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更新日:平成24(2012)年10月18日

人口増加の秘密~シティセールスプランに基づくプロモーション活動~(流山市)

 平成22年国勢調査結果による人口増加率は7.4%(県内第3位)、年齢別でも35~39歳が最大のボリュームゾーンとなった流山市。人口減に転じた団体が多い中、働き盛りの30代を中心に着実に人口を伸ばした。

 つくばエクスプレス開業による効果もあるが、流山市は、全国に先駆けマーケティング課を設置。民間経験者の活用、共働き子育て世代をターゲットに絞ったマーケティングの手法の導入など、今までの行政にはなかった新たな発想を活かしたプロモーション活動も見逃せない。

 県内市町村においても、こうした取組を展開できないか、流山市総合政策部マーケティング課に、活動の背景、取組内容の実際など話を伺った。 

1.取組の経緯

 流山市は、平成17年8月のつくばエクスプレス開業に先立ち、平成15年10月、企画部企画政策課内にマーケティング室を設置、平成16年4月からは、自治体(市町村)では日本初となるマーケティング課を設置した。 平成20年4月からシティセールス室を設置し、平成23年6月にシティセールスプランを策定した。

 導入の背景にあったのは、全国どこの自治体も頭を悩ませる人口減少・少子高齢化の問題。特に、住民税が税収の約5割、さらに住民税の9割超を個人住民税が占める流山市では、この問題の影響を大きく受けることになるため、世代循環を可能とする住民誘致を推進することが必要であった。「最終的に、首都圏の他のベッドタウンではなく流山市に住んでもらうためには、まず一度市に来てもらい、市の魅力を知ってもらうこと」と考え、住民誘致のためのプロモーション活動を推進することとした。

 新しいまちづくりを進めるに当たって、企業・学術機関・市民団体等と連携を組み、マーケティング活動を積極的に進めていくため、マーケティング課長はじめシティセールス専任の職員を外部からの公募により決定。これは、民間経験者である井崎市長が、「なぜ行政にはマーケティングの手法がないのか」という新しい発想から生まれたものであった。 

2.マーケティング課の体制

係・室等

常勤

非常勤

マーケティング係

シティセールス推進室

5人

うち、民間経験者から3人(課長・室長・報道官)の任期付き職員を採用

1人

3.マーケティング課のミッション

(1)上質な流山ブランドの確立

 流山市のブランド戦略を確立し、市場優位性を確保して、継続的な市の発展を可能にする状況を創出する。

(2)都市間競争力の向上

 つくばエクスプレス開業から経過5周年目に当たり、さらに強まる都市間競争力を高める。ひいては、企業(ビジネス)誘致、住民誘致競争に勝ち抜き、市に経済的な豊かさをもたらす。

市のセールスポイント

市のウィークポイント

 
  • 「都心から一番近い森のまち」-都心につくばエクスプレスで20分、車でも約30分という通勤便利な至近距離にありながら、緑溢れる良質な住宅街の広がる街で、ふくろうやおおたかの棲む森が点在するなど、都会の洗練さと豊かな自然を両方楽しめる点
  • 市域発展の可能性(伸び代)があること
  • 江戸川・利根運河ほか豊かな水辺があるまち
  • 江戸川台・松ヶ丘・平和台など良質な住環境のあるまち
  • 古くから醸造業・水辺の宿場町として栄えた歴史と伝統
  • 県内一長寿のまち-健康志向の文化活動や市民活動が充実
  • 知名度の低さ
  • 市域が狭く、巨大プロジェクトには限界
  • 法人の立地が弱い

4.主な取組(シティセールスプランに基づく戦略的な取組)

 平成23年6月にシティセールスプランを策定。住民誘致を図る上で、長寿社会を支える共働き子育て夫婦「DEWKS」にターゲットを絞ったマーケティング戦略として、テレビや各種メディアを積極的に活用したプロモーション事業を強化充実させている。

(1)首都圏主要鉄道駅へのPR広告掲出により、都心に通勤・在住する人にアピール

「学ぶ子にこたえる、流山市」-分かり易く独創的なキャッチフレーズを用いたポスターを掲出

 2月に掲載されたポスターの撮影現場に密着した。

学ぶ子にこたえる流山市

撮影風景

 

 市内の小山小学校で、平日、本物の先生(外国語指導助手)と本物の児童を使って生の授業風景を撮影。ネイティブの先生により工夫された英語の授業は、ゲーム感覚で、楽しみながら学ぶことができる内容になっており、実際、子どもたちの目は生き生きしていた。

