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更新日:平成22(2010)年7月29日

アナフィラキシーとは?その治療は?

質問

アナフィラキシーとは?その治療は?

回答

アナフィラキシーは、複数のアレルギー症状が、短時間で生じる状態を言います。複数の臓器にわたり症状が起きます。
具体的には、皮膚と呼吸器症状(発疹や蕁麻疹がでて、呼吸が苦しくなるなど)、皮膚と循環器症状(発疹や蕁麻疹がでて、血圧低下する)などです。
複数臓器にアレルギー反応が及ぶ時は、さらに症状が増大し、進行していくことがありますので、注意が必要となります。
進行したアナフィラキシーは、アレルギー反応の最も重い形です。
最重症の人では、死亡することがあります。

最初の症状の山が、短時間で生じ、1-8時間後に、再度、2回目の症状の山がくることがあります。
これを2相性の反応と言います。
アレルギーは、2相性に、症状がでることがあります。

急激に短時間で起きるアレルギー反応は、即時型と呼ばれ、典型的アレルギー反応です。
この反応は、IgEが結合したマスト細胞の活性化によって出ます。
検査をすると、ヒスタミンやトリプターゼ(特にβトリプターゼ)の増加がありマスト細胞の活性化を知ることができます。
最近の研究では、即時型アレルギー反応には、マスト細胞のみでなく、好塩基球の関与も大きいとのことです。

アナフィラキシーは、いろいろな原因でおきてきますが、代表的なものには、ハチ毒によるハチアレルギー、食物アレルギー、薬剤アレルギー、ラテックスアレルギー(ゴムアレルギー)などがあります。
食物アレルギーのうち、ピーナッツや、ナッツなどのアレルギーは、重症型のアレルギーがおきるリスクの高い食物となっています。
致死的なアレルギーが起きた原因食物を、集計すると、集計結果に、ピーナッツやナッツ類が多くなります。
ピーナッツやナッツ類では、IgEと強く反応する蛋白構造を、多くもっているからです。
しかし、ピーナッツを普通に食べれる大部分の人たちには、全く問題ありません。

最重症型のアナフィラキシーでは、死に至りますが、厚生労働省がまとめている人口動態表によると、日本のハチアレルギーは、以前は、30-35人が死亡しましたが、
今は、緊急用治療薬により、死亡者が、減っています。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、特定の食物摂取後に、運動負荷が加わった場合に限定して起きるアナフィラキシーです。
原因物質や条件因子が2種類が重なることにより、アナフィラキシーが起きます。例えば、
食物+薬物
食物+運動
食物+薬物+運動
運動のみで起きるのは、運動誘発アナフィラキシーと呼びます。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食物は、小麦が中心です。小児では、原因食物の半数を小麦が占め、成人では、80%を超えると報告されています。
学校の現場では、5千から1万人位に、ひとり位の割で、食物依存性運動誘発アナフィラキシーが起きるようです。
さらに、もっと軽いものもあるだろうと、考えられています。

アナフィラキシーには、IgE(アレルギー抗体)が関与しますが、IgEが関与しない場合でも、アナフィラキシー様反応が起こります。
このタイプの反応を起こすものには、運動、アルコール、寒冷刺激、日光、紫外線、熱刺激などがあげられます。
IgEが高いことが、すぐ、アナフィラキシーと結びつくわけではありません。
IgEだけでは、アレルギーの全貌を説明できません。

食物アレルギーに限らず、アレルギー検査の数値(IgE)は、実際に起きる反応の程度を反映するわけではありません。
IgEの高い人は、アレルギーが起きやすい傾向はありますが、IgEの数値で、症状や重症度が決まるわけではありません。

ハチ毒に対しては、かなりの人で皮膚反応が陽性となりますが、実際に、ハチアナフィラキシーが起きる人は、一部です。
ハチ毒に対して皮膚反応の出る人の4人に1人位しか、症状がでないようです(米国のデータ)。

今後は、アナフィラキシーを予知できる検査などの開発が、進むことが期待されます。

アナフィラキシーを考える上で、大事なことは、リスクの程度は、個々の人ごとに、評価しなければならないことです。
過去にアナフィラキシー状態があった人において、その時、実際にどのような経過と状況であったのか、原因物質の次回のリスクの程度について、
経過を追って評価していく必要があります。
過去のアナフィラキシーの症状をよく分析し、評価します。
だんだん、軽くなってきているのか?あるいは、だんだん、重大になってきているのかを、把握しておくことが大事です。

アナフィラキシーも、突然死の原因です。
しかし、アレルギー死の場合は、その死因を特定することが難しいです。
蜂や薬のアナフィラキシーなど、以前に症状があった人では、判断しやすいですが、類似のイベントがなかった人では、アレルギー反応の決め手を欠くことが多いです。
心・肺・脳のイベントなどによる突然死より、判断が難しいです。

マスト細胞の腫瘍や、遺伝子の病気などで、似たような症状が起きます。
マスト細胞が、異常に増えてしまう病気もあります。
又、アナフィラキシーとよく似たヒステリーや、過呼吸症候群、意図的演技なども、見分けなければなりません。

アナフィラキシーの治療薬とされるのは、即効的に血圧を上げる作用薬のエピネフリン(市販薬名はエピペン)です。
アナフィラキシーの軽症なものは、数分の経過で自然に軽快していきます。

その理由は、血圧低下が起きれば、体が、血圧の変化を感じ取って、血圧上昇剤を分泌し、血圧を回復させる働きが起こります。
エピネフリがやアンギオテンシンと呼ばれる血圧上昇剤が自然に分泌されるのです。
アナフィラキシーの状態で血圧が低下した場合も、静かに横に寝かせると、血圧は上昇してきます。
しかし、重症のアナフィラキシーの場合は、自然に起きる回復反応が、期待できません。
そうした場合では、エピネフリン注射による治療が有効です。
エピネフリンを、繰り替えして注射する場合もあります。
米国では、2回自己注射できる製剤も、発売されています。

過去にアナフィラキシーを起こした事のある人は、日常的にリスクをさける注意が必要です。
実際に、アナフィラキシーのエピソードが多い人ほど、危険なアレルギー状態に、進行していきやすいです。
以下のQAで、説明するエピペンは、こうした方こそ、常に自己携帯しておくべき薬剤となっています。

一方で、かなりの割合で、アレルギー(アナフィラキシー)は、自然に、軽快することもあります。
小児の、卵、ミルクなどの食物アレルギーは、こうした経過をとることが多いようです。
根拠なく、アレルギー物質を避けることのみに、気持ちを集中させても、効果は上がりません。

アレルギーには、減感作療法と呼ばれる治療法があります。
これは、アレルギーの原因物質に、少しづつ接触させ、体を慣らし、過敏状態から逃れようとする治療法です。

食物アレルギーでは、制限を続けることにより、減感作が遅れ、逆にアレルギー状態を進ませてしまうことがあります。
減感作療法とは、こうしたアレルギー反応の性質を逆手をとって、抗原に対し、体を慣らしていく治療法です。
減感作療法がうまくいけば、かつて、アナフィラキシー物質であったものでも、反応を起こさなくなっていきます。
しかし、重症なアナフィラキシーを持つ方では、治療の導入に注意が必要です。

特に、喘息のある人は、気道狭窄のリスクが高いことを、知っておくべきでしょう。
エピペンを、常時、携帯することが求められます。

周囲の方々にも、アナフィラキシーの既往を持つとの周知を、お願いしておきたいです。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部疾病対策課難病・アレルギー対策班

電話番号:043-223-2662

ファックス番号:043-224-8910

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