ここから本文です。

更新日:平成29(2017)年3月17日

理念・戦略

設立理念

当センターは、1985年6月、人口の急増する千葉県で発生する精神科救急ケースに、24時間365日、切れ目なく対応することを主たる任務として設立されました。しかも、入院した急性期患者は退院まで治療し、退院後の在宅ケアもフォローアップすることを原則としました。
東京都をモデルとした精神科救急事業が、夜間休日における救急ベッドの確保と医療の入り口までの手続を重視しているのに対して、当センターは医療の内容を重視してきました。「収容施設としての精神病院」のアンチテーゼとなる「治療施設としての精神科病院」をめざしてきたといってもよいでしょう。

基本戦略

こうした理念を実現するために、当センターは、入り口から出口を一貫する4つの基本戦略―即応医療、集中医療、継続医療、包括医療―のもとで運営されてきました。

1.即応医療(immediate care)

全県に電話番号を公開し、PSWが、常時、誰からでも電話相談に応じられる体制をとっています。国の精神科救急事業における情報センターのモデルとなりました。1日約100件の相談に応じ、緊急性を判断した上で、救急診療が必要な新規ケースは、救急輪番病院や基幹病院につなげますが、当センターが最終バックアップをします。全救急診療の約4割、入院の約5割を当センターがカバーしています。

2.集中医療(intensive care)

年間400件ほどの入院治療を担う病棟部門は、隔離室・個室21床からなる第1病棟と、4床室を含む29床からなる第2病棟で構成され、計40名の看護師が配属されています。常勤医師も研修医を含めて16名(2012年4月末現在)が勤務していますから、急性患者一人一人を丁寧に診察することができます。さらにPSWや保健師なども入院初期から治療に関わるなど、多職種による短期集中的な入院治療をめざしています。
2010年度は、急性期から休息期をカバーする第1病棟で平均20日、回復期をカバーする第2病棟で平均24日、通算44日をかけて退院にこぎつけています。安全で円滑な入院治療を達成するために、様々なノウハウが蓄積されてきました。

3.継続医療(continuous care)

退院後の在宅ケアを支援するために、継続的な通院治療のほかに、デイホスピタルや訪問看護を追加します。現在、統合失調症や双極性障害を中心に、約1,800人の在宅ケースが通院しています。危機的状況に際しては、電話相談や救急診療、緊急的なアウトリーチサービスなど、即応医療の機能を発揮して再入院の防止に努めます。

4.包括医療(comprehensive care)

小規模病床での短期入院と在宅ケアの支援という方針を維持するためには、関係機関とのネットワークの構築が欠かせません。当センターが掲げる包括医療という戦略は、病院が傘を広げて地域ケアを包括するのではなく、病院は役割を限定する代わりに社会資源を開拓・活用して、地域社会全体で包括的に在宅ケアを支えようというものです。

以上のような理念と戦略によって、当センターは、これまでに2万件を超える新規の救急診療と1万件以上の入院治療にあたってきました。今後も、新しい治療法や治療システムを取り入れながら、進化し続けることをめざしています。