「父になるなら流山市」「母になるなら流山市」-以前に話題になったポスター

 銀座、表参道、六本木など都内の主要駅に、流山市外や都内からの移住を促す大型ポスターが掲出され、多くの人の目にとまることとなった。

母になるなら流山市

父になるなら流山市

(2)DEWKS世代が「好む、遊ぶ、食べる」イベントを開催

 交流人口増加のために、季節ごとに旬の食や観光に関するイベントを企画し、開催する。

流山グリーンフェスティバル(2011年5月4日)

「森のマルシェ」と同時開催し、来場者2万7千人

流山グリーンフェスティバル

森のマルシェ・ド・ノエル

「森のマルシェ」のクリスマスバージョン

森のマルシェドノエル

3Dストリートアートfamorie

首都圏最大級の映像ショー

ファモリエ

(3)テレビ・雑誌等の媒体への情報発信

  • テレビの情報番組やドラマ、バラエティ番組で紹介されるよう働きかけ、多くの視聴者の目に触れる企画を創出する。
  • 駅前送迎保育ステーション等の子育て支援策をアピールする。

(4)フィルムコミッション運営による活性化と情報発信力の強化

  • テレビや映画などの撮影地を支援する(フィルムコミッション事業)。
  • 撮影された作品のPRに加えて、市のイベントなどのPRをタイアップさせる。

(5)ウェブサイト、メール配信などによる情報発信

  • 市の公式HPとは別に、30代女性をターゲットにした市のPRサイト(CUTECUTE)を運営。約20本のオリジナル取材原稿を中心としたコンテンツ、イベント等の情報を提供する。
  • DEWKS世代はSNS(ツィッター、フェイスブック、ミクシィなど)の利用頻度が高く、情報交流人口の中心になっており、この世代に訴求する情報発信を進める。

(6)その他、市独自のユニークな手法 

  • 流山おおたかの森駅自由通路の4か所に電子掲示板(デジタルサイネージ)を設置。企業と連携することで市が費用負担なく、情報発信を行うと同時に、市の資産として歳入が確保できる仕組みを作った。

5.効果

5年間で1万1千人、7%の人口増加

平成22年国勢調査結果による比較

 人口増加率は7.4%(県内第3位)

 増加数も11,343人(県内第5位)

人口増加の大きい団体(平成22年国勢調査による)

人口増加率(%)

人口増加数(人)

1

白井市

13.8

1

船橋市

39,205

2

印西市

8.7

2

千葉市

37,430

3

流山市

7.4

3

柏市

23,049

4

船橋市

6.9

4

松戸市

11,878

5

浦安市

6.2

5

流山市

11,343

 

流山市は「0~4歳」と「35~39歳」の人口増加が突出し、県全体と比較しても明らか

国勢調査人口の変化

住民基本台帳人口による比較

 平成17年と平成23年では、人口が1万2千人増加。最大のボリュームゾーンは、「60~64歳」から「35~39歳」にシフトし、子どもがいるファミリー層が市外から流入し、定着ボリュームゾーンの変化

 マーケティング課の取組により、現在でも人口は増加しており、人口増加率と増加数ともに県内1位

人口増加の大きい団体(平成24年1月現在毎月常住人口調査月報による)

人口増加率(%)

人口増加数(人)

1 流山市 0.18 1 流山市 307
2 四街道市 0.08 2 市原市 72
3 佐倉市 0.04 3 四街道市 72
4 市原市 0.03 4 佐倉市 66
5 白井市 0.01 5 白井市 9

子育てや学びが充実したまち

  • 保育園児「待機児童ゼロ」を掲げる流山市では、出勤前に駅前の送迎ステーションで子どもを預け、帰りに駅で引き取る「駅前送迎保育ステーション」は共働き世代にとって、大変便利なサービスとなっている。
  • 義務教育9年間の一貫した教育を実現するため、地域で一体となった小中学校の連携や併設校の新設(平成27年4月1日開校)など小中一貫教育の仕組みづくりを推進する。
  • 平成24年4月から、市内の全中学校に英語ALTを、小学校にも3名のスーパーバイザーを配置し、日本人教員のサポートによるチームティーチングにより、英語教育の充実を図る(ALT:中学校の外国語指導助手、スーパーバイザー:小学校の外国語指導助手)。  

6.聞いてみました

マーケティング課長にズバリ!

Qマーケティング課長に公募した動機は何ですか?

A以前はメーカーに勤務しており、海外赴任や単身赴任も多かったのですが、自宅が市役所の近くで、マーケティング課長の公募を始めた当初から気になっていました。民間で培ったノウハウと経験を生かすと共に、公務員にはない新たな発想をマーケティング(シティセールス)に活かしたいと考えました。11月に着任したばかりの、歴代4人目のマーケティング課長です。 

Q民間と市役所で異なる点は何ですか?

