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更新日:令和3(2021)年6月10日
ページ番号:7446
収穫した米にわずかでも斑点米が混ざっていると、等級の低下につながります。この斑点米はカメムシ類が籾を吸汁することによって発生します。カメムシ類の適切な防除の実施により、斑点米の発生を防ぎましょう。
斑点米を引き起こすカメムシの種類は、地域により発生状況が異なります。千葉県で斑点米の原因として問題となっている主なカメムシ類は、大型のクモヘリカメムシ(写真1)、ホソハリカメムシ(写真2)、小型のアカスジカスミカメ(写真3)などです。
写真1.クモヘリカメムシ
写真2.ホソハリカメムシ
写真3.アカスジカスミカメ
斑点米の原因となるカメムシ類はイネ科植物を好みます。ほ場周辺にある畦畔や農道等のイネ科雑草はカメムシ類の発生源となるため、除草を徹底することが大事です。一方でイネの出穂期間近での除草は、雑草にいたカメムシ類をほ場内に追い出し、かえって加害を助長するおそれがあります。このため、ほ場周辺の除草は出穂2週間前までに行うようにします。
タイヌビエなどのイネ科雑草や、イヌホタルイなどのカヤツリグサ科雑草が本田にあると、これがカメムシ類の誘因、発生源となり被害が増えるおそれがあるため、除草を徹底します。
出穂期になると、カメムシ類の本田への侵入が増加します。カメムシ類の発生が少ない場合は乳熟後期の1回の防除で効果がありますが、多発が予想される場合は穂揃期と乳熟初期の2回の防除を実施します。
航空防除の実施地区においても散布後に侵入した成虫や、ふ化した幼虫による被害の恐れがある場合は追加で防除を行います。また、周囲より早く出穂したほ場や、特に遅く出穂したほ場は集中して被害を受けやすいので、防除を徹底します。
薬剤はスミチオン乳剤やトレボン粉剤DL、スタークル粒剤など多数ありますが、収穫が近い時期での散布となるため、収穫前使用日数や周辺田への薬剤防除(ドリフト)に十分注意してください。
※農薬は初掲載(平成30年6月)時点の登録内容をもとに作成しております。農薬の使用にあたっては、ラベルおよび最新の登録内容を確認し、安全に使用してください。
近年、斑点米が増えた理由の1つとして、休耕地が増加し、ほ場の近くにカメムシの繁殖適地が増えたことがあげられています。カメムシ類の発生を減らすためには、雑草地の草刈など、地域ぐるみでほ場周辺の環境整備に取り組むことも大事となっています。
初掲載:平成30年6月
担い手支援課専門普及指導室
主任上席普及指導員
伊藤文雄
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