は水系感染であった。現時点において散発的な事例と思われ、同一の場所からの症例集積は認められていない。
また、本年1例目となる死亡事例が報告された(症例届出週2022年第22週)。患者は90代の男性で、管轄の保健所が積極的疫学調査を実施したが、感染源・感染経路等、原因の特定には至らなかった1)。
本年の累計報告数は39例となり、病型別では肺炎型が36例(92%)、無症状病原体保有者が2例(5%)、 ポンティアック熱型が1例(3%)であった。性別では男性が33例(85%)、女性が6例(15%)と男性が8割以上を占めていた。年代別では、70代が12例(31%)と最も多く、次いで80代が10例(26%)、60代が7例(18%)であり、60歳以上が8割以上を占めていた。レジオネラ症は一年を通して発生が見られるが、夏から秋にかけて届出が多くなる傾向が認められていることから、今後も当該感染症の発生動向を注視していく必要がある(図)。
レジオネラ症は、レジオネラ属菌による細菌感染症であり、主な病型として重症の肺炎を引き起こすレジオネラ肺炎と、一過性で自然に改善するポンティアック熱がある。レジオネラ属菌は、土壌や水環境に広く存在する菌である。感染経路としては、エアロゾル(細かい霧やしぶき)を発生させる人工環境(噴水等の水景施設、空調設備の冷却塔、気泡発生入浴設備、加湿器等)や循環水を利用した風呂を感染源とするエアロゾル感染、浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥したことによる感染、汚染された土壌の粉塵を吸い込んだことによる塵埃感染などがある。人から人へ感染することはないとされる2,3)。
レジオネラ肺炎の潜伏期間は2~10日である。全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難がみられるようになる。意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢神経系の症状や下痢がみられるのも特徴である。適切な治療がなされなかった場合には、急速に症状が進行し、死亡に至ることもある3)。
ポンティアック熱の潜伏期間は1~2日である。突然の発熱、悪寒、筋肉痛で始まるが、一過性で治癒する2)。
高齢者や新生児は肺炎を起こす危険性が通常より高いので注意が必要である。また、大酒家、喫煙者、透析患者や免疫機能が低下している人は、レジオネラ肺炎のリスクが高いとされているので、注意が必要である3)。
レジオネラ症対策としては、超音波振動などの加湿器を使用する時には、毎日水を入れ替えて容器を洗浄することが重要である。なお、レジオネラ属菌は60℃では5分間で殺菌されるため、水を加熱して蒸気を発生させるタイプの加湿器は感染源となる可能性が低いとされている3)。
追い炊き機能付きの風呂や24時間風呂などの循環式浴槽を備え付けている場合には、浴槽内に汚れやぬめり(バイオフィルム)が生じないよう定期的に清掃を行うなど、取扱説明書に従って維持管理をする3)。エアロゾルを吸い込まないようにすることも重要である。エアロゾルが発生する高圧洗浄作業や、粉塵が発生する作業、腐葉土を取り扱う園芸作業をする場合には防塵マスクを着用して感染を予防する2)。
また、がれき除去等の作業時に粉塵やエアロゾルを吸い込み、罹患するおそれがあるため、国立感染症研究所は昨年の水害時に際して、注意すべき感染症として、レジオネラ症の発生リスクを中程度と評価し、注意喚起を行っている。千葉県内においても、台風8号の影響で地域によっては土砂災害や浸水の被害が発生している。台風や大雨による水害発生時、がれきや汚泥の除去作業にあたる場合には、マスク等を着用し、肌の露出や素手の作業を回避して予防する必要がある4,5)。
警報発令継続中(警報開始基準値 5.0 終息基準値 2.0)
2022年第32週手足口病定点当たり報告数 県全体 4.65 (人) 前週7.22(人)から減少
第27週に警報開始基準値である定点当たり報告数5.0(人)を上回って以降、県内では警報発令状況が続いている。第32週は全体的に減少傾向にある一方で、市川、安房保健所管内では増加に転じ(市川3.44→5.57、安房2.75→5.50)、5.0(人)を上回ったことから、引き続き手洗い励行等の感染予防策実施が重要である。なお、第32週は夏季休業の医療機関も多く、報告医療機関数が通常時より少ないことからその値の解釈には注意を要する。
■参考
1)千葉県:【レジオネラ症】感染症予防のための情報提供について(令和4年8月15日発表)
4)国立感染症研究所:災害と感染症ポータル 令和3年夏季の水害(2021年7月~)
千葉県の2021年梅毒症例の累計は235例であり、1999年の現行感染症サーベイランス開始以降、最多の報告数となった。
2022年第32週には4例報告があり、累計180例となった。増加傾向が認められており、本年も引き続き注意が必要である。詳細は以下の発生状況を参照いただきたい。
千葉県では、2022年32週に5例届出があり、2022年8月17日現在、累計は85例である
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2022年1~32週)(PDF:265.9KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2021年1~52週)(PDF:270.2KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2020年1~53週)(PDF:250.6KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2019年1~52週)(PDF:240KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2018年1~52週)(PDF:242KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2017年1~52週)(PDF:254KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2016年1~52週)(PDF:145KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2015年1~53週)(PDF:233KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2010年~2014年)(PDF:224KB)
- 全国の発生状況(国立感染症研究所)
2022年32週の県全体の定点当たり報告数は、前週から増加し0.03であった。
2022年32週の県全体の定点当たり報告数は、2022年31週の2.14から減少し、1.21だった。
千葉県では、2022年32週に届出はなかった(2022年8月17日現在)。2022年の累計は0例である。
千葉県では、2022年32週に届出はなかった(2022年8月17日現在)。2022年の累計は0例である。
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