A大きく異なるのは二点です。一点目は、サービスの対象者が「全体」か「特定」か、ということです。市役所の辞令交付の際、宣誓をしましたが、役所の場合は「全体の奉仕者」という役割が明確に表現されています。民間企業の場合は、「特定の顧客」に対してかなり尖ったサービスや商品を提供することが求められ、そこに他社との競争意識が強く働くとともに、集中して人や物や金が投資されます。一般論かもしれませんが、この点が役所と民間の違いの原点だと思います。もう一点は、「ガバナンス」。役所の場合は市民の代表である議会の監視を常に意識しながら職務を遂行しなければなりませんが、民間の時にはお客様の目というものはありましたが、それほど意識として強くなかったです。

Q民間出身のマーケティング課長に求められることは何ですか?

A行政では企画しづらい少し尖った施策を市民の方々に理解していただけるよう企画し、市民の方々のガバナンスの中で緊張感を持って遂行することではないかと思います。

Qマーケティング課の推進体制について教えてください。

Aシティセールスプランの推進については、マーケティング課が担当して情報の集約を図り、企画やプロモーションを実施します。具体的には、案件ごとに市民・NPO・企業・地域団体などの外部組織や庁内各部署との連携や協力を図るとともに、ネットなどを利用して、推進協力者の募集や課題などのアンケートを実施し、推進していきます(参照:流山市シティセールスプラン外部サイトへのリンク)。

Qマーケティング課の最大のミッションは何ですか?

A知名度とイメージの双方を共に高めていくことです。イメージが良く、知名度も高い街が、憧れの街として目指すべき未来の姿です。

Q今後の抱負をお願いします。

A流山市を「住みたい街、住み続けたい街」と思っていただけるように、行政と市民の一体感を醸成するようなイベントを企画・立案していきたいと思います。御支援をよろしくお願いします。

シティセールスプラン(PR活動の内容)

Q「母になるなら、流山市」「父になるなら、流山市」のポスターは話題になったそうですが?

A簡潔で分かりやすいキャッチコピーとポスターデザインが良い反響を呼んだと思っています。実際に首都圏と横浜市青葉区から流山市に転居された御家族を探して、ポスターのモデルになっていただきました。ドキュメント性にもこだわった企画が良かったと思います。 

Q新しいポスターの作成は大変だったようですが?

A今回のポスターも実際に行われている授業をスナップショットしたものです。撮影させていただいた小学校、保護者の御理解と御協力があって本物の授業をポスターにすることができました。

Q「都心から一番近い森のまち」のキャッチフレーズに込められた想いを教えてください。

A秋葉原からつくばエクスプレスに乗って南流山を過ぎたあたりで、電車が地下から高架に出るのですが、その時に緑の森がわーっと視野に入ってきます。都心から20分でこんな緑多い街があるんだ、ということを知って欲しいですね。

Q子育て共働き世代をメインターゲットと明言することによる反響はありますか?

A若いファミリーに多く流山市へ転入していただくことは、これからの市の発展に繋がることですので、市民の方にも理解していただけると思います。 

Qシティセールスプランはどのように作られたのですか?

Aマーケティング課を中心に素案を作成し、庁内の意見を集約した上、パブリックコメントを経て、策定しました。

Q周辺市は意識していますか?

A周辺市の動向には常に注意を払っていますが、周辺市との相対的な差別化については特別に意識していません。

今後の方向性

Q人口増加の状況はどうですか?

A今後も着実に伸ばしていけたらありがたいと思います。

Q交流人口増加の目標は?

A流山市シティセールスプラン外部サイトへのリンクを御参照ください。

Q業務遂行の結果をどのように評価していますか?数値目標はありますか?

Aイベント来場者は年々着実に増加していますが(平成23年度は前年度比116%)、満足はしていません。もっとたくさんの方に流山市に起こしいただけるよう、いろいろな企画を進めていきたいと思います。成果の測定手法については現在検討中です。

7.取材を終えて

 民間からの人材登用と、その職員の自由な発想と行動力は、職員に少なからず刺激を与えているのではないでしょうか。民間経験者3人とプロパー職員2人で構成されるマーケティング課ですが、民間経験者が十分能力を発揮し、課としてうまく機能していくには、プロパー職員との連携が肝なようです。マーケティング課の取組は、これまでの行政の手法を打ち破る手法で、これからの自治体のあり方について、様々な可能性を感じました。

 

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