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更新日:平成27(2015)年3月9日

徹底した定員管理(鋸南町)

 鋸南町は、平成17年度から平成21年度までの間、集中改革プランに基づき、戸籍の電算化による業務の効率化や、職員の削減、給与の適正化、指定管理者制度の導入、教育施設の統合などの行政改革を進め、徹底的な行財政の健全化に努め、特に定員管理の面では、類似団体別職員数との比較超過率や数値目標に対する達成状況率が県内1位となった。

 職員数の削減による諸課題が聞こえてくる中で、大幅な削減に踏み切った鋸南町の実態について、鋸南町総務企画課に伺った。

1.取組の経緯

 鋸南町の人口は、昭和35年の15,131人をピークに減少に転じ、平成12年の国勢調査では10,521人、平成17年には9,778人、平成22年には8,950人と減少の一途をたどっている。昭和60年以降5年ごとに5ポイント前後の減少率で推移してきたが、最近の国勢調査の減少率は8.5ポイント。特に年少人口は大きな削減幅となっており、逆に老年人口は増加している。このまま人口減が推移していくと、将来の町の財政はこれまで以上に非常に厳しい状況である。

 平成8年度以降、人件費など支出の削減に取組んできたが、目立った効果が表れなかった。また、全国的に市町村合併の取組が行われていたが、平成16年11月の町長選挙において、自立を訴えた現町長が当選し、「自立に向けた特徴あるまちづくり」を行っていくこととなった。

 これを鋸南町の新たな出発のきっかけとして、これまでの既成概念に捉われず、全事務事業について「徹底した見直しと細部にわたる行政コストの削減」、「町民サービスの低下を招かない範囲内で、限られた財源で最大限の効果を生み出す施策」の視点から総点検することとした。

2.現在の運営と今後の取組~分野別自律(立)推進チームの設置~

(1)「分野別自律推進チーム 」による事務事業の見直し

  1. 行政の行っている全事務事業を5つの分野に分類し、分野ごとに自律推進チームを編成する。
  2. チームごと、あるいは複数チーム合同で、「現況と課題の拾い上げ」→「これから目指すべき方向の模索」→「具体的な取組」を一連のフローとして、分野別に自律推進のための方策を研究する。
  3. 町の将来像を明確にするため、「町づくり施策」を検討する。
  4. 検討結果は、議会や各種関係団体に意見を聞きながら修正を加える。
  5. 最終的に理想とする町の将来像「希望と活気があふれる豊かな鋸南」の実現を目指す。

チーム名

検討テーマ

生活環境チーム

国、県、町道、農道、林道・鉄道・河川

住宅・し尿・ゴミ・環境問題・交通体系(循環バス)ほか

産業観光チーム

稲作・畑作・畜産・林業・漁業・水産・水産加工・漁港・後継者

グリーン・ブルーツーリズム・地産地消・桜植栽・道の駅

商業・工業・雇用創出・特産品・観光ほか

教育文化チーム

児童福祉・義務教育・学校施設・少子化対策・子育て支援保育

国内国際交流・伝統・文化・コミュニティ・生涯学習・地域活動

社会体育・文化財・給食センター民間委託ほか

保健福祉地域医療チーム

健康づくり・母子保健・成人保健・老人保健・食生活

疾病予防・重症化予防・介護支援・地域医療体制

地域福祉活動・ボランティア・社会福祉・障害者福祉ほか

行財政チーム

住民サービス・行政改革・情報公開・広域市町村連携・法令

防犯・消防・防災・交通安全・電子化・情報化・デジタル・IT関連ほか

(2)今後の自律(立)へ向けての取組

 財政シミュレーションによれば、現状のままでは将来の財政運営は、大変厳しい状況が予測される。鋸南町が真に自律した地方自治を確立し、町民と行政の協働によって、活力あるまちづくりを進めていくためには、収支バランスの改善へ向けて、さらなる行財政改革を実施し、歳入確保・歳出削減を掲げ、最大限の努力を行っていかなければならない。こうした状況下で「限られた財源の中で最大限の効果を生み出す」施策を実施している。

3.効果

集中改革プラン(平成17年度~平成21年度)において目標を大きく上回る結果に

類似団体別職員数(修正値)との比較(一般行政)

▲87.5%

類似団体別職員数(修正値)との比較(普通会計)

▲67.3%

定員管理の数値目標に対する達成状況

▲19.2%

引き続き縦割り組織の弊害を解消するため、機構改革をはじめ、定員管理の適正化に努めている。

職員の削減で約2億4千万円の人件費削減

  • 平成16年度に200人であった職員数は、退職者の不補充と施設の民間委託、統廃合等により、平成23年度は100人近くまで削減した。
  • 人件費も約2億4千万円削減した。

※出典:地方公共団体定員管理調査

年度

人件費

(単位:千円) 

職員数

一般行政部門

教育

病院

水道

その他

16年度

1,029,117

200

88

36

61

11

17年度

985,353 

193

86

34

58

11

4

18年度

965,505

187

80

34

58

11

4

19年度

877,304

166

74

33

45

10

4

20年度

866,865

115

73

28

0

9

5

21年度

867,890

111

72

26

0

8

5

22年度

791,430

102

69 21

役場組織・機構改革

役場組織の改革 これまで多く分かれていた課(役場機能)を4課(病院・水道を除く)に統廃合した。

 これにより、職員意識の改革として、柔軟な対応や政策形成能力の向上や新たな発想を促すだけでなく、横の連携から担当不在により対応できないという意識をなくした。

 また、効率的な事務処理や意思決定の迅速化が図られ、組織の簡素化・合理化による無駄を省いた。

協働のまちづくり

地域づくり活動の活性化

 地域自治の基本組織である「区」は、行政との協働のまちづくりの主要な推進主体でもあるため、家族ぐるみで積極的に参加し、環境美化活動、地域安全活動、社会福祉活動、レクリエーション活動など、多様な地域づくり・まちづくり活動を展開する。また、ボランティア、NPOなどその他の公益的活動についても、協働のまちづくりの担い手として、活性化に努める。

 4.聞いてみました

職員数の削減による影響 

Q職員数の削減により、異動のサイクルに変化はありましたか?

