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更新日:平成31(2019)年2月6日

「ナシ黒星病」春先から徹底防除を!

1.はじめに

ナシ黒星病は、葉や果実に黒いすすがついたような病徴を示すナシの代表的な病害で、果実に発病した場合、裂果につながり、直接的な減収の原因となる最も重要な地上部病害となっています。

本病の第一次伝染源は、前年の被害落葉と感染した芽基部組織の2つです。芽基部への感染は、秋季に主に腋花芽の鱗片に感染した黒星病菌が冬季に鱗片組織内で病斑を拡大させ、分生子を形成し、芽基部組織に達することで、春に発病芽となります。

黒星病の防除のためには効果的な春先防除の実践により、発病芽からの感染の拡大を防ぐことが重要です。そこで、薬剤の散布時期を変えて防除効果を比較し、防除適期を明らかにするための試験に取り組みました。

2.予防剤の散布適期

(1)時期別散布試験の結果から

平成26年から28年の3月上旬~4月上旬に時期を変えておよそ1週間間隔で2回の予防剤の散布を行ったところ、3月中旬及び下旬に散布すると比較的黒星病の発病芽の割合が低くなります(表1)。なお、この時期の腋花芽の生育段階は催芽期、発芽期が多く占めています(表2)。

表1.時期別散布試験の各区における散布日と発病芽率

時期別散布試験の散布日と発病芽率

表1の拡大画像(PNG:15KB)

注1)立ち木仕立ての「長十郎」を用い、調査は平成26年は4月20日に、平成27年は4月10日に、平成28年は4月10日に実施した

注2)本試験ではベルクートフロアブル1,000倍液を用いた

注3)※,※※Fisherの正確確率検定でそれぞれ5%、1%の有意水準で無処理区の発病芽率と有意に差がある

表2.腋花芽の生育段階の推移

腋花芽の生育段階の推移

表2の拡大画像(PNG:11KB)

(注)図1参照

 

芽の生育段階の様子

図1.芽の各生育段階の様子

注)

  • i:休眠期:休眠状態にあると思われ、鱗片生組織が見られない
  • ii:催芽期:芽基部等に鱗片生組織が見られる
  • iii:発芽期:生組織が枯死組織との割合が外観で半々の状態
  • iv:出蕾初期:蕾が外観から確認できる
  • v:出蕾期:蕾組織が芽鱗片から外側に伸長している
  • vi:展葉期:葉の展開が始まっている
  • vii:花蕾期:白色の花弁が明瞭に確認できる

※鱗片脱落期はv、vi、viiの時期に相当する

(2)芽の生育段階別の散布試験の結果から

休眠期から出蕾期(図1)にかけて芽の生育段階別に予防剤の散布を行ったところ、催芽期~発芽期で防除効果が高く、それ以降効果が低くなっていく傾向が見られます(表3)。

表3.芽の生育段階別の防除効果(注1)

芽の生育段階別の防除効果

表3の拡大画像(PNG:5KB)

注1)防除価=100×(1-(薬剤散布区における発病芽率/無処理区における発病芽率))

本試験では、ベルクート1,000倍液を用いた

注2)図1参照

注3)※、※※Fisherの正確確率検定でそれぞれ5%、1%の有意水準で有意に無処理区との発病芽率に差があることを示す

(3)試験結果のまとめ

時期別防除試験及び生育段階別試験ともに防除効果の高い時期は概ね一致し、催芽期及び発芽期は芽基部組織への感染を防ぐための散布適期といえます。

3.おわりに

試験結果から芽基部組織への感染を防ぐための予防剤の散布適期は、脇花芽の生育段階が催芽期から発芽期であることが明らかになりましたが、圃場全体では、ナシ樹の中で個々の芽の生育に個体差があります。春に発病が見られる芽は長果枝の先端で、短果枝の芽にはほとんど発病が見られません。このことから、薬剤散布のタイミングは、長果枝の先端部分の芽が催芽期から発芽期に至ったタイミングで実施することが好ましいと考えられます。

初掲載:平成31年2月

農林総合研究センター

病理昆虫研究室

研究員

青木由

電話:043-291-9991

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電話番号:043-223-2911

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