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更新日:令和元(2019)年8月15日

千葉県における大豆生産の考え方

1.日本の大豆をめぐる状況

大豆生産に関わる交付金制度

大豆はもともと畑作物ですが、米の生産調整が開始された昭和44年以降、転作作物として位置付けられたことから、水田での作付面積が増加しました。

農林水産省が進めている経営所得安定対策では、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の数量払いを基本とし、その内金として面積払いで20,000円/10aが支払われています。大豆においては、等級(被害粒の割合や粒揃いの違いで区分)に応じて数量払いの交付単価が増減されます(表1)。

表1大豆の品質区分と数量払いの交付単価(単位:円/60kg)

品質区分

1等

2等

3等

普通大豆

12,520

11,830

11,150

特定加工用大豆

10,470

※助成単価は平成28年時点

※「特定加工用大豆」は、豆腐・油揚、しょうゆ、きなこ等製品の段階において、大豆の原形をとどめない用途に使用する大豆

また、水田活用の直接支払交付金としては、戦略作物助成35,000円/10a、大豆と麦を輪作した場合は二毛作助成として、更に15,000円/10aが加算されます。

※助成単価は平成28年時点

大豆は日本型食生活を特徴づける各種加工食品の原料として貴重な存在ですが、このような交付金制度によって支えられています。大豆生産に当たっては、交付金制度の利用をまず第一に検討しましょう。

2.千葉県における大豆生産と今後の課題

千葉県の大豆品種

稲、麦、大豆等の作物について、各都道府県では県内で奨励すべき品種として「奨励品種」を定めています。その種子は都道府県知事の指定する「指定種子生産ほ場」で生産され、農協等の各種ルートを通じて県内に広く流通します。

千葉県の奨励品種は、「タチナガハ」、「サチユタカ」、「フクユタカ」の3品種です。これらの品種をそれぞれ県内生産上の位置付けで中生や晩生に分類することはありますが、全国的にみればいずれも晩生系です。

また、生産した大豆は農産物検査を受けて品位等の証明を受けることができますが、都道府県単位に認定される「産地品種銘柄」になっていないと、品種名(品種)の表示ができません。上記の奨励品種はいずれも千葉県の産地品種銘柄になっているので、本県の大豆生産に当たっては奨励品種の中から選定するのが基本です。

千葉県における大豆生産の現状

千葉県における平成27年産の大豆の作付面積は835ha、収穫量は919tでした。また、平年単収は128kg/10aでした(農林水産省統計部「作物統計」より。「平年単収は、原則として直近7か年のうち、最高及び最低を除いた5か年の平均値」)。全国の平年単収172kg/10aと比較すると千葉県の平均収量は約3割少ない状況です。

一方で、平成27年産大豆農産物検査において、千葉県の普通大豆の1等比率は35.9%でした(農林水産省「平成27年度における大豆の農産物検査結果」より)。2等以下に格付けされた主な理由は、形質不良及びしわ粒によるものであり、天候不順の影響のほか、収穫時期の遅れ等、生産技術に起因していると考えられます。

千葉県における大豆生産の課題

平成27年3月「食料・農業・農村基本計画」において、大豆の生産努力目標が32万tに設定されました。今後、千葉県においても、大豆生産上の課題への取組により生産性を向上させ、生産努力目標の確実な達成に向けて生産拡大が求められます。

千葉県における大豆生産の対策

千葉県における大豆生産の対策として、排水性の改善、単収の向上、品質の改善などの課題解決が求められます。

千葉県の大豆は、主に水田の転作作物として栽培されています。一方で、大豆は根の酸素要求量が多く湿害を受けやすいことから、明渠や暗渠、団地化等の排水対策を徹底する必要があります。

さらに、大豆の作付頻度が増加したことによる地力の低下、病虫害や雑草害の増加、連作障害が収量の低下に影響しています。そのため、堆肥の施用や緑肥の利用によるほ場の地力回復、病害虫リスクの低減等を考慮した輪作体系の確立などにより、持続的に大豆の単収を維持・向上を図っていく必要があります。

3.君津地域における「小糸在来®」の取組み

このように、大豆の生産に当たっては国の交付金制度を活用し、奨励品種を選択して収量・品質の向上を図るのが基本的なあり方です。一方で、君津地域では地域資源「小糸在来®」をいかした活発な取組があるので御紹介します。

「小糸在来Ⓡ」とは

「小糸在来®」は千葉県君津市の小糸川流域で守り育てられた千葉県の代表的な在来大豆の「登録商標」です。「小糸在来®」の特徴は7月播種の晩生系品種であることで、枝豆としては10月中旬から11月上旬頃まで、大豆としては11月下旬から12月上旬頃が収穫期です。

図1小糸在来®大豆(左)と小糸在来®の白い花(右)
写真1小糸在来®大豆と小糸在来®の白い花

「小糸在来®」の生産・販売

「小糸在来®」を生産振興するために結成されたJAきみつ管内の生産者団体「小糸在来®愛好クラブ(平成16年5月発足)」のメンバーのみが「小糸在来®」を生産・販売しています。クラブ員は、厳正に栽培・調製された種子を用いており、種子の維持統一や品質向上など、様々な工夫を重ね、産地の維持・発展に取り組んでいます。

「小糸在来®」の加工品及び食農教育

平成18年3月に豆乳が商品化されたことを契機に、豆腐、納豆、どらい納豆、煎り豆、醤油、きな粉など様々な商品が開発されました。また、「小糸在来®」を教材とした出前授業や農業体験学習が行われるなど食農教育の取組も進んでいます。

図2小糸在来®の加工品と現地での体験授業の様子

写真2小糸在来®の加工品と現地での体験授業の様子

「小糸在来®」オーナー制

平成17年度に収穫作業の省力化、交流型農業の推進を図るためオーナー制を導入しました。園主2名、41区画で始まったこの取組は、平成27年度には園主8名、1,774区画にまで拡大し、近隣都県からも多くのオーナーが訪れ、枝豆・大豆の収穫を楽しんでいます。



写真3オーナー制当日の様子

「小糸在来Ⓡ」における課題と今後の方向性

「小糸在来®」の栽培は、「小糸在来®愛好クラブ」が発足した平成16年には生産者6名、栽培面積2.4haでしたが、平成26年には生産者96名、栽培面積34haまで拡大しました。

一方で、生産者数及び生産規模が急速かつ大幅に拡大したため、「出荷物の品質の統一」と「更なる高品質化」を重要課題として改善に取り組んでいます。

近年、マメシンクイガによる子実の食害が品質低下の原因となっています。農業事務所では、マメシンクイガのフェロモントラップを設置し、発生消長を調査しています。この調査結果を元に、「小糸在来®」の病害虫防除情報を生産者へ提供しています。

また、これまでヘアリーベッチの栽培による連作障害対策を実施してきましたが、ほ場の利用効率向上のため、ほ場占有期間の短い緑肥作物の栽培試験を実施しています。

「小糸在来®」を活用した取組は、農業者自身から始まり、オーナー制、農商工連携による多様な商品開発など、地域の活性化につながっています。

今後も、「小糸在来®愛好クラブ」発足当時の「地域の灯を点す」意識を忘れず、各関係機関との連携強化を図り、「小糸在来®」の新たな課題に挑戦していきます。



写真4播種作業の様子とぼっち積み風景

 

初掲載:平成28年6月

君津農業事務所改良普及課
南部グループ
普及技術員
青木優作
電話:0438-23-0299

よくある質問

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所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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