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更新日:令和元(2019)年11月20日

ナシのいや地は品種により異なる

1.はじめに

本県のニホンナシは老木化が進み、「幸水」では収量低下や果実の小玉化、「新高」ではみつ症や裂果が問題となっています。そのため、若木への改植が急がれていますが、改植した苗木の初期生育が、いや地(同一植物の連作や長期間の栽培により作物の生育が不良になる現象)により不良となる事例が多く見受けられます。ニホンナシのいや地対策として、休耕や客土によるいや地物質の除去、株元マルチやジベレリンペーストの塗布による生育促進等があります。
一方、改植圃場の苗木の生育を観察したところ、いや地の影響は品種により異なるのではないかと考えられました。そこで、いや地の影響の品種間差を明らかにするために試験を行いましたので紹介します。

2.連作土壌の影響

「幸水」を抜根した跡地土壌(以下、連作土)または果樹未植栽の土壌(以下、新土)を充填した22.5リットルの鉢に、平成25年3月にマンシュウマメナシ台の「幸水」、「豊水」、「あきづき」及び「新高」の1年生苗木を植栽し、11月に生育量を調査しました。

(1)1年生枝の生育及び主幹径

連作土区の生育を新土区と比較すると、1樹当たりの発生本数はいずれの品種も差がありませんでした(表1)。枝長はいずれの品種も短くなりました。総伸長量は「幸水」及び「あきづき」が短くなりました。基部径は「豊水」、「あきづき」及び「新高」が細くなりました。主幹径は「豊水」及び「あきづき」が細くなりました。

表1連作土壌が苗木の1年生枝の生育と主幹径に及ぼす影響

注1)*は5%水準で、**は1%水準で有意(t検定)
2)比率は、(連作土区)/(新土区)×100
3)試験は各品種5反復で行った

(2)1樹当たりの生体重

1年生枝、旧枝、根部及びそれらの合計は、「幸水」、「豊水」、「新高」では連作土区と新土区の差はありませんでしたが、「あきづき」ではいずれの部位も連作土区が軽くなりました(表2)。

表2連作土壌が苗木の生体重に及ぼす影響

注)表1の注と同じ

以上の結果から、試験した品種はいずれもいや地により初期生育が抑制されることが分かりました。しかし、いや地による影響には品種間差があり、「あきづき」が最も大きく、次いで「豊水」と「幸水」で、「新高」が最も小さいことが分かりました。

3.おわりに

いや地の影響は、「新高」が比較的受けにくいことが分かりました。また、「新高」はニホンナシの老木で問題となっている萎縮病の発生が少ないことも分かっています。これらのことから、「新高」以外の品種に改植する場合は、まず「新高」の苗木を植栽して1から数年間育成し、そこに目的とする品種を高接ぎして育成することが、いや地のみならず萎縮病も軽減する一方策と考えられます。しかし、高接ぎする位置や「新高」に高接ぎした際の穂木品種の生育や成熟特性等不明な点が多いため、今後さらに実用性の検討が必要です。

初掲載:平成28年11月

農林総合研究センター
果樹研究室
主任上席研究員
川瀨信三
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