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更新日:令和2(2020)年4月3日

水稲プール育苗のポイント

「プール育苗」とは、育苗ハウス内にビニール等で簡易なプールをつくり、そこに育苗箱を並べて湛水状態で育苗する技術です。

出芽・緑化までは通常の育苗管理を行い緑化終了後から湛水します。湛水以降は毎日のかん水やハウスの開け閉めの手間がなくなるので、育苗が大幅に省力化できます。

1.プール育苗の特徴

プールに湛水してからは毎日のかん水や換気が必要ないので、育苗管理の大幅な省力化が可能

生育の揃った根張りの良い苗になる

苗丈が伸び過ぎになりやすい

湛水以降はカビや細菌による病害、ムレ苗等が発生しにくい

2.プールの設置方法

(1)ハウス内を均平にする

石や土塊を取り除き、できるだけ均平に整地する。凹んでいる部分はもみ殻等で埋めてもよい。ただし、生のもみ殻を使う場合は、いもち病やばか苗病の発生が無かった圃場のものを使用すること。

プール内に苗箱の高さ以上の高低差があると苗箱が乾いたり水没したりして生育ムラになるので、均平しきれずに高低差ができてしまう場合は、途中に仕切り版を入れてプールを区切り、高低差が小さくなるように調整してもよい。

(2)プールの枠を設置する

水深を5~7センチメートルくらいにできるよう高さ10センチメートル程度の枠をつくる。枠の材料は角材やヌキ板、C型軽量鉄骨、太い塩ビパイプ等、手近にあるものを利用できればコストを安くできる。ただし、かなりの水圧がかかるので、動いたり曲がったりしないようにしっかりと固定する。また、苗箱を並べた時に枠との間に5センチメートルほど隙間ができるように並べる苗箱よりも枠を広く設置して、水がよく回るようにする。

通常の平置き育苗から切り替えた場合、ハウス内に並べられる苗箱数が少なくなることがあるので注意する。その対策として、通路部分を含めハウス全体を大きな1つのプールにする例もある。

(3)プールのシートを敷く

シートは穴が開いたりしないように二重にする。下に敷くシートは使い古しでもよいので、草が生えてプールに穴が開かないよう、防草シートや黒マルチシートなど遮光できるシートにする。上に敷くシートはポリフィルムやビニールで厚さは0.1ミリメートル以上が望ましい。シートの大きさは、並べた苗箱の幅より50~80センチメートル程度広いものを用意。水漏れをなくすため、枠の外側までシートが回るように幅に余裕を持たせる。

写真1ハウス全体をプールにしている例

写真2高低差のため途中に仕切り板を設置している例

3.プール育苗の管理

出芽・緑化までの管理は、通常の育苗管理と同じです。

無加温平置き出芽の場合は、は種後の苗箱を水を張っていないプールに並べて被覆資材で覆うことになるが、被覆資材がプールの枠にかかったりすると苗箱との間に空間ができて苗箱が乾いたり高温障害の原因になるので、隙間ができないように箱下に巻き込むか重しを置いて無駄な隙間ができないようにする。

(1)苗箱の準備

プール苗は根絡みが良すぎて苗箱からはがしにくくなることが多いので、ダイヤカットなど箱の外に根が出にくい育苗箱を使うか、箱底に紙資材を敷くなどの対策を行う。

(2)湛水開始

プールへの湛水開始は1葉が展開し、2葉が出始める頃を基本とする。出芽揃いが悪いようならさらに遅らせる。水かけを一切省力化するために被覆資材をはがしてすぐに湛水する例も見られるが、出芽の遅れた苗が水没すると出芽不良や根張りが悪くなる。早期に湛水するためには、浸種や催芽を丁寧に行い出芽を揃えることが重要。

(3)水管理

プールの水深は苗箱の上1~2センチメートルを基本とする。稲の生長点がある根元を保温すると同時に床土が湛水していることでカビなどの病気の発生を抑えることにもつながる。

水位が苗箱よりも低く底面給水のような状態になっている例も見られるが、その場合は水の保温が期待できない。このため、ハウスを開放していると温度が下がり過ぎて生育が悪くなることがあるので注意する。同様にカビやムレ苗の抑制についても期待できない。

(4)換気

プールに湛水したら、基本的にはハウスのサイドビニールは昼夜開放して十分な換気を行う。夜間も水で根元が保温されるため、通常の育苗に比べて苗丈が伸びやすくなるので注意する。

ただし、翌朝の最低気温が4度を下回ることが予想される場合はハウスのサイドビニールを閉め、水深を苗丈の半分くらいまで上げて保温に努める。

逆に、気温が高くハウスを全開しても温度が30度以上になりそうな場合は、プールの水を交換するなどの対応が必要になる。

(5)落水

水に浸かっている苗箱はかなり重く運搬の手間がかかるので、田植えの2~3日前には落水して苗箱を軽くしておく。ただし、プール苗は慣行育苗の苗よりも乾燥に弱いので、田植え当日は圃場で長時間放置して萎れないように注意して、水やりなどを行う。

 

近年、さらに省力的な露地でのプール育苗の事例も見られるようになってきました。プールに湛水して保温できるようになるまでは全くの露地での育苗となり、温度管理等がより難しくなるので、は種時期は気温が上がる4月以降とし、加温出芽と組み合わせる例が多いようです。

 

初掲載:平成29年3月

君津農業事務所改良普及課北部グループ

上席普及指導員櫻井富久

電話:0438-23-0299

 

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