A概ね5年程度としていますが、専門職を除いて職員数の削減により定期的な異動が難しくなっています。

Q非常勤職員等を活用することは増えましたか?

A保育所を除いて各課に1名程度配置していますが、報酬管理などが各課管理となるため、非常勤職員のための諸事務が発生しています。今後は、全庁に係る非常勤職員管理を統合し、民間委託するトータルコーディネート等の活用を検討していきます。特に、常勤職員が担う仕事かどうかを再度検討し、効率化や業務改善を目的として、単純作業は非常勤職員や臨時職員の活用を図っていきます。

Q仕事のやり方に変化はありましたか?

A事務事業の評価制度を採用しており、担当者→室長→本部会を通じてスクラップアンドビルドをマメに行ってきましたが、一人一人の負担は増加しているように思われるし、実務上、手が回っていない部分もあります。今後は、非常時における「マンパワー」不足への懸念を払拭する必要があります。

Q職員の意識に変化はありましたか?

A一般職員の給与まで削減されているため、職員は、「町の情勢を今より悪くさせるわけにはいかない」、「尻に火がついた状態」となっているのではないでしょうか。

Q療養休暇等の状況への影響はありますか?

A現在、休暇中の職員はいません。療養、育児休暇等を含め、休暇取得後の配置を十分に配慮し、適材適所を心掛けています。 

Q職員数が少ないからこそ、それぞれの職員のスキルアップが必要ではないでしょうか?

A現状は、研修費など人への投資は部局に任せており、予算化していません。職員数削減により、各職員のスキルアップは必須であると感じており、今後は一定の年数で研修を受けるようにしていきたいです。

その他の行政改革

Q民間委託等の余地はありますか?

A給食の調理・配送を委託していますが、スポーツ施設であるB&G海洋センターの運営方法について検討していきます。

Qボランティア団体など市民との協働の状況について教えてください。

A立上げの2年間は支援事業として補助金を予算化しており、H21年度の実績として、登録者数は個人が12人、団体数が25団体となっています。種別は、桜の植栽、草刈、緑地管理、道路景観等の景観活動や、アドベンチャーや競技運営等のスポーツイベント開催活動などがあります。最近は、町内のみならず、町外者のボランティアも目立つようになっています。

Q小学校の統廃合について教えてください。

A平成20年度に、2校の小学校を1校に統合しました。以前は、1学年が5人だったり、友達や刺激の少ない状況であり、学校運営の適正化を図る必要性や生徒数が少数ならではの弊害が生じていたため、親や住民には理解され易い状況でした。

Q保育園・幼稚園の統廃合について教えてください。

A平成20年度と21年度に、保育園・幼稚園を統廃合しました。以前の用地が借地であったこと、海抜0メートル地域であったこと、少子化に伴う運営の適正化等を含めて実施しました。また、これまでも数回にわたり、保育料の値上げや預け時間の延長等を行っており、町の情勢に見合った運営・管理を実施する必要があります。今後は、保育園と幼稚園を統合した「こども園」の認定などを念頭に検討していきます。

Q住民サービスはどうでしょうか?

Aこれまでの重要課題であった給水事業については、平成8年にほぼ100%の普及率となりました。漁業・農業・山とハード面の維持管理は、毎年実施していますが、そのためにその他の施設投資が出来ていない現状です。教育面においては、児童数が減少する中、小学校・幼稚園・保育所の統合により教育の「質」向上を図っています。

役場の将来像

Q役場組織は将来どのようになるのでしょうか?総務企画課の様子

Aこれまでは、多くの課に分かれていた組織を住民サービス向上のため、4、5程度の分野に分類し、機構改革を図りました。今後は、町民サービスの低下を招かない範囲で、全事務事業を総点検し、徹底した見直しや細部にわたった行政コストの削減等、限られた財源の中で、最大の効果を生み出す施策を検討していきます。 

Q今後の課題と取組について教えてください。

A財政運営については、実質公債費比率を持ち直すことを主に、財政の健全化を図ります。特に、町には、山間部、海岸部、農村部などがあり、あらゆる管理費用が毎年必要とされるため、公共施設の投資については、限られた財源のもとで一層重要な課題となります。また、人口減少は深刻化しており、町内だけに留まらず、町外や県外に対しても鋸南町をPRし、定住化促進を訴えていかなくてはなりません。

5.取材を終えて

鋸南町役場

 「合併」という選択肢を選ばず、自律(立)に向けて歩き出した鋸南町。職員一人一人が危機意識を感じており、地元に対する愛着や責任感・使命感から「自分たちの町は自分たちで守る」という生の声を聞いてきました。

 これまでも、保育料や公共施設の利用料の値上げなど住民負担を上げたり、補助金等の削減をせざる得ない状況もありましたが、職員も身を切る思いで職務に当たっていることを痛感しました。

よくある質問

お問い合わせ

所属課室:総務部市町村課行政班

電話番号:043-223-2140

ファックス番号:043-224-0989

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