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更新日:平成28(2016)年7月27日

後期臨床研修

精神科レジデント(後期研修)プログラム

レジデント(後期臨床研修医)募集

募集要項等の詳細は県のホームページをご覧ください。

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研修目標

  1. 精神科医療の基本である、あらゆるタイプの急性精神病状態に対応できる。
  2. いかなる精神科臨床の現場でも適切な初期診療を行うことができる。
  3. 精神保健福祉法の運用や地域精神医療の実際を説明できる。
  4. 精神保健指定医に指定され、精神科専門医の資格を取得する。

研修内容

研修期間

原則4年間のプログラム。精神保健指定医に必要なケースレポートや精神科専門医で提出す症例報告の指導を十二分に受けることができ、かつ、指定医取得後で研修4年目最後の三カ月間は指定医として当センターに勤務し、豊富な措置診察・緊急措置診察業務を直ちに経験することができる。なお、プログラム終了後も当センターに継続して勤務することが可能である。

当センターの特徴

「精神科救急は入院してからが勝負。早期治療と早期退院により、50床のベッドでも年間400人の患者を受けられる。400床の病院と同じ機能が果たせる」との理念のもとで、日本の単科精神科病院では考えられない小さな規模で、約30年にわたり絶え間なく精神科救急を実践してきた。この実績を背景に、当センターでは下記の研修をレジデントに提供することができる。

  1. 患者の入院治療に初期からかかわり、発症から回復に至るまでの急性期の患者の主治医となる。退院後は引き続き外来主治医となり、社会復帰に至るまでの継続した診療を行い、訪問診療も積極的に実施する。
    特に急性精神病状態を呈する疾患については、統合失調症のようなよくある疾患に加えて、身体疾患に由来する精神疾患や稀な疾患も含めて広く深く経験する。(精神保健指定医のためのケースレポート8症例についての治療経験を1年程度の短期間で当センター単独で全症例を揃えることが可能である。)
  2. 精神科救急情報センター(院内に併設)において精神保健福祉相談員とともに、一次から三次までの救急対応の実際と法施行事務について学習する。
    また、臨床心理士、精神保健福祉相談員、保健師等、他職種でのチーム医療や保健所での精神保健福祉相談業務を通して、地域精神医療の実際を学ぶ。
  3. 全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害等の神経症圏を初め、児童思春期やパーソナリティ障害圏等の様々な診療を経験しつつ、より専門的な医療が必要な症例を丁寧に見極め、適切な医療機関を紹介する。
  4. 当センター内で開催される神経生理についての学習会、精神療法についての学習会、症例検討会等に参加する。(例:2013年度はStahl’s Essential Psychopharmacology 4th editionの輪読会)
  5. 千葉県精神科医療センター付属のデイホスピタル(デイケア)センターでの精神科リハビリテーションや回復期病棟における心理教育プログラムに参加する。
  6. 司法精神医学における鑑定書の書き方などを鑑定助手として経験する。
  7. レジデントは、例えばアメリカ心臓協会が開催するBLSヘルスケアプロバイダーおよびACLSプロバイダーコースを受講する。精神科救急は身体合併症のリスクが高いため、レジデントは上記資格取得が推奨される。
  8. 他の千葉県立病院と連携して、希望により一定期間、身体科の研修ができる。
  9. 千葉大学医学部附属病院精神神経科とも協力的に臨床研究を実施している。社会人大学院博士課程に在籍している医師は4名(2013年4月現在)おり、アカデミックな環境も整っている。学会や地方会での研究発表も、もちろん経験することができる。千葉県立病院群レジデント制度の「レジデント医のための海外研修制度」を利用しての海外研修も可能である。
  10. 千葉大学、北里大学、名古屋市立大学、筑波大学の医局との交流実績があり、レジデントの出身校も奈良県立医科大学、岐阜大学、鳥取大学、山口大学、京都大学、千葉大学等多彩である。このため、学閥や学派に依らない自由な気風の中で診療に集中することができる。また、当センター常勤医師のバックグラウンドも様々であり、カンファランスでは常に活発なディスカッションが行われている。
  11. 前もって申し出れば、比較的自由に院外のワークショップ等に参加することができる。(例:発達障害研修、薬物依存症研修、認知行動療法研修等)

研修プログラム(例)

研修プログラムの例を示す表

※オリエンテーション、レクチャー:約1ヶ月間、当センター医師、看護師、事務等から当センターの日常業務から主要な精神疾患への対応まで幅広い指導を受け、即戦力を身につける。
※CPMC:ChibaPsychiatricMedicalCenter、千葉県精神科医療センターの英訳の略称。
※保健所:同じ県立機関として地域精神医療に貢献するため、状況に応じ研修期間中に相談業務出張ができる。2013年現在、市川、松戸、習志野、市原等の各保健所で精神保健福祉相談を実施している。
※院外研修:千葉県救急医療センター集中治療科、国保旭中央病院神経精神科、千葉県がんセンター精神腫瘍科、千葉県立佐原病院神経精神科での研修実績がある。
※精神鑑定:医療観察法に則った鑑定入院を当センターで行うことがあり、その際に主として指定医が担う鑑定人業務を補助する形で鑑定助手としてレジデントは関わることができる。司法精神医学は数ある精神科サブスペシャルティーの一つであるが、後期研修の初期から参加できるのが特徴である。

