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更新日:令和4(2022)年6月15日
ページ番号:8731
夏が終わる頃、元気で青々としていた葉が急に赤くなり、マツが枯れてしまうことがあります。北部林業事務所が管理している海岸県有保安林の中にも枯れるものがあります。これは松くい虫による病気で枯れているのです。
(参考)令和2年度千葉県林業統計書から抜粋(松くい虫防除実績)※被害量含む(PDF:108.2KB)
「松くい虫」による被害と言っても、松くい虫という名の虫がマツを枯らしているのではなく、線虫とカミキリの共同作業によるものです。
松くい虫の被害が初めて発見されたのは明治38年、長崎県でのことでした。当時は原因がわからず、その後は北海道と青森県を除く全国に急速に被害が拡がりました。
長年の研究結果から、昭和46年に松枯れの原因が新種のセンチュウであることが確認され、「マツノザイセンチュウ」と名づけられました。マツノザイセンチュウは体長1ミリメートルにも満たない生物です。
マツが枯れてしまう病気の原因がこのセンチュウであることはわかりましたが、センチュウがどのように枯れた木から健康な木へと移動し、被害が拡がっていくのかを解明するため、さらに研究が続けられました。
そしてセンチュウの運び屋が「マツノマダラカミキリ(写真左)」という虫であることや被害が拡がるしくみがはっきり確かめられました。今ではマツノザイセンチュウによって引き起こされる松枯れを「マツ材線虫病」と呼び、被害を防ぐための対策が進められています。
※「カミキリ」はマツノマダラカミキリ、「センチュウ」はマツノザイセンチュウのことです。
マツ林を守るために、さまざまな対策を実施しています。
被害の拡大を防ぐため、センチュウの運び屋であるカミキリの成虫を駆除することを目的とし、健康なマツに薬剤を散布します。
カミキリの成虫が羽化して出てくる5月下旬から7月上旬に実施します。
千葉県北部林業事務所では、小型無人ヘリコプターで散布する方法と、地上から動力噴霧器で散布する方法を行っています。
無人ヘリコプター(写真左)
動力噴霧器(写真右)
被害木にはカミキリの幼虫やセンチュウがいて、そのまま放置すれば、翌春に羽化したカミキリがセンチュウを運び、また被害が拡がってしまいます。それを防ぐために、被害木を伐り倒し、処分して、材の中にいるカミキリの幼虫を駆除します。北部林業事務所では、伐り倒した被害木を細かく砕いてチップにして駆除する方法を行っています。
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