レジデント業務の一週間

一週間のレジデント業務内容を示す表

※病棟当番:当直業務中に入院した患者についての翌日の応対と、病棟全般で生じる処置等を担当する。
※病棟業務:主治医として入院患者の診察等を行う。他時間も極力病棟で診療する。
※救急当番:初診の外来患者診察、他医療機関からの入院依頼、警察や救急からの救急受診相談等に従事する。初診は、原則独りで診療するが、診断等に迷った場合は、指定医のフィードバックを適宜受けることができる。
※副直:17時から翌日8時半まで、レジデントは非指定医として指定医とペアで当直(非指定医は副直)業務に従事する。当センターの入院患者年間約400名弱の6割程度が当直時間帯での入院であり、多くて1回の当直で3人程度の入院を経験できる。院内併設の千葉県救急情報センターにおける受診調整業務も行う。当直時間帯に全県下で発生する相談に対し、非指定医が心理社会的な背景も考慮しながら緊急性や重症度を吟味し、指定医や精神保健福祉相談員と相談しながら、精神科救急医療システムに則って受診病院を電話調整する。当直回数は月5〜6回である。一方、4週8休は守られており、休日に勤務の場合は、平日に代休が確保される。上記の通り、精神科当直業務としては多忙な部類にはいるが、一方で指定医の人数は豊富で丁寧な指導も可能である。
※入院カンファ:過去1週間で当センターに入院した患者について、主治医がプレゼンテーションを行い、当センター医師全員で診断についてのディスカッションや治療方針の確認等を行う。

経験できる疾患

精神保健指定医取得のためのケースレポート8症例についての治療経験を1年程度の短期間で当センター単独で全症例揃えることが可能

  • 統合失調症(初回エピソード、超急性期、急性期、慢性期等あらゆる病期を含む)
  • 双極性障害(特に躁病エピソードの症例が豊富)
  • うつ病(特に激越うつ病や精神病症状を伴ううつ病症例が豊富)
  • 器質性精神障害(例:びまん性軸索損傷や脳出血後に出現した幻覚妄想等)
  • 妄想性障害
  • 急性薬物中毒(例:覚せい剤、大麻、睡眠薬)
  • アルコール離脱せん妄
  • 身体合併症を有する精神疾患
  • 外国人事例、在外邦人帰国事例(成田空港も診療圏であるため。多文化間精神医学の研鑽も可能。)
  • 全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害等の神経症性障害
  • その他、認知症や発達障害、パーソナリティ障害等の様々な精神疾患

身分・処遇等(千葉県立病院群レジデント制度HPより抜粋)

1.身分

千葉県病院局レジデント医(嘱託、非正規)

2.勤務時間・休暇

週37時間30分勤務(時間外・宿日直勤務あり)
有給休暇:年次休暇20日、特別休暇(産前産後休暇、忌引き等)

3.給与モデル(平成26年4月現在)

  • レジデント1年次(免許取得後3年目)約930万円
  • レジデント2年次(免許取得後4年目)約1,030万円
  • レジデント3年次(免許取得後5年目)約1,120万円
  • レジデント4年次(免許取得後6年目)約1,290万円

※上記金額には、基本報酬のほか宿日直手当(4回/月)、賞与、時間外手当(30時間/月)を含む。通勤手当は別途支給。

参考文献

  1. 精神救急病棟 野村進著 講談社 2003年
    当センターを著者がのべ3年間にわたり取材してできあがったルポルタージュであり、当センターのエッセンスが紹介されている。
  2. 精神科臨床ベストアドヴァイス マニュアルからは得られない現場の技術のすべて 浅野誠編集診断と治療社 2010年
    前センター長編集。現場での的確かつ実践的な対応策をクリアカットに詳述したアドバイス集である。
  3. 急場のリアリティ―救急精神科の精神病理と精神療法 計見一雄著 医療文化社 2010年
    当センター設立者である名誉センター長による著書。当センターレジデントを対照とした毎週金曜日のカンファランスでの講義を1年分まとめたもの。当センター精神科レジデント希望者の必須文献。
  4. 精神科救急医療の現在 平田豊明・分島徹責任編集中山書店2009年
    当センター長の責任編集で、千葉県での精神科救急の解説がある。
  5. 精神科救急ケースファイル―現場の技 日本精神科救急学会編集、平田豊明・八田耕太郎監修中外医学社 2009年
    当センター長が監修した精神科救急の事例集。若手精神科医のために、ベテラン医師が精神科救急の豊富な経験と症例を基に、現場の「技」を紹介する。
  6. 精神救急ハンドブック―精神科救急病棟の作り方と使い方 改訂版 計見一雄著 新興医学出版社2005年
    本邦初の精神科救急センターでの20年におよぶ運営経験をもとに、その実際と問題点などを解説したもの。

お問い合わせ:医療局(深見)

E-mail:mailto:seisin1@mz.pref.chiba.lg.jp

電話:043-276-1361